2009年5月アーカイブ

5.科目別の学習方法
(1)法令等
 学習順序は,①憲法,②行政法,③民法,④会社法・商法,⑤基礎法学,⑥記述式対策の順をオススメします。

 憲法は,学校で習った「社会科」「政治経済」を詳しくしたものなので比較的なじみやすく,また,行政法の基礎にもなるので,最初の科目にしましょう。次に,配点の高い「行政法」「民法」を学習し,最後は残りの法令等です。

 時間配分は,①~④を四等分が一応の目安です。実際には②③に時間がかかるので,その分④が急ぎ足になるでしょう。

①憲法
 憲法は,基本的人権(自由権など)と統治機構(立法,行政,司法)について定めています。
 試験では,条文の知識のほか,判例(裁判所の考え方)の知識も重要です。テキストや過去問に出てくる重要判例について,何が憲法上の問題になっていて,裁判所はどう考えているか(憲法違反か否か)を理解・記憶する必要があります。

 近年は,応用力・推理力を試す問題も見受けられますが,そのような問題でも条文・判例の知識がベースになります。基礎がなければ,応用することは不可能だからです。

4.学習スケジュール
(1)夏までに1回転,その後は復習
 人間は,覚えたことを時間の経過とともに忘れていきます。たとえば,4月に覚えたことはそのままにしておけば,11月にはすっかり忘れています。忘れにくくするためには,同じことを何度も繰り返し覚える必要があります。

 そこで,全体を何回も繰り返して学習することが大切です。そのためには,復習期間を計算に入れたスケジュールを立てなければなりません。

 4月頃から学習を開始する場合,7月までが基礎期,8月,9月が復習期,10月以降が直前期と,少なくとも3回転させましょう。
 
7月末→基礎期   9月末→復習期 本試験→直前期

(2)基礎期はテキストを読んで過去問を解く
 どのテキストも,数頁で1つのまとまり(1項目)になっています。

 基礎期では,まずテキストを1項目読んで,その部分の過去問を解くことから始めます。この段階では半分も正解できないと思いますが,それで普通です。

最初にテキストを読むのはイメージをつかむため,過去問を解くのはポイントがどこにあるかを知るためです。

3.テキスト等について
(1)まず,テキストを選ぼう
 行政書士試験用には,さまざまなテキストが出版されています。また,憲法・行政法など個別の法令ごとに考えれば,学者の書いた専門書や他の資格試験のテキスト等もあります。

 憲法・民法等の学習経験がかなりある方は,過去問にざっと目を通して試験に必要な知識の範囲をつかめば,それを基に自分に合ったテキストを選ぶことができると思います。

 そうでない方には,行政書士試験用のテキストがオススメです。試験範囲を意識して書かれたものだからです。書店等でいくつか読み比べてみて,自分の感覚に合うものを選んでください。

その際は,最新年度のものを選ぶことが大切です。古いテキストでは,最新の法改正に対応できないからです。古いテキストなら人から譲ってもらえるという方も,合格のための投資だと思って,最新版をそろえてください。
   
 ところで,最初に選んだテキストが合わないと感じたら,どうすべきでしょうか。

 行政書士試験は,かなり難しくなってきていますので,テキストを1回さっと読んで合格できるようなものではありません。何度も繰り返すうちに,徐々に分かってくる部分も多々あります。

したがって,ちょっと分からないから,そのテキストをやめて別のテキストに代えるといったことは避けるべきです。

1.行政書士試験の概要
 行政書士試験は,例年,11月第2日曜日に行われます。今年の試験日は,今から約半年後の11月8日であると予想されます。これから半年後の試験に向けた学習スケジュールや学習方法について説明しますが,その前提として,まずは,行政書士試験の内容や出題数等から,お話ししていきます。

 なお,(1)以降で述べる出題数等は20年度試験のものです。21年度試験で多少の変更がなされる可能性はあります。

(1)出題内容・出題数
 まず,出題内容と出題数を見てみましょう。


(法令等の出題内容・出題数)
  基礎法学  5肢択一式→2問  
憲法        5肢択一式→5問      多肢選択式→1問 
行政法     5肢択一式→19問     多肢選択式→2問       記述式→1問
民法        5肢択一式→9問                                      記述式→2問
会社法     5肢択一式→4問  
商法        5肢択一式→1問  
 5肢択一式とは,5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶものです。
 多肢選択式とは,文章中に4種類の穴があり,それぞれにあてはまるものを20個の選択肢の中から選ぶものです。
 記述式とは,設問に対し,1問当たり40字前後の文章で答えるものです。


 

「はじめて行政書士 民法」 
植杉伸介著
住宅新報社刊
定価1995円(本体1900円)

 

33 損害賠償額の予定
 債務不履行により損害が発生すれば、損害賠償を請求できますが、その額をめぐって争いが起きることがしばしば見られます。被害者である債権者は、少しでも多くの賠償を受けようとし、加害者である債務者はできるだけ賠償額を低くしたいと思うからです。

 賠償額に関する争いは、最終的には裁判で決着をつけるしかありません。しかし、裁判というものは時間がかかりますし、素人が独力でこなすのは難しいので、弁護士に依頼するなどの費用もかかります。裁判で争うことは、両当事者にとってマイナスの面があるわけです。

 そこで、このようなマイナス面を避けるために、あらかじめ当事者間で損害賠償額を決めておくことができます。これを、「損害賠償額の予定」といいます。

 損害賠償額の予定は、とにかく当事者が決めた額で決着させて、よけいな争いを避けるために行うものですから、現実に発生した損害の額によって影響されることはありません。

アーカイブ