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改正法中心 直前予想問題と解説5 匂坂和彦

予想問題

問題9

 持分会社及びその持分会社の社員に関する記述で,正しいものの組合せは後記1から5までのどれか。

ア 合資会社の有限責任社員,合同会社の有限責任社員が死亡した場合は,当然にその相続人が社員となる。

イ 持分会社の社員の破産手続開始決定,後見開始の審判は,ともに法定退社事由である。

ウ 持分会社の社員は,やむを得ない事由があれば,事業年度の終了時の6か月前までに退社の予告をして,事業年度の終了時に退社することができる。

エ 持分会社を退社した社員は,退社前に生じた債務についても従前の責任の範囲内で弁済する責任を負うが,退社後2年を経過すれば,その責任は消滅する。

オ 持分会社の定款には,社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれかであるかの別を記載又は記録しなければならない。

1 アウ  2 アエ  3 イエ
4 イオ  5 ウオ

解答・解説

 問題9 正解 4

ア 誤り。持分会社の社員が死亡すると退社となり,その相続人は原則として社員とはならない。

しかし,定款で,その相続人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる(会社法608条1項)。旧商法と異なり,会社法では,無限責任社員と有限責任社員も原則として死亡により退社することになる。

イ 正しい。持分会社の社員の破産手続開始決定,後見開始の審判は,ともに法定退社事由になっている(607条)。これに対して,保佐開始の審判は,法定退社事由とはされていない。

ウ 誤り。持分会社の社員は,事業年度の終了時の6か月前までに退社の予告をして,事業年度の終了時に退社することができる。しかし,やむを得ない事由があれば,いつでも退社することができる(この場合,予告は不要)。

エ 誤り。持分会社を退社した社員は,退社の登記をする前に生じた債務についても従前の責任の範囲内で弁済する責任を負うが,退社の登記後2年以内に請求または請求の予告をしない債権者に対しては,退社の登記後2年を経過すると,その責任は消滅する(612条)。

オ 正しい。持分会社の定款には,社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別を記載または記録しなければならない。

合名会社には無限責任社員,合同会社には有限責任社員しか存在しないが,合名会社・合資会社・合同会社の定款では,社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別を記載または記録しなければならないことになっている。

たとえば,合同会社の場合には,「第○○条 当会社の社員の全部を有限責任社員とする」というふうに定款に記載する。なお,社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別が登記事項になっているのは,合資会社のみである。

 以上より,正しいものの組合せはイとオであるから,正解は4。

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