行政書士直前対策 民法記述式 予想問題と解説4 小川多聞

4 保証債務
 次に,債権法の分野から保証に関する出題です。

問題4
BがAに対して負担する債務についてCが保証人となった。Aは,Bに対して再三弁済の請求をしたが,Bは言を左右にして弁済をしてくれない。そこで,Aは保証人Cに対して,債務の弁済を請求してきた。Cは,債務者Bの財産につき執行するよう抗弁したいが,それはどのような要件のもとに可能か。40字程度で記述しなさい。

 解説
(1)保証債務の性質
 保証人は,主たる債務者がその債務を履行しないときに,その履行をする責任を負う(民法446条1項)。
 保証債務は人的担保とされ,主たる債務の弁済を担保する機能をもつものです。そこで,保証債務は,以下のような性質があります。

ア 付従性
 保証債務は,主たる債務が成立しなければ成立せず,主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅し,その内容は主たる債務より重くなることはありません。

イ 随伴性
 主たる債務の債権者が変更するとき(債権譲渡),保証債務は主たる債務とともに移転します。

ウ 補充性
 保証債務は,主たる債務が履行されないときにはじめて履行しなければならなくなります。

(2)保証債務の補充性
 保証債務の補充性から,次の2つの抗弁権が認められます。

(ア)催告の抗弁権
 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは,保証人は,まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし,主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき,又はその行方が知れないときは,この限りでない(452条)。
 ただし,この抗弁権は,口頭での催告も可能とされ,それほど強力な効力は有しないとされています。

(イ)検索の抗弁権
 債権者が主たる債務者に催告をした後であっても,保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明したときは,債権者は,まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない(453条)。

 本問は,この検索の抗弁権の提出要件を記載することになります。

解答例
保証人Cが主たる債務者Bに弁済をする資力があり,かつ,執行が容易であることを証明すること。(45字)


 「弁済をする資力」に関しては,「債務者が容易に執行できる若干の財産を有していることを証明すればよく,その財産によって得られる弁済が債権全額に及ぶことを証明する必要はない」(大判昭8.6.13)という判例があります。
催告の抗弁権や検索の抗弁権が行使されたにもかかわらず,債権者が催告または執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは,保証人は,債権者が直ちに催告または執行をすれば弁済を得ることができた限度において,その義務を免れることができます(455条)。

 ただし,連帯保証には,補充性がなく両抗弁権もありません(454条)。

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