「行政書士」 一般知識最新用語と予想問題(上)その1 石川 潔
不動産受験新報2008年夏号
行政書士
5か月短期攻略号
資格コンサルタント 石川 潔
一般知識最新用語と予想問題(上)
一般知識をどう攻略するか
新制度になった行政書士試験ですが,一般知識に限っていえば,基本的には旧試験の出題傾向を踏襲したものということができます。
しかし,一般知識は範囲も広く,内容も多岐にわたるのも事実です。
特に,はじめて学習に取り組む方にとっては,どのように一般知識全体へアプローチし,どういった手順で学習を進めていけばよいか迷ってしまうかもしれません。
しかし「なんとかなるだろう」は通用しません。効率よく時間を使い,効果的な学習を進めるには,いくつかのポイントがあります。
まず敵を知ろう
どのような試験でもそうですが,敵である相手,つまり試験問題を知らなければ対策の立てようもありません。
古来より「敵を知り,己を知らずんば百戦危うからず」と言います。ただ闇雲に学習するのではなく,
まずはどのような試験なのか,どういった特徴があるのかを知るのがポイントです。
一般知識は14問出題されますが,次のように大きく3つの分野に分かれています。
●「政治・経済・社会」
それぞれ2問ずつ計6問
●「情報通信・個人情報保護」
情報通信3問,個人情報保護2問の計5問
●「文章理解」
長文読解のみ3問
一般知識は試験範囲は広いように感じますが実際には,そうでもありません。次のように分野ごとに特徴があります。
(1)「政治・経済・社会」
それぞれ2問ずつ計6問出題されます。基本的には大学のセンター試験レベルと考えて構いませんが,時事的な要素が加味されていることが特徴です。
①政治
基本的には,内閣や議会,国会,地方公共団体に関する出題が中心です。特に,地方自治に関する出題では難易度も高い傾向にあります。時事的な要素としては,裁判に関連するものや,憲法改正に関するものなどがあります。
②経済
経済用語や地方自治体や国の財政に関連する問題,また,日本銀行や金融に関しては頻繁に出題される特徴があります。
③社会
最も時事的な傾向が強いのが,この社会の2問題です。国連などを含めた国際関連や,環境問題,消費者保護や社会保障などさまざまです。ですから,社会というよりも「政治と経済以外の分野」と考えたほうがいいでしょう。難易度のバラツキが大きいのも特徴です。
(2)「情報通信・個人情報保護」
行政書士試験が新制度になって,1つの分野として明確に独立しました。逆にいえば,それだけ分野が絞られたわけですから,一般知識の最も得点源としたい分野でもあります。
①情報通信
電子認証システムやインターネット関連の知識が中心です。特にインターネットに関する問題は必須です。ある程度高度な内容も出題されますが,インターネットが得意な人にとっては常識的なレベルです。
②個人情報保護
基本となるのは,個人情報保護法と行政機関個人情報保護法です。いずれも,基本的な内容からの出題が中心ですが,次第に難易度は高くなる傾向にあります。
(3)「文章理解」
今回は紙面の都合で予想問題は掲載していませんが,基本的には長文読解の問題です。
高校入試や大学入試で,おなじみの問題といってもいいでしょう。
ただ一点だけ違いがあるとすれば「短時間に解けるかどうか」です。ある程度の長文を短時間で読み,正解できるかのスピードが問われる問題です。
一般知識の学習法のポイントは2つ
一般知識の学習法のポイントは出題範囲をつかむことと,問題のレベルを知ることです。
そのために最も効果的なのが予想問題を解くことです。
それも「実際の出題と同様の問題でトレーニングする」ということが大切です。
なぜなら実際の試験には「制限時間」があるからです。ある程度,解くスピードも要求されるのが試験です。実際の試験と同じ体裁の問題でのトレーニングでは,スピードも意識してください。
また,実際の試験問題には,問題によって難易度にやや開きがあります。
そのためには,問題を一目見て「確実に得点しなければならない問題」なのか「できれば得点しなければならない問題」なのかを見分ける力も必要です。同時に時間の配分の目安も分かります。
予想問題には難易度を★で示してあります。これは同時に制限時間も表しています。★1つが1分。★2つなら2分。★3つは3分です。この難易度は,次のような目安にして取り組むのが効果的です。
〔難易度〕
●難易度★☆☆(制限時間1分)
1分以内に確実に得点したい問題
●難易度★★☆(制限時間2分)
2分かけても構わないから得点したい問題
●難易度★★★(制限時間3分)
3分かけて,できれば得点したい問題
予想問題は「初級」「中級」「上級」の3段階になっています。
「初級編」では,出題範囲をつかみながら,難易度の★を参考に問題のレベルを知ることを中心に取り組んでください。
「中級編」では出題範囲だけではなく,難易度の★を目安に実際に制限時間を計りながら,どの程度正解できるかにも取り組んでください。
「上級編」は,実戦と同じです。難易度の★の制限時間内に正解することを目標に,取り組んでください。
初級編
問題1
内閣及び衆参両議院等に関する次の記述のうち,誤っているものはいくつあるか。
難易度★☆☆
1 内閣の最高意思決定機関は閣議である。
2 衆参両議院とも,総議員の過半数の出席があれば議事を開き議決することができる。
3 衆議院が参議院に優越するのは,法律案の議決,予算の議決,憲法改正などである。
4 政治倫理審査会に招致された場合,虚偽の発言をしても偽証罪に問われることはない。
5 条約の承認は,内閣の職務権限である。
解説
1 正しい。
2 誤り。衆参両議院とも,総議員の3分の1以上の出席があれば議事を開き議決することができる。
3 誤り。衆議院は法律案の議決,予算の議決などは参議院に優越するが,憲法改正についての衆議院の優越は認められていない。両院対等である。
4 正しい。政治倫理審査会に招致された場合の虚偽の発言は偽証罪に問われることはない。しかし,証人喚問での虚偽の発言は偽証罪に問われる。
5 誤り。条約の承認は,国会の職務権限である。
以上のことから,2,3,5の3つが誤りである。
【答】 3つ
ポイント
内閣に関する事柄や衆議院,参議院の違いなどは基本的な内容だけに,しっかり把握しておきたい。



