2009年4月アーカイブ

「はじめて行政書士 民法」 
植杉伸介著
住宅新報社刊
定価1995円(本体1900円)


31 債務不履行の要件
 債務不履行が成立すると、債務者は損害賠償の請求を受けたり、契約を解除されるなどの不利益を受けます。このような不利益を受けるのは、債務不履行について、債務者に責任があるからです。

債務者には全く責任がないのに、不利益を受けたのではかわいそうです。

 そこで、債務不履行が成立するためには、原則として、不履行の結果について債務者の責めに帰すべき事由がなければならないこととされています。

これは債務者の「せめにきすべきじゆう」と読むのですが、略して帰責事由(きせきじゆう)ともいいます。

 もっとも、「債務者の責めに帰すべき事由」といわれても、もうひとつ意味がハッキリしませんね。これは、具体的には、履行遅滞や履行不能などの結果が生じたことについて、債務者に故意(わざとすること)または過失(不注意であること)があることを意味します。
 

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28 請 負

「請負」の要点整理
1 請負とは
 請負とは、請負人がある仕事を完成させることを約束し、注文者がこれに対して報酬を支払うことを約束する契約をいいます。

2 完成した建物の所有権
 請負の目的物である建物が完成した瞬間の所有権の帰属は、次のようになります。
 まず、所有権の帰属について、特約があればそれによります。特約がないときは、材料の全部または主要部分を供給した側に、所有権が帰属します。ただし、請負人が材料を供給した場合でも、注文者が完成前に報酬を全額支払っているときは、注文者に所有権が帰属します。

3 請負人の担保責任
 請負契約により完成した目的物に瑕疵があった場合、請負人は次のような担保責任を負います。

契約解除
注文者は、目的物(建物その他の土地の工作物を除く)に瑕疵があって契約の目的を達することができないときは契約を解除できる
損害賠償請求
注文者は、瑕疵の修補に代え、あるいは修補とともに損害賠償請求ができる
瑕疵修補請求
注文者は、目的物に瑕疵があるときは相当の期間を定めて、その修補の請求ができる

4 注文者の解除権
 仕事が完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約を解除できます。

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26 不動産登記法
 不動産をめぐる民法の問題においては、登記が重要な役割を果たします。それゆえ、民法の学習をする際には、登記の基本的な仕組みを理解しておいたほうがよいでしょう。登記の仕組みは、「不動産登記法」という法律に定められています。

① 登記制度の意義
 登記とは、不動産に関する権利等を公示する仕組みです。たとえば、所有権や抵当権という権利自体は、目に見えるものではありません。不動産の取引をするときに、権利の存在が明らかでないと、安心して取引できません。そこで、権利の存在を知る手がかりとして、登記制度を設けたのです。

② 不動産登記簿
 不動産登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行われます。
 登記簿とは、登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスクをもって調製するものをいいます。

昔の登記は、紙に記載されていましたが、現在はコンピューター化されているわけです。登記記録は、原則として、一筆の土地または一個の建物ごとに、電磁的記録によって作成されます。一筆の土地または一個の建物ごとに、独立して取引が行われるので、登記記録も別にするのです。

 そして、一つの登記記録は、①表題部、②権利部に区分して作成されます。

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