「行政書士試験再現問題と解説」出題傾向の分析3 

一般知識等

 本年度の一般知識は,昨年度に比べおのおのの問題の難易度はやさしかったといえる。ただし,社会系が従来の6問から7問と1問増え,逆に個人情報保護・情報通信が5問から4問と1問減ったのが,大きな特徴であった。

 もっとも,この出題数の変化が今年だけなのか,今後も続くのかは慎重に見極める必要があるが,社会系に重点が置かれたと考えるよりも,従来の「政治・経済・社会」という枠組みではなく,一般知識が「行政書士業務との関連」であるという基本的な視点で捉え直すことのほうが,より重要と考えられる。

 一般知識の14問の出題の内訳を整理すると,「政治・3問」「経済・1問」「社会・3問」の計7問。「個人情報保護・情報通信」は「個人情報保護・1問」「情報通信・3問」の計4問。「文章理解」は例年どおり3問の出題であった。社会系の7問,個人情報保護・情報通信が4問といった出題数の変化は,おのおのの問題が昨年よりもやさしかった反面,より幅広い知識が問われたといえる。

 したがって,本年度の一般知識では,例年のような難問はなく,問題48(行政改革),問題49(教育制度),問題59(要旨把握)以外の11問は十分正解できた問題であったといえる。一般知識の足切り点に,どれだけ上乗せできたかが法令との合計での最終的な合否に関係してくるといえるのではないだろうか。

 本年度の傾向としては,出題科目の増減よりも,教育制度や生活保護,インターネット利用時の青少年との関連など,現在の社会全体の流れや問題点といった時事的な要素と,行政書士業務との関連を意識していれば十分対応できる内容であった。そうした意味では,文章理解の「アスペルガー」や「土木」についての内容も,示唆に富んだ文章であったと考えることもできるのではないだろうか。

多肢選択式

 問題41は,問題の素材とされている判決文を読んだことがなかったとしても,文章の流れに沿って語句を選んでいけば,容易に解答できる問題であった。
 問題42は,行政罰に関する問題である。自信をもって解答できた問題のひとつだろう。
 問題43は,行政裁量に関する問題で,難問である。

記述式
 記述問題の問44は,取消し判決の拘束力を問う良問であった。
 民法の記述式問題のうち,問題45は事例分析力を試す問題,問題46は判例の理解・記憶の正確性を試す問題であった。

 問題45は,保証債務の履行に基づく求償権について保証がされている事例であり,1つの事例に2つの保証契約が存在している。誰のどのような債務を誰が保証しているのかを,図を書くなどしてきちんと分析することが必要である。

 問題46は,民法177条の第三者の範囲についての問題である。判例の内容を正確に記述できるかどうかが得点を左右する。重要なフレーズを正確に記述することが求められる点で,前年度の信頼関係理論に関する問題(平成20年問題45)と共通している。

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