「行政書士試験再現問題と解説」本試験問題と解答・解説 7

問題7 衆議院と参議院の議決に一致がみられない状況において,クローズアップされてくるのが両院協議会の存在である。日本国憲法の定めによると,両院協議会を必ずしも開かなくてもよいとされている場合は,次のうちどれか。

1 衆議院が先議した予算について参議院が異なった議決を行った場合
2 内閣総理大臣の指名について衆参両院が異なった議決を行った場合
3 衆議院で可決された法律案を参議院が否決した場合
4 衆議院が承認した条約を参議院が承認しない場合
5 参議院が承認した条約を衆議院が承認しない場合

問題7 正解 3
1 両院協議会を必ず開かなければならない。憲法60条2項は,「予算について,参議院で衆議院と異なった議決をした場合に,法律の定めるところにより,両院協議会を開いても意見が一致しないとき」と規定しており,両院協議会の開催は必要的とされている。

2 両院協議会を必ず開かなければならない。憲法67条2項は,「衆議院と参議院が異なった指名の議決をした場合に,法律の定めるところにより,両院協議会を開いても意見が一致しないとき」と規定しており,両院協議会の開催は必要的とされている。

3 両院協議会を必ずしも開かなくてもよく,正解。憲法59条3項は,法律案を衆議院が可決し,参議院でこれと異なった議決をした場合について,「衆議院が,両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない」としており,法律案の場合,両院協議会の開催は任意的である。

4 両院協議会を必ず開かなければならない。条約の締結に必要な国会の承認については,肢1で示した予算に関する憲法60条2項の規定が準用されている(憲法61条)。したがって,予算の場合と同じく,両院協議会の開催は必要的である。

5 両院協議会を必ず開かなければならない。予算は,必ず衆議院で先議されるが(60条1項),この規定は条約には準用されていないので,参議院が先に条約の承認決議を行い,これを衆議院が承認しないということもある。この場合も衆議院と参議院で異なった議決をしたことには変わりはないから,肢4の場合と同じく,両院協議会を開かなければならない(61条,60条2項)。