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   <title>行政書士合格塾：不動産受験新報</title>
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   <subtitle>不動産受験新報がお届けする分かりやすく実戦的な行政書士合格塾（無料講座）</subtitle>
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   <title>はじめて行政書士　民法2章10　「代理」2　植杉伸介</title>
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   <published>2009-03-03T13:54:34Z</published>
   <updated>2009-03-04T22:09:00Z</updated>
   
   <summary>「はじめて行政書士　民法」   植杉伸介著 住宅新報社刊 定価1995円（本体1900円） ②　無権代理 　代理行為が有効に行われ、代理の効果が本人に帰属するためには、代理人が代理権を有する必要があります。 ところが、現実の世の中では、代理権のない者が代理人として契約をしてしまうことがあります。これを無権代理といいます。このような行為が有効になったのでは、本人が困りますから、無権代理の効果は、本人...</summary>
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      「はじめて行政書士　民法」  
植杉伸介著
住宅新報社刊
定価1995円（本体1900円）

②　無権代理
　代理行為が有効に行われ、代理の効果が本人に帰属するためには、代理人が代理権を有する必要があります。

ところが、現実の世の中では、代理権のない者が代理人として契約をしてしまうことがあります。これを無権代理といいます。このような行為が有効になったのでは、本人が困りますから、無権代理の効果は、本人に帰属しません（民法一一三条一項）。

　しかし、無権代理の効果を有効に本人に帰属させたい場合もあります。たとえば、本人から代理権を与えられていないが、本人のためだと思って、いわばお節介で勝手に代理行為を行ったような場合です。

そこで、本人は、無権代理行為を追認することができ、追認したときは、契約の時にさかのぼって有効な代理行為となります（民法一一三条二項）。

　無権代理によって被害を受ける可能性があるのは、本人と相手方です。まず、無権代理は原則として無効だが、追認することもできるというかたちで、本人の保護は十分図られています。

      <![CDATA[しかし、本人の保護だけでは不公平です。相手方の保護についても考えてあげるべきです。相手方の立場も考えるという発想は、法律の世界において非常に重要です。常に登場人物それぞれの立場で考えるように心がけておきましょう。

　さて、それでは無権代理の相手方の保護について、ひととおり見ておきましょう。

　●催告権
　追認するかどうかは本人の自由なので、相手方は非常に不安定な立場に立たされます。そこで、本人側の態度決定を迫る手段として、相手方に催告権が認められています。

　相手方は、本人に対して、追認するかどうかの確答を求めることができ、催告に対して、一定期間内に確答がないときは、追認を拒絶したものとみなされます（民法一一四条）。

　●取消権
　無権代理について善意の相手方は、本人が追認する前に先手を打って、無権代理行為を取り消すことができます（民法一一五条）。本人からの追認の余地をなくして、無効に確定させてしまうわけです。これではっきり決着がつくことになるので、相手方の立場が不安定でなくなります。




③　無権代理人への責任追及
　無権代理についてもっとも責任があるのは、無権代理人です。そこで、無権代理について善意無過失の相手方から無権代理人に対して、責任追及をすることができます。具体的には、無権代理人に対して、契約の履行、または損害賠償の請求をすることができます（民法一一七条）。




④表見(ひようけん)代理　
　表見代理とは、無権代理であっても、表面上、正当な代理権があるように見える場合に、有効な代理行為として扱う制度をいいます。

　これは相手方を保護するための制度ですので、表見代理が成立するには、保護に値するだけの相手方の事情が必要です。具体的には、無権代理であることについて、相手方が善意無過失でなければなりません。

　また、表見代理が成立すると、本人に不利益が生じます。それゆえ、表見代理の成立には、本人側に一定の責任があることも必要です。

たとえば、本当は代理権を与えていないのに、本人が委任状を発行しているような場合です。本人は、委任状を発行したことによって、相手方が代理権の存在を信じる原因をつくり出したという責任があります。

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   <title>はじめて行政書士　民法2章10　「代理」1　植杉伸介</title>
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   <published>2009-02-24T13:53:41Z</published>
   <updated>2009-02-25T22:12:15Z</updated>
   
   <summary>「はじめて行政書士　民法」   植杉伸介著 住宅新報社刊 定価1995円（本体1900円） １９　代　　理 ①　代理の仕組み 　自分の契約は自分で行うのが原則です。しかし、すべての契約を自分で行わなければならないとすると、たくさんの取引をして商売を広げようとしても、人間の身体は一つだけなので、限界があります。 また、未成年者や成年被後見人のように、自分一人では契約できない人もいます。そこで、本人に...</summary>
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      「はじめて行政書士　民法」  
植杉伸介著
住宅新報社刊
定価1995円（本体1900円）


１９　代　　理
①　代理の仕組み
　自分の契約は自分で行うのが原則です。しかし、すべての契約を自分で行わなければならないとすると、たくさんの取引をして商売を広げようとしても、人間の身体は一つだけなので、限界があります。

また、未成年者や成年被後見人のように、自分一人では契約できない人もいます。そこで、本人に代わって契約などをしてくれる存在として、代理人というものが必要となってくるのです。

　●代理の種類
　代理には二種類あります。本人が自分の意思で代理を頼む場合を「任意代理」といい、未成年者・成年被後見人の保護者のように、代理人を置くことが法律で決められている場合を「法定代理」といいます。

　●代理行為と代理の効果
　代理行為は、代理人が行います。契約の意思表示をするのは代理人ですし、契約書を作成してハンコを押す場合も、本人の印鑑ではなく、代理人のものを押します。

　しかし、契約の効果は、直接本人に帰属します（民法九九条）。いったん代理人に帰属するということはありません。本人が代理を頼まず、自分で契約した場合と同じ結果なのです。
　
      <![CDATA[●顕名（けんめい）
　代理人が代理行為をするときには、「Aの代理人B」というように、本人の名前を明らかにすること（これを法律用語で「顕名」といいます）が必要です。代理の効果は本人に直接帰属するので、本人のための代理行為であることを相手方にわかるようにするためです。

　●代理人の能力
　任意代理の場合、だれでも代理人にすることができます。あえて未成年者や成年被後見人などの制限行為能力者を代理人とすることも可能です（民法一〇二条）。これは、制限行為能力者制度と代理制度の基本的な理解から導かれる結論です。

　代理行為の効果は直接本人に帰属するので、制限行為能力者が代理行為を行っても、代理人である制限行為能力者は不利益を受けることはありません。損をするのは本人です。制限行為能力者の保護という目的に反することはないのです。

そして、本人が、あえて制限行為能力者を代理人にすることを否定する必要はありません。したがって、完全に有効な代理行為となり、制限行為能力を理由とする取消しはできないことになります。

　●自己契約・双方代理の禁止
　正当な代理人であっても、自己契約と双方代理と呼ばれる行為をすることは禁じられています（民法一〇八条）。自己契約とは、代理人が契約の相手方になってしまうことをいいます。また、双方代理とは、代理人が相手方の代理人も兼ねることです。

　代理人は、本人の利益のために行動すべき存在です。ところが、自己契約や双方代理を行うと、本人の利益と衝突してしまうおそれがあります。そこで、本人の利益が害されないように、自己契約・双方代理を禁止したのです。

　しかし、本人の利益のために禁止したのですから、本人が同意したのなら、これを認めてもよいことになります。また、単なる債務の履行のように、行為の内容からして、本人に不利益が生じるおそれがないものも禁止する必要はないでしょう。

たとえば、すでに売買契約が締結されており、その履行として所有権移転登記をする場合などです。


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   <title>民法2章9　　時効</title>
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   <published>2009-02-15T08:43:10Z</published>
   <updated>2009-02-18T22:17:32Z</updated>
   
   <summary>１８　時　　効 「時効」の要点整理 １　取得時効 ①　所有権の取得時効 　他人の物でも、所有の意思をもって、平穏にかつ公然と一定期間（一〇年または二〇年）占有していれば、その所有権を取得できます。 　占有の開始の時に善意無過失の場合…………　　　一〇年 　占有開始の時に悪意または善意有過失の場合…　　　二〇年 ②　所有権以外の財産権の取得時効 　地上権、地役権、賃借権なども、所有権と同様に、時効取...</summary>
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      １８　時　　効

「時効」の要点整理

１　取得時効
①　所有権の取得時効
　他人の物でも、所有の意思をもって、平穏にかつ公然と一定期間（一〇年または二〇年）占有していれば、その所有権を取得できます。
　占有の開始の時に善意無過失の場合…………　　　一〇年
　占有開始の時に悪意または善意有過失の場合…　　　二〇年

②　所有権以外の財産権の取得時効
　地上権、地役権、賃借権なども、所有権と同様に、時効取得することができます（善意無過失なら一〇年、それ以外なら二〇年）。


２　消滅時効
①　債権の消滅時効
　通常の債権は、権利を行使できる時から一〇年経過すると、時効により消滅します。「権利を行使できる時」が消滅時効の起算点ですが、これは客観的に権利行使可能であればよく、当事者の主観的な事情は関係ありません。

②　所有権以外の財産権の消滅時効
　地上権、地役権等は、二〇年で消滅時効にかかります。所有権そのものは消滅時効にかかりません。

      <![CDATA[３　時効の援用
　時効の効果は時効期間の経過によって当然に生ずるのではなく、当事者の援用によって生じます。


４　時効利益の放棄
　当事者は、完成した時効の利益を放棄することもできます。ただし、時効完成前にあらかじめ時効の利益を放棄することはできません。


５　時効の中断
　裁判上の請求（訴えの提起等）、差押え等、催告（裁判外の請求）、承認があると、時効が中断します。時効が中断されると、過去の時効期間は無意味となり、中断事由の終了とともに、改めて時効が進行します。

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   <title>民法2章8　　善意・悪意・過失</title>
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   <published>2009-02-11T14:07:18Z</published>
   <updated>2009-02-12T22:02:47Z</updated>
   
   <summary>１６　善意・悪意・過失 　前項の心裡留保の説明のところで、相手方が真意を「知っていた」場合の話が出てきましたが、この「知っていた」ということを法律用語では、「悪意」といいます。 　日常用語では「悪意」というと、「悪意に満ちた」という表現があるように、悪い感情を示す嫌な意味に使われます。しかし、法律用語の「悪意」には、そのような意味はなく、単純に事実を知っているということだけを指します。 　悪意の反...</summary>
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      １６　善意・悪意・過失
　前項の心裡留保の説明のところで、相手方が真意を「知っていた」場合の話が出てきましたが、この「知っていた」ということを法律用語では、「悪意」といいます。

　日常用語では「悪意」というと、「悪意に満ちた」という表現があるように、悪い感情を示す嫌な意味に使われます。しかし、法律用語の「悪意」には、そのような意味はなく、単純に事実を知っているということだけを指します。

　悪意の反対で、単に事実を知らないことを法律用語で「善意」といいます。この「善意」という言葉にも、悪意と同じように、善良なという意味は含まれていません。単純に事実を知らないことだけを指します。

　一定の事実を認識しなかった場合に、不注意があることを「過失」といいます。

たとえば、Aさんが真意ではないのに「自分の土地を一〇〇〇万円で売ろう」と意思表示したのですが、日頃からAさんはこのような冗談をよく言うことをわかっていながら、Bさんがこれを軽率に信じた場合、BさんはAさんの真意につて善意だけど過失があることになります。
　
      <![CDATA[少しややこしいのですが、過失には二段階のものがあります。ふつうの過失（「軽過失」ともいいます）と重大な過失（略して「重過失」といいます）です。これは、不注意の程度による区別です。だれにでもありがちな不注意が軽過失で、不注意の程度がひどくあまりにもお粗末な場合が重過失という感じです。

　過失を軽過失と重過失に区別するのは、民法では例外的です（商法では、軽過失と重過失を区別するのが原則的ですが）。民法では前述の錯誤のところで、重過失が出てきましたが、それ以外ではほとんど出てきません。

　以上のことからすると、軽過失と重過失を区別するケースにおいて、事実の認識に関する心理状態には、次の四段階が存在することになります。

すなわち、①善意無過失（善意でしかも全く過失がない状態）、②善意軽過失（善意だけど軽過失があるものの重過失はない状態）、③善意重過失（善意だけど重過失がある状態）、④悪意、の四つです。ある者の保護が問題になる場合は、①の善意無過失が最も保護され、順次保護の程度が下がっていき、④の悪意は最も保護されないという関係になります。

　これに対して、軽過失と重過失を区別しない場合は、事実の認識に関する心理状態としては、①善意無過失、②善意有過失、③悪意、の三段階があることになります。軽過失の場合も重過失の場合も、過失があることには変わりがないので、②の善意有過失に含まれます。

　これでもう、善意・悪意・過失という用語の使い方は大丈夫だと思いますが、念のため、前述の心裡留保のところを用語を使って説明し直しておきましょう。

　心裡留保について結論部分を示すと、「心裡留保による意思表示は、その意思表示が本心ではないことについて、相手方が善意無過失であった場合は有効とされるが、相手方が悪意であった場合および善意有過失だった場合は、意思表示は無効とされる」ということになります。



１７　無効と取消し
　これまで勉強したとおり、制限行為能力者、詐欺、強迫の場合は取消しですが、心裡留保、虚偽表示、錯誤、公序良俗違反は無効でした。同じく意思表示の効果を否定すべき場合でありながら、取消しとなる場合と無効となる場合をなぜ区別しているのでしょうか。

　まず、前提として、無効と取消しは法律的にどこが違うのかを押さえておきましょう。
　無効の場合、文字通り意思表示は効力を有しません。これは当事者が無効を主張してもしなくても、同じです。

　これに対して取消しの場合は、当事者が取り消すまでは、その意思表示は一応有効で、取消しを主張してはじめて効力が失われます。そして、取り消すと、意思表示ははじめにさかのぼって効力が失われます（民法一二一条）。取消し後は無効と同じ状態になりますが、取消し前は無効の場合と異なっています。

　なぜ両者を区別するのかという疑問を解決するキーワードは、「意思表示をした者の保護」ということです。同じく意思表示の効果を否定する手段である無効と取消しのうち、意思表示をした者を保護すべき場合にだけ「取消し」としたのです。

　「取消し」とは、ある者を保護するために法律が与えた武器（あるいは防具）というふうに理解すればよいでしょう。前述のように、取消しとなるのは、制限行為能力者、詐欺、強迫の三つの場合でした。未成年者など判断能力が不十分な制限行為能力者、詐欺・強迫の被害者と、いずれも保護してあげるべき存在です。

　これに対して、無効とされる心裡留保、虚偽表示、錯誤、公序良俗違反の場合、意思表示した者を保護すべきとはいえません。全部、意思表示をした本人が悪いという感じです。

　本人の保護という目的からすると、無効より取消しのほうが優れています。なぜなら、制限行為能力者・詐欺・強迫の場合でも、結果的に契約の内容が本人にとって不利とは限りません。

「だまされて売ってしまったけど、金額に不満はない。このまま契約を有効にしてもいいや」というケースもありえます。取消しの場合、不利なら取り消すが、不利でなければ取り消さず有効なままにするという選択の余地が与えられます。しかし、無効なら選択の余地はありませんね。

　ここまでの話が理解できれば、もう、どの場合が無効でどの場合が取消しかという問題は、バッチリでしょう。

　それから、取消しをすると、意思表示をした時にさかのぼって効力が失われる点に注意してください。取消しの時からではありません。

　これも意思表示をした者を保護するためです。たとえば、AさんがBの詐欺によって、時価三〇〇〇万円の土地を一〇〇〇万円で売却する契約をしたとします。そして、AさんがBに土地を引き渡したあとになって、詐欺に気づいて意思表示を取り消しました。

　もし、取消しの効果がさかのぼらないとすると、取消し前に行った土地の引渡しは有効です。つまり、せっかく取り消しても、土地を取り返すことができず、詐欺の被害者が保護されないことになるのです。

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   <title>民法2章7　意思表示</title>
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   <published>2009-02-01T14:10:47Z</published>
   <updated>2009-02-04T21:59:52Z</updated>
   
   <summary>１５　意思表示 　契約は、申込みと承諾の意思表示の合致によって成立するわけですが、それは意思表示が正常に行われたことを前提にしています。なんらかの理由で、意思表示が正常に行われていない場合は、その意思表示の効力を否定する必要があります。 そこで、意思表示が正常に行われなかった場合として、どのようなものがあるか問題になります。 　なお、ここでいう「意思表示」とは、当然ながら、法律的な効果が生じること...</summary>
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      １５　意思表示
　契約は、申込みと承諾の意思表示の合致によって成立するわけですが、それは意思表示が正常に行われたことを前提にしています。なんらかの理由で、意思表示が正常に行われていない場合は、その意思表示の効力を否定する必要があります。

そこで、意思表示が正常に行われなかった場合として、どのようなものがあるか問題になります。

　なお、ここでいう「意思表示」とは、当然ながら、法律的な効果が生じることを意図した意思の表示を指します。日常用語的には、「あなたが好きです」とか「今日は暑いですね」というのも意思表示の一種といえますが、これは法律的な意味がないので、ここでいう「意思表示」には含まれません。

①　制限行為能力者
　まず、意思表示を行う意思決定そのものに問題がある場合があります。これは、すでにお話しした制限行為能力者の意思表示が該当します。

制限行為能力者は、判断能力が十分ではないので、たとえば、土地を買う意思表示をした場合であれば、「この土地を買おう」という意思決定自体に問題があります。

通常の判断能力がある者なら、契約しないと思われるようなケースでも、「買う」といってしまうおそれがあります。それゆえ、制限行為能力者が単独で行った意思表示は、後で取り消すことができるとされているのです。

      <![CDATA[②　自由に意思決定できなかった場合
　次に、他人の不当な干渉により、意思表示を行う意思決定が自由に行われなかった場合があります。具体的には、相手方の詐欺または強迫によって意思表示を行った場合です。


　●詐欺
　詐欺とは、文字通り人をだますことです。たとえば、AさんがBに「今度新しい法律ができるため、もうすぐ土地の価格が暴落しますよ」とだまされて、自己所有の土地を売却したような場合です。詐欺による意思表示がそのまま有効では、本人がかわいそうです。

制限行為能力者同様、この者を保護してあげる必要があります。そこで、詐欺による意思表示は取り消すことができることとされています（民法九六条一項）。


　●強迫（きようはく)
　強迫とは、人をおどすことをいいます。たとえば、Cさん所有の土地を手に入れたいと考えたDがCさんをおどし、恐怖心にかられたCさんが、やむなくその土地をDに売却する意思表示をしたような場合です。
強迫によって意思表示した者も、詐欺同様、保護してあげる必要があります。そこで、強迫による意思表示も取り消すことができます（民法九六条一項）。

　なお、刑法では人をおどすことをあらわす場合「脅迫」という文字を使いますが、民法ではこれと区別する意味もあって「強迫」と表記します。

③　真意ではない意思表示
　表面上は普通の意思表示が行われているのですが、実は意思表示をした者の内心とその意思表示とが一致していない場合があります。心裡留保、虚偽表示、錯誤という三つのパターンがあります。


　●心裡留保(しんりりゆうほ) 
　心裡留保とは、本心（真意）でないことを自分でわかっていながら意思表示することをいいます

。たとえば、Aさんが、自分の土地を本当は全然売却する気がないのに、Bさんに対して冗談で「この土地を一〇〇〇万円で売ってあげよう」と意思表示するような場合です。「心裡留保」という文字を見ると、いかにも難しそうですが、単に冗談で意思表示する場合ですから、中身は難しくありません。

　心裡留保の場合、本人は冗談のつもりでも、相手は本気にしてしまうかもしれません。こういう冗談を軽々しく言った本人が悪いといえます。

他方、言葉を信頼して取引した相手方を保護する必要があります。そこで、心裡留保による意思表示は、原則として有効とされています（民法九三条本文）。

　しかし、心裡留保による意思表示を原則として有効としたのは、相手方を保護するためです。だとすれば、本心でないことについて、相手方が知っていた場合や不注意で知らなかった場合（ふつうは冗談と気づくべきなのに、相手方がそそっかしくて気づかなかった場合）は、相手方を保護する必要がなく、意思表示は無効とされます（民法九三条ただし書）。


　●虚偽表示
　虚偽表示（通謀虚偽表示ともいいます）とは、相手方と通じ合って、ウソ（虚偽）の意思表示をすることをいいます。たとえば、Cは借金を返せなかったので、自分の土地が債権者から差押さえを受けそうになりました。そこで、自分の土地でなくなったように見せかけるため、友人のDとぐるになって、虚偽の売買契約を締結するような場合です。

　虚偽表示の場合、表面（表示）上は契約したように見えますが、それに対応する意思がありません。意思と表示が一致しておらず、本来の意思表示としての効果を認めることはできません。それゆえ、虚偽表示による意思表示は、無効とされています（民法九四条一項）。

　心裡留保の意思表示は、原則として有効であり、相手方が真意を知っている（悪意、悪意の意味については、次項で説明）か不注意（過失、過失の意味については、次項で説明）で知らなかった場合だけ無効になりましたが、虚偽表示にはこのような区別はなく、すべて無効です。

心裡留保の意思表示を原則として有効としたのは、意思表示を信じた相手方を保護するためです。これに対し、虚偽表示の場合は、相手方も通謀しているので、相手方保護の必要性がないからです。


　●錯誤
　錯誤とは、勘違いで意思表示をすることをいいます。たとえば、Eさんは、自宅を建てて使用している土地（甲）と現在空地になっている土地（乙）を所有しているとします。

そこで、Eさんは、乙土地をFさんに売ろうと思ったのですが、勘違いをして「甲土地を売る」といってしまったような場合です。

　勘違いで行った意思表示が有効になってしまうと本人が困るので、錯誤による意思表示は無効となります（民法九五条）。ただ、勘違いによる意思表示がすべて無効になったのでは、相手方に迷惑がかかります。

そこで、無効を主張できる場合を限定するために、無効が認められるためには、意思表示の重要部分に錯誤（要素の錯誤）があることと、意思表示をした者に重大な過失（勘違いした際の不注意の程度がひどい場合）がないことが条件とされています。

たとえば、ささいな勘違いの場合は無効とはなりません。


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   <title>民法2章6　 信義誠実の原則他</title>
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   <published>2009-01-26T13:54:07Z</published>
   <updated>2009-02-01T14:17:12Z</updated>
   
   <summary>１３　信義誠実の原則 　民法は、権利行使および義務の履行の基本原則として、信義に従い誠実に行動することを義務づけています（民法一条二項）。これを信義誠実の原則、略して信義則(しんぎそく)といいます。 　この信義則は、民法全体を貫く原則ですが、特に契約関係において問題になります。契約は、当事者相互の信頼を基礎として成り立っているからです。平気で人を裏切り、約束を守らないような相手とは、だれも契約しな...</summary>
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      １３　信義誠実の原則
　民法は、権利行使および義務の履行の基本原則として、信義に従い誠実に行動することを義務づけています（民法一条二項）。これを信義誠実の原則、略して信義則(しんぎそく)といいます。

　この信義則は、民法全体を貫く原則ですが、特に契約関係において問題になります。契約は、当事者相互の信頼を基礎として成り立っているからです。平気で人を裏切り、約束を守らないような相手とは、だれも契約しないでしょう。

　信義則における「信義」とか「誠実」という言葉は、抽象的で意味内容がハッキリしませんが、ハッキリしないぶん、かえって問題解決に困った場合に幅広く使える便利な原則となっています。たとえば、契約内容が不明確な場合など、信義則に適合するように解釈されることがよくあります。

　また、たとえば、契約前日に火事で全焼していた建物の売買契約が締結されたという場合、そもそも契約自体が成立せず、無効な契約となります。この世に存在しない物を売買することは不可能だからです。
　
      <![CDATA[ただ、買主からすると、契約が成立したものと思って、借金して代金を用意したりするかもしれません。その借金の利息などは、まったく無駄な出費ということになります。

売主としては、目的物が滅失していないか確認して、買主が損害を受けないように配慮する信義則上の義務があるというべきです。そこで、このような場合、信義則を根拠にして、買主は売主に対して、損害賠償の請求ができるとされています。




１４　契約の有効性
　当事者が合意すれば、自由に契約内容を定めることができるのが原則ですが、もちろん一定の限界はあります。契約が有効であるためには、①確定性、②実現可能性、③適法性、④社会的妥当性、が必要であると考えられています。

①　確定性
　確定性とは、契約内容が確定できるものでなければならないということです。たとえば、Aさんが「お互いに得になるような取引をしよう」ともちかけて、Bさんが「わかった。約束しよう」と返事をしたとしても、これでは契約の中身がさっぱりわかりませんね。法律上の権利義務を発生させ、法的強制力をもって裁判所が助力するのは無理です。

　もっとも、確定性といっても、契約内容がガチガチに固まっていることまで要求するものではありません。あいまいな部分があっても、当事者の意思を推測するなどの法解釈によって内容を確定できれば、有効な契約とされます。


②　実現可能性
　実現可能性とは、契約の内容が実現可能なものでなければならないということです。たとえば、太陽や月を売買する契約をしたとしても、実現は不可能です。このような契約に法律上の効果を発生させても無意味ですね。

　なお、実現可能性は、事実的あるいは物理的な可能性だけでなく、法律的な可能性についても問題になります。たとえば、電気事業法で許された電力量を超えた電力供給契約は、物理的には可能でも、法的に不可能なので無効となります。


③　適法性
　適法性とは、契約の内容が法律の強行規定に反してはならないということです。これは、その規定に反する契約の定めを許さないという強行規定の性質から、当然に導かれる結論ですね。


④　社会的妥当性
　社会的妥当性とは、契約の内容が一つひとつの強行規定に違反していなくても、 公 (おおやけ)の秩序または善良の風俗に反してはならないということです（民法九〇条）。

「公の秩序」は、社会の一般的秩序、「善良の風俗」は社会の一般的道徳観念を意味すると解されていますが、両者の区別はあいまいなので、気にする必要はありません。

とにかく公序良俗とは社会的妥当性のことであり、反社会的な契約は無効になるのだと理解しておけば十分です。なお、「公の秩序または善良の風俗」を略して、「公序良俗(こうじよりようぞく)」といいます。

　ただ、「公序良俗」という概念はあいまいでわかりにくいので、具体的な事例を少し紹介しておきましょう。

　配偶者のある者が配偶者以外の者と結んだ愛人契約、母と子が同居しないという契約、ばくちで負担した債務の弁済に充てる資金を貸す契約、盗品の売却の委任を受ける契約、人身売買をする契約、村八分的な共同絶交を行う旨の契約、相手の弱みなどにつけ込んで暴利をむさぼる内容の契約、公務員に賄賂を贈る契約、などが実際の裁判において、公序良俗違反を理由に無効とされています。

これらの事例を暗記する必要はありませんが、公序良俗違反とはどのような場合を指すか、自分なりのイメージをもっておいてください。

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   <title>民法2章5　 契約の成立他</title>
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   <published>2009-01-19T02:49:50Z</published>
   <updated>2009-01-22T22:07:58Z</updated>
   
   <summary>１１　契約の成立 　契約はどのようにして成立するのでしょうか。この問題は、民法の基礎知識のなかでも特に重要な知識です。 　契約は、当事者間の意思表示の合致によって成立します。これをさらに分解すると、一方からの申込みと相手方の承諾という二つの意思表示が一致することによって、契約が成立することになります。 　たとえば、Aさんが自分の土地を売ろうと思って、Bさんに対し「この土地を二〇〇〇万円で買いません...</summary>
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      １１　契約の成立
　契約はどのようにして成立するのでしょうか。この問題は、民法の基礎知識のなかでも特に重要な知識です。

　契約は、当事者間の意思表示の合致によって成立します。これをさらに分解すると、一方からの申込みと相手方の承諾という二つの意思表示が一致することによって、契約が成立することになります。

　たとえば、Aさんが自分の土地を売ろうと思って、Bさんに対し「この土地を二〇〇〇万円で買いませんか」と話をもちかけ、これに対してBさんが「わかりました。その土地を二〇〇〇万円で買いましょう」と返事をすれば、土地の売買契約が成立するのです。

　最初に話をもちかけた意思表示が「申込み」で、それに対する返事が「承諾」です。したがって、売主・買主どちらの意思表示が「申込み」になるかは、契約によって異なります。

前の例とは逆に、買主Bさんのほうから先に「その土地を二〇〇〇万円で売ってくれませんか」と話をもちかければ、Bさんの意思表示が「申込み」になり、これに対するAさんの「わかりました。二〇〇〇万円で売りましょう」という返事が「承諾」になります。
　
      <![CDATA[.契約が成立するためには、申込みと承諾の意思表示が合致しなければなりません。したがって、Aさんからの「この土地を二〇〇〇万円で買いませんか」という申込みに対し、Bさんが「一八〇〇万円なら買いましょう」という返事をした場合、値段の点で意思表示の合致がないので、契約は成立しません。

　もっとも、Bさんの返事は、最初のAさんからの申込みを断ったうえで、新たに買受けの申込みをしたと考えることができます。それゆえ、さらにAさんが「わかりました。一八〇〇万円で売りましょう」と承諾すれば、申込みと承諾の意思表示が合致したことになるので、代金一八〇〇万円とする売買契約が成立します。

　申込みと承諾の意思表示の合致によって契約が成立するという図式は、売買契約に限らず、すべての契約に当てはまります。

　たとえば、一方的に片方だけが得をする贈与契約でも、この仕組みは変わりません。なんとなく贈与する側が「これをあげる」といいさえすれば、贈与契約が成立するようなイメージがあるかもしれませんね。しかし、それは贈与を受ける相手方は得するだけなので、承諾するのが普通であり、売買などに比べて贈与の承諾の意思表示の実質的重要性が低いからそう思うだけなのです。

　贈与も契約である以上、申込みと承諾の意思表示が合致しない限り成立しません。たとえば、AさんがBさんに、「私の腕時計をあなたにただであげよう」と話をもちかけ、Bさんが「はい、ぜひ、その腕時計をください」と返事をしないと、贈与契約は成立しないのです。

　なお、申込み・承諾の意思表示は、必ずしも言葉を発する方法によって行われるとは限りません。たとえば、駅の売店で新聞を一部抜き取って一〇〇円玉を差し出したら、新聞の売買契約について申込みの意思表示をしたことになり、店員がその一〇〇円玉を受け取れば、承諾の意思表示をしたことになります。






１２　契約書の作成　
たとえば、ボールペン一本を購入するのにいちいち契約書を作成することはありませんが、不動産売買など高額な契約をする場合は、一般的に契約書を作成します。

契約書を作成するケースでは、契約書を作成したとき、あるいは契約書に名前を書いてハンコを押したときに契約が成立すると考えている人が多いようです。「まだ契約書にハンコを押してないから大丈夫だ」などという発言を聞いたことがありませんか。

　しかし、法律的には、右の発言は間違っています。前述のとおり、当事者の意思表示が合致すれば契約は成立します。契約書を作成していなくても、口約束さえあれば、立派に契約は成立しているのです。たとえ、土地を一億円で売買する契約でも、法律的には口約束だけで契約が成立します。

　それでは、なんのために契約書を作成しているかというと、契約したという証拠を残すためです。口約束だけだと、「あのとき太郎さんは土地を売るといった」と主張しても、相手方が「そんな覚えはない」といってとぼけると、なかなか証明できません（衆人環視の中で契約した場合などは、意思表示の存在を証言してくれる証人がたくさんいるので、証明できますが）。そこで、互いの意思表示があったことを証明するための資料として、契約書を作成しておくのです。

　契約書に押すハンコは、証拠としての信用度をアップさせるためのものです。本人のハンコが押してあれば、偽造などではない本物の契約書である可能性が高くなるからです。

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   <title>民法2章4　 物権法定主義他</title>
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   <published>2009-01-12T07:57:09Z</published>
   <updated>2009-01-12T08:12:25Z</updated>
   
   <summary>８　物権法定主義 物権は、法律で定められたもの以外は認められず、当事者が勝手につくりだすことはできません（民法一七五条）。これを物権法定主義といいます。 　この点は、債権と対比して理解しておく必要があります。 物権と違って、債権は原則として当事者が自由にその内容を定めることができます。もちろん、不可能を強いたり、社会正義に反する内容のものなどはさすがに認められませんが、そうでない限り、当事者の合意...</summary>
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      ８　物権法定主義
物権は、法律で定められたもの以外は認められず、当事者が勝手につくりだすことはできません（民法一七五条）。これを物権法定主義といいます。

　この点は、債権と対比して理解しておく必要があります。

物権と違って、債権は原則として当事者が自由にその内容を定めることができます。もちろん、不可能を強いたり、社会正義に反する内容のものなどはさすがに認められませんが、そうでない限り、当事者の合意によってさまざまな内容の債権を設定することができるのです。

たとえば、「一〇〇〇円あげるから庭掃除をしろ」という債権や「モデルとして採用するから、一か月で三キロダイエットしろ」という債権などでもかまいません。

　このような違いは、前述の物権と債権の性質の違いから導かれることです。すなわち、債権については、特定のAさんとBさんの間だけで主張される権利ですから、AさんとBさんさえ納得すればそれでいいのです。ユニークな債権を設定しても、当事者以外の者には迷惑がかからないのです。

　これに対して、
      <![CDATA[物権はだれに対しても主張できるものなので、法律で定められたもの以外に、好き勝手にいろんな種類の権利をつくりだされたら、他人に迷惑がかかりますし、社会的にも混乱します。

　たとえば、ある土地を譲り受けてみたら、「実は、今回譲渡したのは、私が考えだした物権で、土地を三日に一日だけ使用できるという権利だったのだ」などといわれたら困りますよね。




９　一物一権主義と区分所有法
①　一物一権主義とは
　一物一権主義とは、一つの物の上には、同一内容の物権は、一つしか存在できない、という原則をいいます。そもそも所有権などの物権は、物を直接的に支配して、その物権と矛盾する他人の権利を排除することができる権利であること（物権の排他性）から導かれる当然の帰結です。

　一物一権主義からすると、一個の物権の目的物は、一個の物でなければなりませんが、一個の物か数個の物かは、社会的・経済的観点から取引の実際を見て判断するしかありません。

生きた牛が取引される場合、牛一頭が一個の物ですが、解体されて食肉として取引される場合は、所有者によっていくつにも個数が分けられることになります。


②　区分所有法
　建物は一棟の建物全体が一個の物というべきですから、一物一権主義からすると、一棟の建物には一つの所有権しか成立しないはずです。

　しかし、マンションなどでは、一棟の建物の一部が独立して取引の対象となります。そこで、建物の一部に対する所有権も認めることとし、その法律関係を明確にするため、「建物の区分所有等に関する法律」（略して「区分所有法」）という法律がつくられました。

　区分所有法では、一棟の建物の部分を〓専有せんゆう〓部分〓と共用部　 きようよう　 〓分に区別します。専有部分とは、マンションの各室のことで、各自が単独で所有して、自分だけで使う部分です。

この専有部分に対する所有権のことを区分所有権といい、所有者のことを区分所有者といいます。

　これに対して共用部分とは、マンションの住民が皆で使う部分です。たとえば、階段室、エレベーター室、廊下などです。共用部分は、原則として、 区分所有者全員が共有 （共同所有） します。

　マンションをめぐる権利関係としては、敷地の問題も押さえておく必要があります。マンションは建物であり土地の上に建っていますから、専有部分を所有するためには、その敷地を利用する権利が必要です。これを敷地利用権といいますが、最も多い形態は敷地の所有権を区分所有者全員で共有するパターンです。

ただ、一部のマンションでは、地主が土地を所有したまま、区分所有者たちにその土地を貸す形態の場合もあります。法律的には、土地に地上権や賃借権を設定することになります。この場合、区分所有者たちは、地上権や賃借権を共有します。

　マンションの専有部分は、各区分所有者が単独で所有する物なので、各自で管理すればよいことですが、共用部分やマンションの敷地などは、皆で共同して管理していく必要があります。

　共用部分等の管理が円滑に行われるようにするため、マンションには、必ず管理組合というものが存在します。特に組合を結成する行為をしなくても、法律上、自動的に管理組合が置かれ、区分所有者がその構成員に組み込まれることになっています。

　この管理組合によって、マンションの管理を行っていくわけですが、必要があれば管理者（一般的なマンションでは理事長と呼ばれることが多い）を置くことができます。

　管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する権限を有します。たとえば、エレベーターの保守点検を外部の業者に依頼するとき、管理者が区分所有者を代理して契約することができるわけです。








１０　契約――契約の種類
　多くの債権は、契約という行為によって発生します。民法には次の一三種類の契約類型が定められています（民法五四九条～六九六条）。すなわち、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用、請負（うけおい）、委任、寄託（きたく）、組合、終身定期金、和解の一三種類です。

　一応、それぞれの契約の意味を簡単に説明しておきましょう。贈与とはただで物をあげる契約、売買とは代金を支払って物の所有権を取得する契約、交換とは物々交換をする契約、消費貸借とはお金などを借りる契約、使用貸借とは賃料なしで物を借りる契約、賃貸借とは賃料を支払って物を借りる契約、


請負とは報酬を支払って一定の仕事の完成を依頼する契約、委任とは他人に事務処理を頼む契約、寄託とは物を保管してもらう契約、組合とは人が集まって共同事業を行う契約、終身定期金とは一定の者が死亡するまでお金などをあげ続ける契約、和解とは互いに譲歩して争いをやめる契約です。


　これら一三種類は、あくまで典型的な契約を示しただけです。物権法定主義のところで述べたように、当事者の合意によって自由な債権を設定できるので、一三種類以外の独自の契約を締結することも可能です。

　また、一三種類の契約を締結する場合も、民法の条文に定められているのとは異なる契約内容を定めることも可能です。したがって、同じく売買契約であっても、契約ごとにその内容が異なる場合があることになります。



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   <title>民法2章3　 不動産と動産</title>
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   <published>2008-12-23T14:26:48Z</published>
   <updated>2008-12-25T22:12:11Z</updated>
   
   <summary>５　不動産と動産 　取引の客体となる有体物は、不動産と動産に分けられます。 　不動産とは、土地およびその定着物をいいます（民法八六条一項）。土地については説明するまでもないでしょう。問題は、土地の定着物の意味です。土地にくっついている物を指すわけですが、ただくっついていればいいというものでもありません。 「定着」というためには、継続的に一定の土地にくっつけて使用されることが、その物の取引上の性質と...</summary>
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      ５　不動産と動産
　取引の客体となる有体物は、不動産と動産に分けられます。

　不動産とは、土地およびその定着物をいいます（民法八六条一項）。土地については説明するまでもないでしょう。問題は、土地の定着物の意味です。土地にくっついている物を指すわけですが、ただくっついていればいいというものでもありません。

「定着」というためには、継続的に一定の土地にくっつけて使用されることが、その物の取引上の性質と認められるものでなければなりません。たとえば、一時的に保管するために土地に仮植しただけの樹木は、「定着」とはいえないので、動産として扱われます。

　土地の定着物としては、石垣、樹木、建物等があげられますが、建物とそれ以外の定着物には重要な違いがあります。建物は、常に土地と離れた独立の不動産として扱われます。土地を売却しても、その上の建物まで自動的に権利が移転することはありません。
      <![CDATA[これに対し、石垣や樹木は原則として土地の一部として扱われ、土地が売却されれば、その上の石垣や樹木も一緒にくっついて権利が移転していきます。

なお、樹木については、立木法という法律によって、土地と独立して取引されることが認められる場合がありますが、現時点ではあまり気にする必要はないでしょう。
　次に、動産とは、不動産以外の物をいいます。これは、不動産の意味を正確に押さえておけば、簡単ですね。




６　物権と債権
　財産に関する権利は、大きく物権と債権に区別されます。物権とは、特定の物を直接支配することができる権利をいい、債権とは、特定の者に特定の行為を請求できる権利をいいます。

物権と債権にはさまざまな種類がありますが、さしあたってそれぞれの代表例を頭に描いてください。物権については所有権、債権については人にお金を貸した場合にそれを返せといえる貸金債権を考えるとよいでしょう。

　物権と債権の区別のポイントは、物権は「物」に対する権利であるのに対し、債権は「人」に対する権利という点にあります。この区別は、物権の「物」という文字から連想できるので、簡単でしょう。

　そして、さらに、こうした違いから、物権と債権は、それが特定の人だけに主張できるものかどうかという違いに結びつきます。

　たとえば、債権の場合、Aさんが一〇〇万円の貸金債権を有していたとしても、それを請求できる相手は借主（債務者）Bだけです。そこら辺を歩いている人をつかまえて、「私は一〇〇万円の債権を持っているから、一〇〇万円よこせ」と主張することはできませんね。

　これに対し、物権の場合は、権利主張できる相手方が特定の人に限られません。

たとえば、Aさんが土地の所有権を有している場合に、その土地を無断で通行しようとしている人が現れれば、それがだれであれ「私の所有する土地を勝手に通行するな」と主張することができます。




７　物権の種類
　物権には所有権のほか、いくつかの種類がありますが、それらは〓用益ようえき〓物権、担保物権、および占有権に分類されます。

　「用益」とは、使「用」収「益」を略した言葉です。すなわち、用益物権とは、目的物を使用し、一定の収益を得ることを目的とする物権をいいます。

法律上認められているのは、地上権（他人の土地を利用する権利）、〓地役ちえき〓権（隣地等を利用して自分の土地を便利にする権利）、〓永小作えいこさく〓権（他人の土地を借りて耕作する権利）、〓入会いりあい〓権（山野から共同で採草などをする権利）の四つです。

この四つの権利はすべて土地を利用する権利です。建物や動産を利用する用益物権は存在しません。


　これに対し、担保物権とは、債権を担保するために目的物の価値を把握する物権をいいます。

民法の条文で認められているのは、〓留置りゆうち〓権（他人の物を留置することによって債権の弁済を促す権利）、〓先取さきどり〓特権（法律が定める特殊な債権を担保するために一定の財産に対し自動的に生じる権利）、〓質しち〓権（質物を留置することにより債権の弁済を促すとともに弁済がない場合は質物をお金に換えて弁済を受ける権利）、抵当権（債権の弁済がない場合には目的物である不動産をお金に換えて弁済を受けることができる権利）の四つです。

　担保物権は、債権を担保するという目的を有する権利なので、必ず債権とセットで存在する権利である点に特徴があります。

　次に、占有権とは、物を事実上支配する権利をいいます。占有権は、物を支配しているという事実そのものから認められるので、仮にそれを根拠づける所有権などがなくても、存在することになります。したがって、他人の物を盗んだ泥棒も、その盗んだ物に対し占有権を有していることになります。

　泥棒に権利など認める必要はないと思うかもしれませんね。たしかに、泥棒を保護してやる必要はないでしょう。

しかし、ある財産を所持している人がいた場合に、真の所有者はだれかということや、どういう事情で所持しているかということなどは、目に見えません。現実問題として、その物を所持している人が所有者である可能性が高いことからしても、とりあえず物を所持しているという事実状態を保護すべきだと考えたのです。

　また、Aさんが自分のカメラをBさんに売却し、代金を受領したが、まだカメラを引き渡していないという事例を考えてみてください。この場合、法律的にはカメラの所有権はすでにBに移転していると考えられていますが、まだ引き渡していないので、占有権はAに残っています。

　ところが、もし占有権という権利が存在しなかったら、所有権がBに移転した時点で、Aの権利はゼロになります。そうすると、Aからカメラをだれかが奪おうとしても、Aの権利は侵害されていないことになります。これはまずいですね。やっぱり占有権はあったほうがよさそうです。

　なお、占有権が認められるためには、物を事実上支配している必要がありますが、これは実際に目的物を手に持っている状態だけを指すのではありません。手に触れていなくても、自分の部屋の中にある物などは、すべて事実上の支配が及んでいるといえます。外出中でもかまいません。

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   <title>民法2章2　 法人</title>
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   <published>2008-12-20T08:21:57Z</published>
   <updated>2008-12-21T22:03:19Z</updated>
   
   <summary>  ３　法　　人 「法人」の要点整理 １　法人の種類 ①　社団法人・財団法人 　社団法人とは、人の集合体で、法人格を認められたもの。 　財団法人とは、一定の目的のために供せられた財産を管理・運営するために作られる法人。 ②　公益法人・営利法人・中間法人 　公益法人とは、営利を目的とせず、社会全体の利益となる事業を行うことを目的とする法人。 　営利法人とは、営利を目的とする事業を行う法人。 　中間法...</summary>
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３　法　　人

「法人」の要点整理

１　法人の種類
①　社団法人・財団法人
　社団法人とは、人の集合体で、法人格を認められたもの。
　財団法人とは、一定の目的のために供せられた財産を管理・運営するために作られる法人。

②　公益法人・営利法人・中間法人
　公益法人とは、営利を目的とせず、社会全体の利益となる事業を行うことを目的とする法人。
　営利法人とは、営利を目的とする事業を行う法人。
　中間法人とは、営利を目的とするわけでもなく、公益を目的とするわけでもない中間的な法人。


２　法人の設立
　営利を目的としない社団・財団は、一般法人法に定める一定の要件を満たしたうえで、主たる事務所の所在地において法人設立の登記をすることによって、法人として成立します。原則として、関連官庁の許可や認可は必要ありません。

      <![CDATA[３　法人の名称
　一般法人法により法人格を取得した営利を目的としない社団・財団は、「一般社団法人」・「一般財団法人」という名称を用いなければなりません。

　一般社団法人・一般財団法人のうち、公益を目的とするものは、公益法人認定法に基づき公益認定を受けなければなりません。公益認定を受けた一般社団法人・一般財団法人は、「公益社団法人」・「公益財団法人」という名称を用いなければなりません。


４　取引の客体――物
　取引の客体となる「物」とは、有体物をいいます（民法八五条）。有体物とは、物理的に空間の一部を占め、形があるものです。

したがって、液体・気体・固体は「物」ですが、電気・熱・光などは「物」ではないことになります。

　しかし、電気・熱・光などのエネルギーも、当然、取引の客体になることがあります。それゆえ、有体物でないものであっても、それを排他的に支配して取引の対象にできる場合は、民法の「物」に関する規定が準用されることになっています。

なお、「準用」とは、ある事項に関する規定を、他の類似事項について、必要な修正を加えつつ、当てはめることをいいます。

　また、有体物であっても、そのすべてが「物」として取引の客体になるわけではありません。

　まず、人は有体物ではありますが、人を物質と同じように取引の客体にすることはできないので、人は「物」に含まれません。

他人の身体に権利を成立させることは、奴隷を認めることになり、許されないのです。もっとも、毛髪など、切り離された身体の一部は、「物」として取引の客体とされることもあります。

　それから、有体物であっても、人が支配できる物でなければ、「物」に含まれません。たとえば、太陽、月、星などは、有体物ではありますが、人が支配して取引の客体にできるようなものではありません。

海洋も基本的には取引の客体になりませんが、一定の範囲を区切って漁業権などの権利の対象となることがあります。



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   <title>民法2章1　財産法の全体像</title>
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   <published>2008-12-14T12:01:36Z</published>
   <updated>2008-12-15T22:02:37Z</updated>
   
   <summary>　 １　財産法の全体像 　財産法とは、衣食住その他の経済的欲望を満足させる財産を自分の物として持ち、これを取引する関係を定めた法律をいいますが、その内容はおおむね次の三つに分類することができます。 ①　取引の主体 　取引の主体とは、取引を行う者のことです。取引を行うのは「人」ですから、取引の主体に関する部分には、「人」に関することが規定されているわけです。 　取引の主体については、たとえば子供のよ...</summary>
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１　財産法の全体像
　財産法とは、衣食住その他の経済的欲望を満足させる財産を自分の物として持ち、これを取引する関係を定めた法律をいいますが、その内容はおおむね次の三つに分類することができます。

①　取引の主体
　取引の主体とは、取引を行う者のことです。取引を行うのは「人」ですから、取引の主体に関する部分には、「人」に関することが規定されているわけです。

　取引の主体については、たとえば子供のように独力で取引することが難しい者のことや、会社など生身の人間ではないけれど、「人」と同じように取引の主体となれる「法人」のことなどが定められています。

②　取引の客体
　取引の客体とは、取引の目的となるもののことです。まず、経済的価値を生み出す物質として、土地や建物などの不動産とそれ以外の動産とがあります。また、不動産と動産を支配して利益を得る権利として、所有権や賃借権などが問題になります。

      <![CDATA[③　取引の手段
　取引の手段とは、どのような行為によって取引が行われるかということです。財産に対する権利を移転したり、設定したりする行為は、基本的に契約によって行われます。

したがって、取引の手段に関する規定とは、契約に関する定めのことです。契約の締結や履行に関すること、各種の契約に関することなどが定められています。




２　取引の主体――権利能力と行為能力
　権利能力と行為能力という用語には、どちらも「能力」という言葉がついているので、少しまぎらわしいですね。

①　権利能力
　権利能力とは、権利の主体となることができる能力のことをいいます。赤ん坊からお年寄りまで生きている人間は、すべて平等に権利能力があります。

　なお、生きている人間のことを法律用語で「自然人」といいます。「自然」という言葉から、なにやら野性的な人間を連想するかもしれませんが、もちろん、法律的にはそのような意味はありません。野性味ゼロの人でも、「自然人」です。

　自然人として権利能力を有するのは、出生から死亡までです。したがって、出生前の胎児の段階では、原則として権利能力はありません。

　しかし、相続関係や損害賠償請求については、胎児でも特別に権利能力が認められています（民法八八六条、九六五条、七二一条）。

たとえば、出生直前に父親が死亡したケースなどで相続権をまったく認めないのは、すでに生まれている子との関係で不公平だと考えられたからです。なお、胎児についてはこのように例外的な扱いがありますが、死亡後の人間（幽霊？）にまで権利を認める例外はありません。

　権利能力を有するのは、自然人だけではありません。会社などの法人も権利能力を有します。「法人」とは、法が人と同じように権利の主体として認めたということです。


②　行為能力
　行為能力とは、単独で完全に有効な法律行為ができる能力のことをいいます。法律行為とは、契約など、行為者の意思に基づいて法律上の効果を発生させる行為のことです。

　権利能力と違って、行為能力はすべての自然人に認められるわけではありません。たとえば、子供などは、合理的な取引をするだけの十分な判断能力をもっていないので、行為能力が制限されています。
　
なお、「行為能力」における「行為」とは、行為一般を指すのではなく、法律行為を指すことに注意してください。たとえ子供でも、歩いたり、食事をしたり、しゃべったりする「行為」をする能力はあるのですから。

　子供のように行為能力が制限されている者のことを「制限行為能力者」といいます。制限行為能力者には、①未成年者、②成年被後見人、③被保佐人、④被補助人の四種類があります。

　未成年者とは、二〇歳未満の者（二〇歳の誕生日が来る前日までの者）をいいます。成年被後見人、被保佐人、被補助人は、いずれも精神的な障害や認知症（老人性痴呆症）などにより、合理的な取引をする判断能力に問題がある人たちです。

成年被後見人〓被保佐人〓被補助人の順に、だんだん能力が高くなります。条文のキーワードで区別すると、成年被後見人は判断能力が「欠けている」人、被保佐人は「著しく不十分な」人、被補助人は「不十分な」人です。

　これらの制限行為能力者の制度は、判断能力に問題のある者を保護するという思想に基づいて設けられています。判断能力に問題のある者が、単独で契約などを行うと、不利な契約を知らぬ間に押しつけられるおそれがあります。

そこで、単独では有効に契約できないことにして、制限行為能力者の財産等を守ろうとしているのです。能力がない者の行為を縛りつけるというマイナスイメージではとらえないでくださいね。

　制限行為能力者を保護する仕組みとしては、保護者の存在とその権限が重要です。
　制限行為能力者には、必ず保護者がつけられます。未成年者には親権者（親権者がいない場合などは未成年後見人）、成年被後見人には成年後見人、被保佐人には保佐人、被補助人には補助人という保護者がつきます。未成年者の保護者である親権者とは両親のことですが、他の保護者は多くの場合、配偶者や兄弟などの親族から選ばれます。

　制限行為能力者は単独で契約等をすることができませんが、人が社会生活を営む以上、契約はどうしても必要になります。アパートを借りたり、物を買ったりする行為はすべて契約だからです。

そこで、制限行為能力者に代わって契約したり、制限行為能力者が契約を行う際に同意を与えるなどして、制限行為能力者をサポートする存在として、保護者が選任されるのです。

　制限行為能力者の保護者には、取消権、同意権などの権限が与えられています。権限の種類および内容の詳しい説明は省略しますが、さしあたって取消権の存在だけ覚えておいてください。

　取消権とは、制限行為能力者が単独で行った契約などを取り消すことによって、はじめから契約しなかったのと同じ状態にする権利です。制限行為能力者が、単独で契約してしまった場合に、その効果を失わせて、制限行為能力者の財産の回復等を図ることができるのです。



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   <title>改正法中心  直前予想問題と解説5  匂坂和彦</title>
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   <published>2008-12-01T01:26:04Z</published>
   <updated>2008-12-08T22:14:38Z</updated>
   
   <summary>予想問題 問題９ 　持分会社及びその持分会社の社員に関する記述で，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。 ア　合資会社の有限責任社員，合同会社の有限責任社員が死亡した場合は，当然にその相続人が社員となる。 イ　持分会社の社員の破産手続開始決定，後見開始の審判は，ともに法定退社事由である。 ウ　持分会社の社員は，やむを得ない事由があれば，事業年度の終了時の６か月前までに退社の予告をして，事業...</summary>
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      予想問題

問題９

　持分会社及びその持分会社の社員に関する記述で，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。

ア　合資会社の有限責任社員，合同会社の有限責任社員が死亡した場合は，当然にその相続人が社員となる。

イ　持分会社の社員の破産手続開始決定，後見開始の審判は，ともに法定退社事由である。

ウ　持分会社の社員は，やむを得ない事由があれば，事業年度の終了時の６か月前までに退社の予告をして，事業年度の終了時に退社することができる。

エ　持分会社を退社した社員は，退社前に生じた債務についても従前の責任の範囲内で弁済する責任を負うが，退社後２年を経過すれば，その責任は消滅する。

オ　持分会社の定款には，社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれかであるかの別を記載又は記録しなければならない。

１　アウ　　２　アエ　　３　イエ
４　イオ　　５　ウオ


      <![CDATA[解答・解説

　問題９　正解　４

ア　誤り。持分会社の社員が死亡すると退社となり，その相続人は原則として社員とはならない。

しかし，定款で，その相続人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる（会社法608条１項）。旧商法と異なり，会社法では，無限責任社員と有限責任社員も原則として死亡により退社することになる。

イ　正しい。持分会社の社員の破産手続開始決定，後見開始の審判は，ともに法定退社事由になっている（607条）。これに対して，保佐開始の審判は，法定退社事由とはされていない。

ウ　誤り。持分会社の社員は，事業年度の終了時の６か月前までに退社の予告をして，事業年度の終了時に退社することができる。しかし，やむを得ない事由があれば，いつでも退社することができる（この場合，予告は不要）。

エ　誤り。持分会社を退社した社員は，退社の登記をする前に生じた債務についても従前の責任の範囲内で弁済する責任を負うが，退社の登記後２年以内に請求または請求の予告をしない債権者に対しては，退社の登記後２年を経過すると，その責任は消滅する（612条）。

オ　正しい。持分会社の定款には，社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別を記載または記録しなければならない。

合名会社には無限責任社員，合同会社には有限責任社員しか存在しないが，合名会社・合資会社・合同会社の定款では，社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別を記載または記録しなければならないことになっている。

たとえば，合同会社の場合には，「第○○条　当会社の社員の全部を有限責任社員とする」というふうに定款に記載する。なお，社員が有限責任社員または無限責任社員のいずれかであるかの別が登記事項になっているのは，合資会社のみである。

　以上より，正しいものの組合せはイとオであるから，正解は４。





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   <title>民法1章　民法ってどんな法律？</title>
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   <published>2008-12-01T00:21:40Z</published>
   <updated>2008-12-03T22:11:41Z</updated>
   
   <summary>１　民法ってどんな法律？ 　「民法ってどんな法律？」ということが本当にわかるのは、民法全体をひととおり勉強した後です。「それなら、こんな話は後回しにしてくれ」ということになりそうですね。 　しかし、これから勉強する内容について、大まかなイメージぐらいはもっておいたほうが、勉強しやすいと思います。 初めて行く場所にドライブするとき、皆さんは、事前に地図を見て、目的地の方角や大まかなルートぐらいは頭に...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://xn--ihq79iewal1ktnu70vi92d.com/gyousei-shoshi/">
      １　民法ってどんな法律？
　「民法ってどんな法律？」ということが本当にわかるのは、民法全体をひととおり勉強した後です。「それなら、こんな話は後回しにしてくれ」ということになりそうですね。

　しかし、これから勉強する内容について、大まかなイメージぐらいはもっておいたほうが、勉強しやすいと思います。

初めて行く場所にドライブするとき、皆さんは、事前に地図を見て、目的地の方角や大まかなルートぐらいは頭に入れてから出発するでしょう。

北か南かもわからずに出発したのでは、すぐに道に迷ってしまいます（もっとも、最近はカーナビがあるから大丈夫かな）。民法を勉強する場合も、同じことがいえるのです。

　法律とは
      <![CDATA[私たちの生活関係を規律する存在ですが、その「生活関係」は国家とのかかわりの部分と、直接に国家とは関係しない部分とに区別することができます。前者は公的な関係で後者は私的な関係ということもできます。

　前者の公的な関係を定めた法律のグループを公法といいます。国家の組織や主権について定めた憲法、国家による刑罰について定めた刑法、納税義務について定めた税法などが該当します。

　これに対し、後者の私的な関係を定めた法律のグループを私法といいます。衣食住のための財産とその取引の関係、および夫婦・親子等の家族の関係などを対象とします。

仮に国家という組織が存在しなくても人が人として生きていくためには必ず必要となる生活関係です。こうした生活関係について定めている法律の代表が民法なのです。




２　財産法と家族法
　前述のように、民法は直接に国家とは関係しない生活関係を定めた法律（私法）ですが、その内容は大きく二つに分けることができます。一般的に、財産法と家族法（身分法ともいいます）という言葉で分類されています。

　財産法とは、衣食住その他の経済的欲望を満足させる財産を自分の物として持ち、これを取引する関係を定めた法律をいいます。

たとえば、財産を自分の物として持つことについて、民法は「所有権」という権利関係として規律します。また、生活に必要な財産を手に入れる手段として売買契約などの契約関係が民法に定められています。
　手元に六法がある方は、民法の目次のところを開いてみてください。民法は第一編から第五編までに分かれますが、そのうちの第一編「総則」、第二編「物権」、第三編「債権」が財産法を定めた部分です。

　これに対し、家族法とは、夫婦・親子・親族の関係を定めた法律をいいます。婚姻、親子、扶養などについて定められていますが、人が死亡した場合の財産関係の承継を定めた「相続」も家族法に含まれます。

相続関係は、財産の移動という面に着目すれば、財産法のようにも思われますが、夫婦・親子などの身分的な関係を基礎として、その身分関係に伴って当然に生じるものなので、家族法に含めてよいと考えられるからです。

　六法が手元にある方は、やはり目次を開いてみてください。民法の目次でいえば、第四編「親族」、第五編「相続」が家族法を定めた部分です。



３　民法の効力
　民法の効力というと、民法の時的・人的・場所的適用範囲、つまり民法の効力が及ぶ範囲を意味することが多いのですが、そのような話は受験上は重要でないので、ここでは別の観点の話をします。

ここでいう民法の効力とは、民法の適用を受けた結果として、法律的にどのような効力が生じるかという問題です。

　たとえば、交通事故で他人にケガを負わせた場合、被害者から加害者に対し損害賠償を請求することができます。

これは、被害者は加害者に対し損害賠償請求の「権利」を取得し、その反面、加害者は被害者に対し損害賠償の「義務」を負うということになります。

また、Aさんが自分が持っているカメラを一万円でBさんに売るという契約が成立した場合、AさんはBさんに対しカメラを引き渡す「義務」を負うと同時に、一万円の支払いを請求する「権利」を取得します。

これをBさんからみれば、Aさんに対しカメラの引渡しを請求する「権利」を取得し、一万円を支払う「義務」を負うということですね。

　このように、民法の効力とは、基本的に権利・義務の発生を意味しているわけです。もっとも、より正確に言えば、新たに権利・義務が発生する場合だけでなく、すでに生じていた権利・義務が消滅したり、変更したりする場合もあります。

たとえば、借金を負っている者がその返済をした場合は、貸主が有する借金の返済を請求する権利と借主の負っていた借金を返済をする義務が消滅することになります。

　民法の効力とは、基本的に権利・義務の発生を意味するとしても、権利・義務があるということはさらにどういう意味を持つのかということが問題になります。

　たとえば、損害賠償請求権があるというのは、損害賠償として金銭を取ることができるということであり、相手方は金銭を支払うべきだということです。

反対に、損害賠償請求権がないというのは、損害賠償として金銭を取ることができないということであり、相手方は金銭を支払わなくてもよいということです。

　理論的にはこのとおりなのですが、現実社会においては、権利・義務があるというだけで物事は解決しません。損害賠償請求権があっても、それを主張しなければ、相手方は払ってくれないでしょうし、主張しても相手方が素直に応じてくれるとは限りません。抽象的な「権利」という概念が認められても、それが現実社会で役立たなければ意味がないのです。

　それでは、権利を主張しても相手方が素直に応じなかった場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、裁判所に訴えて、国家の保護を受けるということになります。裁判所は、損害賠償請求権があると判断すれば、相手方に支払いを命じ、それでも払わないときは国家権力を用いて強制的に支払わせます。「権利」があるということの本当の意味はここにあるのです。

　以上をまとめると、民法の効力とは、権利・義務を発生・消滅・変更させることであり、最終的には、裁判所（国家）の協力を得て、その結果を実現させることができるという点に結びつくことになります。




４　強行規定と任意規定
　皆さんは、法律はすべて守らなければならないものだというイメージをおもちでしょう。民法の条文に書いていることについて、われわれが勝手に条文とは異なる内容の契約を締結することなど許されないと思っているのではないでしょうか。

　刑法などでは、右に述べたことがそのまま当てはまります。たとえば、傷害罪について「われわれの間では犯罪とはならないことにする」なんて取り決めをしても、そのようなものは認められません。

　ところが、民法の規定には、異なる内容の契約を締結できないものと、異なる内容の契約を締結すれば、民法の規定より契約のほうが優先するものとがあるのです。

契約で変えられない規定を強行規定、契約で変えることができる規定を任意規定といいます。この任意規定の存在が、すべて強行規定である刑法などと比べた場合の民法の特徴といえます。

　次に問題になるのは、民法の条文のうち、どれが強行規定でどれが任意規定かというのをどのようにして区別するかということです。

　実は、この点についてスパッと切れる明確でわかりやすい基準はありません。一応、民法では「公の秩序に関しない規定」が任意規定であるとしていますが（民法九一条）、「公の秩序」といわれても、その具体的な中身はちっともわからないからです。

最終的には個々の条文ごとに検討するしかありません。しかし、すべての条文について覚えることは不可能なので、大まかな考え方の目安を次に紹介しておきましょう。

①　契約に関する規定は、おおむね任意規定
　売買契約など各種の契約の内容を定める規定は、基本的に任意規定です。契約は両当事者の合意によって成立するものなので、当事者の自由な意思を尊重するのです。民法には一三種類の契約が定められていますが、一三種類のどれにも当たらない契約をしても差し支えありません。

②　物権の内容に関する規定は、強行規定
　物権とは、所有権、抵当権など、物に対する権利の総称です。たとえば、私の所有物を奪う者がいたら、それがだれであれ所有権を主張することができます。このように物権はだれに対しても主張できる権利なので、当事者が勝手に権利の内容を決めたのでは、社会が混乱することになります。

③　弱者保護の規定は、強行規定
　社会的・経済的な弱者を保護する趣旨で定めた規定について、当事者がこれと異なる内容の契約等をすることを認めたのでは、弱者保護の目的が達成できないからです。

④　親族・相続に関する規定は、原則として強行規定
　親子・夫婦・相続などの関係は、それぞれの人格を尊重したうえで、すべて平等に取り扱うべきです。各自がそれぞれの考えに従って、勝手な関係をつくる自由を認めたのでは、社会秩序が乱れ、道義的にも問題が生じるでしょう。たとえば、婚姻関係において一夫多妻、あるいは一妻多夫の自由を認めるわけにはいかないでしょう。

⑤　迷ったら任意規定と考える
　どうしても判断がつかないときは、とりあえず任意規定と考えておきましょう。個人の自由を尊重するのが民法の基本原理だからです。




５　民法の基本原理
　民法全体を貫く基本原理として、①権利能力平等の原則、②所有権絶対の原則、③私的自治の原則、というものがあります。これは、いわば民法的発想の原点ともいうべき考え方ですから、民法を勉強する際に頭の中に入れておいたほうがよいでしょう。

①　権利能力平等の原則
　すべての人は、国籍・職業・年齢・性別などによって差別されることなく、平等に権利義務の主体になる資格を有する、という原則です。人々の自由な経済活動によって社会の発展を図るという資本主義の考え方に基づくものです。

②　所有権絶対の原則
　所有権は、国家からも拘束を受けない絶対的な権利である、という原則です。財産を所有することによる自由な経済活動を認めることにより、資本主義社会の発展を図ろうという考え方に基づきます。

③　私的自治の原則
　私的な法律関係においては、当事者の自由意思に基づく行為を尊重する、という原則です。これも、自由な経済活動を保障する思想に基づく原則ですが、半面で、人は自分の自由意思によらずに権利を取得し義務を負わされることはない、という原則も含みます。

そのため、私的自治の原則からは、さらに、「契約自由の原則」（契約の締結や内容は個人の自由であるとする原則）や「過失責任の原則」（自己の故意・過失による行為についてのみ責任を負うという原則）が導かれます。




６　基本原理の修正
　前述の基本原理は、社会の進展とともに修正を受けるようになってきました。基本原理を貫くと、さまざまな社会的ひずみが生まれる場合があるからです。

①　所有権絶対の原則の修正
　所有権が侵害された場合、所有者は侵害者に対し、侵害の排除や損害賠償を請求することができます。しかし、これを貫くと、わずかな侵害に基づいて過剰な請求をするなどということが起きます。

　次のような事件が実際に起きています。

ある者が湯元から木管で湯を引いて温泉を経営していたところ、その木管が一部、他人の土地を通過していたため、その土地の所有者が、土地全体を法外な値段で買い取るか、さもなくば木管を撤去しろと請求した事件がありました。

この土地は、ほとんどが急傾斜の草も生えないようなものだったのにもかかわらず、所有権を振りかざして過大な要求をしたわけです。

　このような場合にまで、所有権絶対の原則を貫くのは適当ではないので、裁判所も、土地所有者の請求を認めませんでした。民法には、「権利の濫用は、これを許さない」という規定（民法一条三項）があり、これを適用したのです。

　これは、社会全体の利益に基づいて、基本原理が修正されたものといえるでしょう。我々は社会の一員である以上、権利を行使する場合も、社会全体の調和や利益を害するものであってはならず、もし、そのような権利行使があれば、もはや権利の行使とはいえないのです。

②　私的自治の原則の修正
　前述のとおり、私的自治の原則から導かれる派生原理として、契約自由の原則があります。契約自由の原則は、対等な者同士が契約する場合には、そのまま妥当します。

しかし、資本主義社会の進展により貧富の差が広がると、契約自由の原則は、経済的強者のためだけの自由になりかねません。

　たとえば、不動産を所有していない者は、自分が住む家を確保するために、土地や建物を他人から借りるしかありません。

所有者が自分の不動産を他人に貸す契約をするかどうかは自由なので、自分にとって有利で都合のいい内容でなければ契約しないと主張します。借りる側は、住む家を確保するためには、一方的な内容の契約を承諾するしかない羽目におちいるのです。

　そこで、このような場合は、経済的弱者を保護するために、契約内容に法律が制限を加えることになるのです。

　また、過失責任の原則についても、修正が必要な場面があります。

　たとえば、工場設備、高圧変電設備、自動車、航空機など、文明の発達により、特殊な危険をはらむ企業設備や道具が増えてきました。これらの物から生じる損害には、企業が十分な注意をしていても防止できないものもあります。

　このような場合、企業には過失がないことになるので、過失責任の原則を貫くと、企業はこれらの設備等で多くの利益を上げる一方で、一般市民である被害者は泣き寝入りせざるを得ない事態が生じます。
　
そこで、一定の場合には、過失がなくても損害賠償責任を負わせるという修正が行われることになります。




７　民法の解釈の特徴
　それぞれの法律の条文の意味を明らかにするためには、法律を解釈しなければなりません。
　法律を解釈する場合は、その用いられている文章や語句のふつうの常識的な意味をできるだけ忠実に読み取っていくべきです。

文章や語句の常識的意味から離れた解釈は、恣意的な解釈を生んだり、法に対する信頼を失うことになるからです。言葉の意味に忠実な解釈方法を文理解釈といいますが、これは民法に限らず、あらゆる法律に共通する解釈方法です。

　法律解釈の出発点が文理解釈だとしても、場合によっては法律全体の論理的一貫性を維持するために、言葉の意味を狭めたり、広げたりするなど、文理に必ずしも忠実でない解釈をすべき場合があります。このような解釈方法を論理解釈といいますが、具体的には次のように分類されます。

①　目的論的解釈
　これは、論理解釈のやり方の姿勢を説くものです。すなわち、論理解釈をする際は、その規定の目的を考察する必要がありますが、そうした個々の規定の目的をつかむために、その法律全体の目的をも考えながら解釈する方法です。

②　反対解釈
　ある場合について規定が置かれていないということに着目して、規定のある場合と反対の解決を与えようという解釈方法をいいます。たとえば、「車馬通行禁止」とある場合、「人」はそこに規定されていないので、「人」は通行していいと判断するような場合です。

③　拡張解釈
　法文の文字の意味が狭すぎて文理解釈だけでは法の意味を理解しがたいときに、その規定の言葉よりも広い内容のものとして解釈する方法をいいます。たとえば、「車馬通行禁止」とある場合、「牛」について書かれてないが、「牛」も「通常道路上を通る大きな動物」という点で「馬」と一緒に考え、「馬」という言葉を本来の意味から「牛」にも拡張して理解するような場合です。

④　縮小解釈
　拡張解釈とは反対に、法文の文字の意味が広すぎるときに、その規定の言葉の意味よりも狭い内容のものとして解釈する方法をいいます。たとえば、「車馬通行禁止」とある場合、「車」とあっても重い大きなものがいけないのだから、これには「乳母車」は含まれないとして、「車」の本来の意味よりも縮小して理解するような場合です。

⑤　類推解釈
　ある事項について法が直接規定していない場合に、それに最も類似した事項についての法を適用して、同じ法的効果を認めていこうとする方法をいいます。

たとえば、「他人を殺した者は被害者の配偶者に対して慰謝料を支払わなければならない」という規定があるときに、法律的には「配偶者」にいわゆる内縁の夫・妻（事実上夫婦同然の関係にあるが、婚姻届を出していない場合）は入らないのだけれど、内縁の夫・妻にも慰謝料の支払いを認めるような場合です。

　このような類推解釈が、民法では割合広く認められる傾向があります。刑法では死刑もあることからして安易に類推解釈を認めるわけにはいきませんが、民法で類推解釈を認めたとしても命まで奪われることはないからでしょう。




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   <title>改正法中心  直前予想問題と解説4  匂坂和彦</title>
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   <published>2008-11-29T09:37:43Z</published>
   <updated>2008-12-01T22:03:53Z</updated>
   
   <summary>予想問題 問題７ 　委員会設置会社に関する記述について，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。 ア　執行役は取締役の中から，取締役会の決議により選任される。 イ　会計監査人は，大会社である委員会設置会社には必ず設置しなければならないが，大会社以外の委員会設置会社では任意に設置することができる。 ウ　執行役の任期は，選任後１年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時...</summary>
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      予想問題

問題７

　委員会設置会社に関する記述について，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。

ア　執行役は取締役の中から，取締役会の決議により選任される。

イ　会計監査人は，大会社である委員会設置会社には必ず設置しなければならないが，大会社以外の委員会設置会社では任意に設置することができる。

ウ　執行役の任期は，選任後１年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までである。

エ　各委員会のメンバーは取締役の中から取締役会の決議で選定され，各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければならない。

オ　監査役及び特別取締役は，委員会設置会社では置くことができない。

１　アイ　　２　アウ　　３　イオ
４　ウエ　　５　エオ
　
      <![CDATA[問題８
　合併に関する記述について，正しいものは１から５までのどれか（特に問題文で指定のない限り，株式会社同士の合併である。）。

１　債務超過に陥った株式会社を吸収合併存続株式会社とすることはできるが，吸収合併消滅株式会社とすることはできない。

２　吸収合併の場合に，吸収合併消滅会社の株主に交付される対価は，吸収合併存続会社の社債でもよい。

３　株式会社と合名会社が合併する場合に，株式会社が社債の償還を完了していない場合には，存続会社又は新設会社は株式会社でなければならない。

４　吸収合併の場合は，本店所在地において合併による変更登記をした日が合併の効力発生日である。

５　吸収合併消滅株式会社は，吸収合併をする旨，吸収合併存続株式会社の商号及び住所，吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社の計算書類に定めるもの，債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を，必ず官報に公告し，かつ，知れたる債権者に催告しなければならない。
　



解答・解説

問題７　正解　５

ア　誤り。執行役は，取締役会の決議により選任されるが，取締役の中から選ばれるのではない。これは，執行役は社外に広く人材を求める必要があるからである。ただし，取締役を執行役に選任するのは禁止されていない。

イ　誤り。委員会設置会社であれば，大会社であるか否かを問わず，必ず会計監査人を設置しなければならない（会社法327条５項）。また，大会社であれば，委員会設置会社でなくても，会計監査人を設置しなければならない（328条１項・２項）。

ウ　誤り。執行役の任期は，選任後１年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結後，最初に招集される取締役会の終結の時までである（402条７項）。

エ　正しい。各委員会（監査委員会，指名委員会，報酬委員会）のメンバーは取締役である。各委員会の委員は，取締役の中から取締役会の決議で選定される（400条２項）。さらに，各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければならない（400条３項）。

オ　正しい。監査役は，委員会設置会社では置くことができない。監査委員会があるからである。また，委員会設置会社では，執行役に権限を委譲できるため，特別取締役制度を認める必要がないので，特別取締役を置くこともできない。

　以上より，正しいものの組合せはエとオであるから，正解は５。




　問題８　正解　２

１　誤り。会社法では債務超過に陥った株式会社を吸収合併存続株式会社とすることも，吸収合併消滅株式会社とすることもできるようになった。ちなみに，解散した会社を吸収合併存続株式会社とすることはできないが（会社法474条１項），合併消滅株式会社とすることはできる。

２　正しく正解。吸収合併の場合に，吸収合併消滅会社の株主に交付される対価は，吸収合併存続会社の株式（持分会社の場合は持分），新株予約権，新株予約権付社債，社債，金銭その他の財産でもできるようになった。吸収合併，吸収分割，株式交換など，吸収再編型の組織再編には，対価の柔軟化が認められている。

３　誤り。旧商法ではこのような制限があったが，会社法では持分会社でも社債を発行することができるようになったため，株式会社が社債の償還を完了していない場合でも，持分会社を存続会社または新設会社とすることができる。

４　誤り。旧商法では，新設・吸収合併を問わず，登記の日が効力発生日とされていたが，会社法では，吸収合併の効力発生日は，契約で定めた日となった（749条１項６号）。新設合併の場合は，新設合併設立会社の設立登記の日が効力発生日である。

５　誤り。吸収合併消滅株式会社は，会社法789条２項に掲げる事項を官報に公告し，かつ，知れたる債権者に催告しなければならないが，官報のほか，定款の定めに従い，時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙，または電子公告の方法によるときは，債権者への各別の催告は不要である（789条３項）。
　



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   <title>改正法中心  直前予想問題と解説3  匂坂和彦</title>
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   <published>2008-11-24T07:43:38Z</published>
   <updated>2008-11-26T22:20:04Z</updated>
   
   <summary>予想問題 問題５ 貸金等根保証契約に関する記述について，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。 ア　貸金等根保証契約は，書面によらなければ，効力を生じない。 イ　貸金等根保証契約の締結の日より５年を超える日を確定期日と定めた場合には，貸金等根保証契約の締結の日から５年を経過した日が確定期日となる。 ウ　貸金等根保証契約の極度額は，利害関係人の承諾を得れば，変更することができる。 エ　主たる...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://xn--ihq79iewal1ktnu70vi92d.com/gyousei-shoshi/">
      予想問題

問題５
貸金等根保証契約に関する記述について，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。

ア　貸金等根保証契約は，書面によらなければ，効力を生じない。

イ　貸金等根保証契約の締結の日より５年を超える日を確定期日と定めた場合には，貸金等根保証契約の締結の日から５年を経過した日が確定期日となる。

ウ　貸金等根保証契約の極度額は，利害関係人の承諾を得れば，変更することができる。

エ　主たる債務者が破産手続開始決定を受けたときには，貸金等根保証契約の元本は確定するが，破産手続開始決定の効力が消滅した場合には，元本確定の効果は消滅する。

オ　貸金等根保証契約の保証人は，個人でなければならない。

１　アエ　　２　アオ　　３　イウ
４　イオ　　５　ウエ
　
      <![CDATA[問題６
　株式会社の取締役に関する記述について，正しいものの組合せは後記１から５までのどれか。

ア　非公開会社であった会社が株式の譲渡制限に関する規定を変更し，公開会社となったとき（委員会設置会社がするものを除く）は，取締役は任期満了により退任することになる。

イ　公開会社であった株式会社が発行する全部の株式の内容として，譲渡による当該株式の取得について，当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを新たに設定（委員会設置会社がするものを除く）した場合，取締役は任期満了により退任することになる。

ウ　定款で定めておくことにより，取締役を累積投票により選任することができる。

エ　破産手続開始決定を受け，復権していない者を取締役に選任することができる。

オ　委員会設置会社以外の取締役の任期は，原則として就任後２年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであるが，非公開会社においては，就任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までに，伸長することができる。

１　アウ　　２　アエ　３　イエ
４　イオ　　５　ウオ




解答・解説

問題５　正解　２

ア　正しい。貸金等根保証契約に限らず，保証契約については書面によらなければ，効力を生じない（民法446条２項）。

イ　誤り。貸金等根保証契約の確定期日を定めた場合，締結の日より５年を超える日を確定期日とした場合は，根抵当権と同様に無効である。５年に短縮される規定はない※２。
この場合，確定期日の定めがない場合として貸金等根保証契約を締結した日から３年を経過した日が確定期日となる（465条の３第２項）。

ウ　誤り。根抵当権とは異なり，貸金等根保証契約の極度額は，利害関係人の承諾を得なくても，これを変更することができる。

エ　誤り。主たる債務者が破産手続開始決定を受けたときには，貸金等根保証契約の元本は確定するが（465条の４第２項），根抵当権と異なり，破産手続開始決定の効力が消滅した場合には，元本確定の効果は消滅する規定はない。したがって，元本確定の効果はそのままである。

オ　正しい。貸金等根保証契約の保証人は，個人でなければならない（465条の２第１項）。法人は除かれている。

　以上より，正しいものの組合せはアとオであるから，正解は２。

※２　参考【短縮規定の有無】
元本の確定期日	→　なし（５年を超えた日とする確定期日は無効である）
共有物不分割特約	→　なし（５年を超える不分割特約は無効である）
買戻特約	                →　ある（10年を超える買戻特約は10年とする）
不動産質権	→　ある（10年を超える存続期間を設定したときは10年とする）



　問題６　正解　２

ア　正しい。非公開会社は，定款において，選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで任期を伸長することができる。
ところが，非公開会社→公開会社になってしまうと，伸長された任期を維持することができない。
したがって，非公開会社→公開会社となった場合は取締役の任期は満了する（会社法332条４項参照）。
取締役の任期は，当該定款の効力が生じたときに満了する。
逆に公開会社→非公開会社の場合は，このような心配はないので，これにより任期が満了することはない（肢イ）。これは，たとえ非公開会社で定款に任期を伸長する規定を設けていなくても，一律にこのような取扱いになる。

	                                                  取締役
公開会社→非公開会社	                   退任しない
非公開会社→公開会社	                    退任する
委員会設置会社→委員会非設置会社	   退任する
委員会非設置会社→委員会設置会社	  退任する

イ　誤り。肢ア解説のとおり。

ウ　誤り。会社法では原則として累積投票により取締役を選任することが認められている。定款で定めることにより，累積投票を排除できる（342条１項）。

エ　正しい。会社法では，破産手続開始決定は，取締役の欠格事由に該当しなくなった。
しかし，破産手続開始決定は，民法上の委任の終了事由にあたり，会社と取締役は委任関係なので，委任の終了により，取締役の地位を失うことになる（民法653条２項）。

委任が終了するのは，任期中に取締役が破産手続開始決定を受けた場合である。これに対して，破産手続開始決定を受け，復権していない者を取締役に選任することはできる。
破産手続開始決定を受けたことは，取締役の欠格事由に該当しないからである。
取締役が在任中に破産手続開始決定 →　委任の終了により取締役の地位を失う
破産手続開始決定を受け，復権していない者　→　取締役に選任することができる

オ　誤り。委員会設置会社以外の取締役の任期は，原則として選任後２年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであるが（会社法332条１項），非公開会社においては，選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までに，伸長することができる（332条２項）。
旧商法では「就任後」とされていたが，会社法では「選任後」に改められた。


　以上より，正しいものの組合せはアとエであるから，正解は２。



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