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「行政書士」 記述式徹底攻略民法その9 氷見敏明

問題9

 A男とB子は,婚姻してから1年経過後スピード離婚した。

AとBとの間には,子CとDがいるが,Cは,婚姻成立日から210日経過したときに生まれ,Dは離婚後290日経過したときに生まれた。

CとDはA男の実子と推定される理由を40字程度で記述しなさい。


解説

奈々:実子って何?

翔子:実子とは,自分の生んだ子,血のつながりのある子ね。養子は実子とは呼ばないのよ。

奈々:実子には,嫡出子と嫡出でない子(非嫡出子)という区別があるけど,これは何?

翔子:嫡出子とは,婚姻関係にある男女の間で懐胎・出生した子のことね。非嫡出子とは,婚姻してない男女の間で生まれた子ね。

奈々:民法772条1項によれば「妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する」と定められているよね。

翔子:そうね。ただし,妻が婚姻中に懐胎したことを直接証明するのは極めて困難だから,一定の条件に該当すれば婚姻中に懐胎したものと推定する規定を定めたのよ。


奈々:知ってるわ。民法772条2項に「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する」と定めているわ。


婚姻成立        離婚
  200日       300日

夫の子と推定


翔子:この推定は,単なる事実上の推定ではなく,法律上の推定だから,これをくつがえすには,嫡出否認の訴えを提起しなければならないのよ(775条)。


奈々:嫡出否認の訴えを起こすことができる者は,原則として夫だけなんでしょ?


翔子:そのとおりよ。そこで,夫が嫡出の否認をしようとしない場合には,妻も子もこれを問題とすることができないのよ。


奈々:嫡出否認の訴えの相手方は,子または親権を行う母だけど,親権を行う母がいないときは,家庭裁判所の選任した特別代理人が子に代わって訴えの相手方になるんでしょ。


翔子:そうよ。嫡出否認の訴えは,夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならないのよ。ただし,夫が,子の出生後に,嫡出であることを承認したときは,その否認権を失うことになるのよ。


奈々:準正嫡出子って何?


翔子:父が認知した子は,その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。また,婚姻中父母が認知した子は,その認知の時から,嫡出子の身分を取得する。このように,嫡出でない子も,父母が婚姻することで,嫡出子の身分を取得することを準正嫡出子というのよ。

解答例

 婚姻成立日から200日経過後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれたから。(44字)

類似問題

 A男とB女が離婚したときから250日経過した時に,子を生んだ。民法772条により,子はA男の子と推定される。

そこで,A男は,子が自分の子でないことは分かっていたので,自分の子でないことを明確にしたい。A男は,どのような行為をすればよいかを40字程度で記述しなさい。

解答例
 子の出生を知った時から1年以内に,子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。(44字)