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行政書士必勝対策 「一般知識①」 石川 潔

行政書士必勝対策 択一式

一般知識①

(資格コンサルタント)
     石川 潔

実戦的な対策が鍵

 平成19年度の行政書士本試験は,新制度になって2年目でもあり,一応今後の出題傾向や出題レベルが見えてきたといえます。

 一般知識の14問の出題の内訳は,「政治・経済・社会」はそれぞれ2問ずつ計6問,「個人情報保護・情報通信」は個人情報保護2問,情報通信3問の計5問,「文章理解」は3問の出題でした。

 情報通信と個人情報保護の出題割合が逆になったものの,基本的には分野ごとの出題数は予想されたとおりでした。今年の本試験も基本的にこうした出題傾向,出題配分であると予測していいでしょう。

 ポイントになるのは,分野ごとの難易度の違い,バラツキです。もちろん分野ごとに複数出題されますから,難問もありますが,特に「政治・経済・社会」では難問が多く,「個人情報保護・情報通信」はやさしいものから難問まで幅広く,逆に「文章理解」は最も難易度のバラツキが少なく,やや難といった難易度です。

 昨年までの傾向を踏まえれば,真面目に準備すれば十分得点できます。ただし一般知識は範囲が広いですから,どこから手を付け,どこに重点を置くかがポイントになるでしょう。

 出題数と難易度から考えて,優先的に対策しておきたいのが「個人情報保護・情報通信」の分野です。時間を効率的に使うには,実戦的な対策が有効です。

 そこで,この講座では「本試験と同形式での予想問題」を用い,難易度も示しました。難易度は同時に制限時間の目安にもなります。★が1分です。★★なら2分以内の正解を目指してください。

問題1

 次のコンピュータウイルスに関する記述のうち,誤っているものはどれか。 難易度★☆☆

1 コンピュータウイルスとは,コンピュータのソフトウエアに入り込み不正な働きをするプログラムである。

2 コンピュータウイルスへの対応策としてウイルス対策ソフトウエアの導入があるが,既知のウイルスデータを利用するため,常にデータを最新の状態にしておく必要がある。

3 コンピュータウイルスがウイルスと呼ばれるのは,人のウイルス感染と同様,感染時には症状がなく,一定の潜伏期間を経て発症するためである。

4 コンピュータウイルスの多くはセキュリティーホールを突いて感染させようとするため,ネットワークから一旦切り離せば感染していても発症しない。

5 ワーム型コンピュータウイルスはコンピュータウイルスの中でも代表的なものの1つであるが,ネットワークの弱点を突いて侵入することが多いコンピュータウイルスである。


解説

 情報通信分野の過去の出題レベルからすると最もやさしいレベルの問題です。したがって,確実に正解するだけでなく,短時間に解けることも重要です。難易度★☆☆ですので,制限時間は1分と考えてください。


1 正しい。コンピュータウイルスとは,コンピュータへ入り込み不正な働きをするプログラムの総称です。感染経路の多くは,ソフトウエアのインストールによって起こります。

 インストールとは,ソフトウエアの機能をコンピュータへ組み込むことですが,この時にソフトウエアの中に巧妙にコンピュータウイルスである不正なプログラムが組み込まれていて,気がつかないで一緒にインストールしてしまうのです。

 特に,インターネットの普及によって,ネットワーク上からソフトウエアなどをインストールし感染することがほとんどです。


2 正しい。コンピュータウイルスへの有効な対抗手段の1つにウイルス対策ソフトウエアの導入があります。ただし,こうしたソフトウエアで検知できるのは,すでにウイルスとして知られている過去のウイルスです。

 ウイルスは,次々に変化しています。もとのウイルスから変化,変形した亜種や,まったく新しい新型などさまざまです。したがって,常に最新のデータで照合できるようにしておく必要があります。

 このほか,インターネットの接続業者であるプロバイダが,ウイルスのチェックをするサービスを行っている場合もあります。フィルタリングなどとも呼ばれるものですが,これは電子メールの送受信時に,プロバイダが電子メールの添付ファイル等にウイルスが含まれていないかをチェックしてくれるサービスです。こうしたサービスを利用するのも対抗策の1つになります。


3 正しい。コンピュータウイルスは,感染→潜伏→発症と,人のウイルス感染と同様な経過をたどるために「ウイルス」と呼ばれています。さらに,コンピュータウイルスに感染していることを知らずに使い続けると,他のコンピュータにさらに感染を広げてしまう点も似ています。


4 誤りで正解。コンピュータウイルスの多くはセキュリティーホールを突いて感染させようとしますが,感染していれば,ネットワークから一旦切り離しても発症します。ネットワークと繋がっているかどうかではなく,感染,つまり不正なプログラムが組み込まれてしまったかどうかが問題になるからです。


5 正しい。ワーム型コンピュータウイルスはコンピュータウイルスの中でも代表的なものの1つです。ワーム型のウイルスは,インターネットのネットワークの弱点を突いて侵入することが多く,インターネットの普及により爆発的に増え,コンピュータウイルスの代表格になっています。

 通常のコンピュータウイルスは,仕掛けられた不正なファイルとともに感染を広げますが,ワーム型ウイルスは,自己増殖し,さらに自分自身をネットワークを利用して他のコンピュータへばらまくのが特徴です。感染すると,ウイルスが自分自身でネットワークを介して他のコンピュータに感染を拡大してしまいます。

問題2
 次の記述のうち,誤っているものはいくつあるか。難易度★★☆

1 Dos攻撃とは,標的とするサーバやサイトのサービスの提供を妨害するため,標的に対して何度もアクセスを繰り返すなど,過剰な負荷をかけるものである。

2 クライアント・サーバ・システムとは,サーバにインターネットの回線を通して繋がれた一般ユーザのコンピュータが,必要に応じてサーバから情報を受け取る仕組みのネットワークシステムのことである。

3 ピア・ツー・ピア・システム(P2P)とは,コンピュータのネットワークの方式の1つだが,サーバを使用しないためネットワーク構築に多額の資金が必要である。

4 ファイル交換ソフトとは,ネットワークで繋がれたコンピュータ同士が,お互いにパソコン内にある文書や画像,ソフトウエアなどのファイルを検索したり,入手できるようなソフトウエアのことである。

5 ファイル交換ソフトの中には,ウィニーと呼ばれるコンピュータウイルスもあり,情報流出は大きな社会問題となった。

解説

 本試験での標準的なレベルの問題です。実際の試験では,こうした個数を問う問題も少なくありません。
 選択肢の記述自体は基本的な知識で対応できても,正誤の個数を正確に答えるには正解するための知識だけでなく,さらに一歩踏み込んだ知識も必要です。用語の意味は多角的に理解しておくように心掛けてください。


1 正しい。Dos攻撃とは,過剰な負荷をかけることで,正当な利用者へのサービスを妨害したり,場合によってはサイトの機能をダウンさせてしまう攻撃です。無言電話を何度もかけ,業務妨害するのと似ています。また,1箇所から攻撃するのではなく,複数の攻撃元から大量にアクセスする「DDos攻撃(協調分散型Dos攻撃)」という手口もあります。


2 正しい。現在のインターネットの形態がこのシステムです。世界中に無数にあるサーバコンピュータが相互に接続され,巨大なネットワークを形作っていると考えればいいでしょう。

 サーバというのは,ネットワークの中心的な役割をするコンピュータで,データベースなどの情報資源を集中的に管理しています。一般ユーザのコンピュータは,インターネット回線によってサーバに繋がれ,必要に応じてサーバから情報を受け取ります。

 繋がれている一般ユーザ側のコンピュータをクライアントと呼んでいます。この方式の弱点は,サーバに使われているコンピュータの性能によってネットワーク全体の性能が決まってしまう点にあります。アクセスが集中してサーバの能力を超えてしまうと,処理ができなくなってしまいますし,サーバ自体に何らかのトラブルが起きても,ネットワーク全体に影響が出てしまいます。


3 誤り。ピア・ツー・ピア・システムとはサーバを使用しないで,LANを使って複数のコンピュータを相互に接続するシステムですが,サーバが必要ないため,ネットワーク構築の初期投資も少なくて済むので,多額の資金は必要ありません。

 インターネット電話(IP電話)が,非常に安価あるいは無料でサービスを提供できるのは,この特徴を活かしているためだといえるでしょう。このシステムの一番の特徴は,サーバを使用しないため,接続されているコンピュータはお互いに対等な状態になる点です。

 つまり接続されたそれぞれのコンピュータが,サーバのような働きをしているからです。ネットワークのどこかでトラブルが生じた場合でも,処理速度が遅くなるなどの影響は起きる可能性がありますが,ネットワーク全体がダウンするというようなことは起きません。


4 正しい。ファイル交換ソフトというのは,規模が小さいネットワークであれば非常に利便性は高いと考えられています。しかし,不特定のコンピュータと繋がれている一般のインターネット上で使用されると,知らない間に自分のパソコンの情報が流出してしまうことになりかねません。

 「ウィニー(Winny)」というファイル交換ソフトが引き起こした官公庁や企業などの情報流出は大きな社会問題にもなりました。


5 誤り。ウィニーはあくまでファイル交換ソフトであり,コンピュータウイルスではありません。社会問題ともなった情報流出が起きたのは,ウィニーを利用して入手したファイルの中にウイルスが仕込まれていたためだからです。

 こうしたウイルスの多くは「暴露ウイルス」と呼ばれるもので,感染したパソコン内の情報(メールデータや各種ファイルなど)をウィニーを利用して逆にネットワークに公開してしまうものでした。

 有効な対策は難しいため,仕事で使うパソコンにはウィニーなどのファイル交換ソフトを安易に利用しないことや,個人のパソコンに仕事上のファイルなどを持ち込まないなどの注意をするしかありません。


 したがって,誤っているのは3と5の2つ。

問題3

 次の用語についての記述のうち,正しいものの組合せはどれか。難易度★★★

ア 複数のユーザがWebページ上に自由に書き込むことでコミュニケーションができるもので,通常,開設者がテーマを決め,興味を持ったユーザが自由に書き込んでいくものである。

イ Web上のコンテンツであるテキストや画像,レイアウトなどの保存や管理を行うソフトウエアで,これを利用すれば専門的な知識がなくても簡単にブログなどを作成することが可能である。

ウ ネットワーク上で通信を行うための帯域の確保や,通信速度など通信の質を保証する技術である。

エ 通常,電話番号は用途によって番号の形式が決まっているが,固定電話に割り当てられる電話番
号の形式をこのように呼んでいる。

   ア   イ   ウ    エ
1 BBS CMS QoS  0AB~J
2 Wiki NGN ADSL 1XY
3 SNS CMS ADSL 0AB~J
4 BBS NGN xDSL 0AB~J
5 BBS NGN QoS  0AB~J

■解説

 19年度の本試験でも,こうした用語に関する同様のレベルの出題がありました。情報通信のIT分野では,少なくともこの程度までは要求されると考えていいでしょう。多少時間(3分以内)がかかっても正解したい問題です。


ア BBS(電子掲示板)と呼ばれるものです。BBSの書込みは基本的には文字で行われますが,最近では画像の添付や,ファイルをアップロードすることができる電子掲示板もあります。

 こうした電子掲示板の多くはWebサイト中に置かれていますが,中には,電子掲示板のみを集めたWebサイトもあります。

イ CMS(コンテンツ管理システム)と呼ばれるものです。Webサイトを作成するには,Web上のコンテンツであるテキストや画像,レイアウトなどの保存,さらに管理など専門的な知識が必要ですが,CMSと呼ばれるソフトウエアを利用することで,専門的な知識がなくても簡単に作成することが可能です。

 CMSには自由にサイトを作成できるソフトウエアや,ブログなどを作成できるソフトウエアもあります。また,企業向けのソフトウエアや,無償で利用できるフリーソフトウエアもあります。


ウ QoS(クオリティ・オブ・サービス)のことです。これは,ネットワーク上で通信を行うための帯域の確保や,通信速度など通信の質を保証する技術ですが,特に最近では動画のリアルタイム配信やテレビ電話など,一定水準以上の通信の質の確保が必要なケースでは,重要な技術であり,注目されています。

エ 0AB~J(ゼロABJ)のことです。一般の固定電話の電話番号は,市外局番が0で始まり,その後に9桁の数字が続きます。つまり全部で10桁になっています。

 こうした電話番号の形式を総称して「0AB~J」と呼んでいます。アルファベットはそれぞれの数字に当たります。また,警察の110番や消防・救急の119番などのような特殊な3桁サービスの電話番号は1で始まり2桁の数字が続くため「1XY」形式と呼ばれます。

 ちなみにIP電話は,一般の加入電話とは別の電話網とみなされ,IP電話用の「050」で始まる番号でしたが,「固定電話並みの通話品質と安定性の確保」「加入電話を置き換える場合は緊急通報に対応」など,一定の条件を満たせば「0AB~J」形式の番号を利用できるようになりました。


 以上により,正しい組合せはア「BBS」,イ「CMS」,ウ「QoS」,エ「0AB~J」となり,1が正解。