地方自治法等
「行政組織法」の分野からの出題は,地方自治法から4問,国家公務員法から1問,国家行政組織法および内閣府設置法から1問の計6問であった。
地方自治法については,地方自治の諸原則等に係る地方自治法の条文内容,監査制度,一部事務組合および住民監査請求に関する問題が出題されたが,いずれも,条文知識さえあれば容易に正解を導くことのできる問題であったと思われる。
また,国家公務員法や内閣府設置法など,従来の出題範囲とは異なる法律からの出題もあったが,いずれも,細部にわたる条文知識や応用力が問われるものではなく,行政組織法に関する基礎的な知識と社会常識の範囲内で十分に正答が可能なものであったと思われる。
いずれにせよ,今年度の「行政組織法」の分野からの出題は,難易度が低く設定されており,とりこぼすことのないようにしておきたい分野であるといえる。
民 法
民法の択一問題の出題数は9問であり(問題27から問題35まで),そのうちの7問(問題28から問題33までと,問題35)は,選択肢の組合せ問題である。また,判例からの出題が非常に多く,読むのが嫌になるような長文の問題(問題28)や,最高裁判所の判決文の一節をテーマにした問題(問題33)もあった。
そして,比較的短い文章の問題であっても,内容的に細かい点を出題しているために,難解な問題となっているものもあった。たとえば,根抵当権に関する出題(問題29)や,連帯債務の免除に関する出題(問題31)である。
また,民法全体の体系的理解が必要な複合問題が多いのも,特徴の1つである。たとえば,問題27では,代理に関する出題の中で,親権者と子の利益相反行為についても出題している。
問題30は,催告をテーマにして,さまざまな分野から出題しており,問題32も,費用の償還をテーマにして,さまざまな分野から出題している。
不法行為に関する出題(問題34)においても,さまざまな種類の不法行為について出題している。
全体的には,事例分析力や体系的理解力を必要とする難問が多いといえるであろう。
問題36から問題40までは商法の問題であり,問題36が商行為法,問題37から問題40までが会社法である。難易度は例年並みといったところであろう。
問題36は,商行為法の売買に関する問題である。商行為法の勉強をするのであれば当然に勉強しなければならない「定期売買の履行遅滞による解除」「売主の自助売却権」「買主の検査通知義務」の問題であり,素直な問題である。民法と同時に勉強すべきであろう。
問題37は,株式会社において,定款で定めることができるか否かの問題であり,正確に知識を整理していなければならないが,正解肢の3は比較的やさしいものであった。
問題38は,株主名簿の問題であり,組合せ問題であったが,比較的やさしい問題であったと思われる。
問題39は,事業譲渡に関する問題であり,あまり勉強しない部分であろう。肢4か5までは絞れるが,オが妥当でないと判断するのは難しい。
問題40は,取締役の選任・解任の問題であり,やさしい問題であった。

