2010年2月アーカイブ

問題36 商人間の取引に関する次の記述のうち,妥当でないものはどれか。

1 A株式会社は,輸入業者Bとの間で牛肉の売買契約を締結し,Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会った。4ヶ月後に,当該牛肉に狂牛病の可能性のある危険部位があることが分かったため,直ちにBに通知した。この場合に,AはBに対して売買契約の解除,代金の減額または損害賠償を請求することができる。

2 A株式会社は,輸入業者Bとの間でコーヒー豆の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者はコーヒー豆の納入に立ち会い,数量の確認および品質の検査を行った。その際,コーヒー豆の品質の劣化を認識していたが,Bに直ちには通知しなかった。この場合に,AはBに対して売買契約の解除,代金の減額または損害賠償を請求することができない。

3 A株式会社は,輸入業者Bとの間でチューリップの球根の売買契約を締結した。Aの仕入れ担当者が引渡しに立ち会ったところ,球根の種類が予定していたものと異なっていた。そこで,Aは直ちに売買契約の解除をBに通知した。Bの営業所が同一市内にあったため,Bが引き取りに来るまでの間,Aは球根を放置していたところ,発芽し,売り物には適さないものになったが,Aには責任はない。

4 A株式会社は,輸入業者Bとの間でバナナの売買契約を締結した。履行期日になったが,Aの加工工場でストライキが起こり,Aは期日にバナナを受領することができなかった。そこでBは,Aへの催告なしに,そのバナナを競売に付し,競売の代金をバナナの代金に充当したが,これについて,Bに責任はない。

5 A株式会社は,輸入業者Bとの間でクリスマス商品の売買契約を締結したが,輸出国の工場での製造工程にトラブルが生じ,商品の製造が遅れたため,納入がクリスマスに間に合わなかった。Aが,Bに対して契約の解除等何らの意向を示さずに,Bからの度重なる連絡を無視し続けた場合,クリスマス商品の受領を拒むことはできない。
問題35 相続欠格と相続人の廃除に関する次のア~オの記述のうち,妥当なものの組合せはどれか。

ア 相続欠格においては,その対象者となりうるのは全ての推定相続人であるが,相続人の廃除においては,その対象者となるのは遺留分を有する推定相続人に限られる。

イ 相続欠格においては,その効果は一定の欠格事由があれば法律上当然に生ずるが,相続人の廃除においては,その効果は被相続人からの廃除請求による家庭裁判所の審判の確定によって生ずる。

ウ 相続欠格においては,被相続人および同順位相続人は欠格の宥恕をすることができるが,相続人の廃除においては,被相続人は審判確定後は家庭裁判所にその取消しを請求することはできない。

エ 相続欠格においては,被相続人の子が欠格者となった場合には,欠格者の子は代襲相続人となることができないが,相続人の廃除においては,被相続人の子について廃除が確定した場合でも,被廃除者の子は代襲相続人となることができる。

オ 相続欠格においては,その効果としてすべての相続にかかわる相続能力が否定されるが,相続人の廃除においては,その効果として廃除を請求した被相続人に対する相続権のみが否定される。

1 ア・イ  2 ア・ウ  3 イ・エ     4 ウ・オ  5 エ・オ
問題34 不法行為の成立に関する次の記述のうち,民法の規定および判例に照らし,妥当なものはどれか。

1 鍵が掛けられていた,他人の自転車を盗んだ者が,その自転車を運転している最中に不注意な運転により第三者に怪我を負わせてしまった場合,自転車の所有者は,第三者に対して不法行為責任を負う。

2 責任能力を有する未成年者が不法行為をなした場合,親権者の未成年者に対して及ぼしうる影響力が限定的で,かつ親権者において未成年者が不法行為をなすことを予測し得る事情がないときには,親権者は,被害者に対して不法行為責任を負わない。

3 飲食店の店員が出前に自動車で行く途中で他の自動車の運転手と口論となり,ついには同人に暴力行為を働いてしまった場合には,事業の執行につき加えた損害に該当せず,店員の使用者は,使用者責任を負わない。

4 請負人がその仕事について第三者に損害を与えてしまった場合,注文者と請負人の間には使用関係が認められるので,注文者は,原則として第三者に対して使用者責任を負う。

5 借家の塀が倒れて通行人が怪我をした場合,塀の占有者である借家人は通行人に対して無過失責任を負うが,塀を直接占有していない所有者が責任を負うことはない。
問題33 次の文章は,最高裁判所の判決文の一節であるが,文中の空欄ア~ウに入る語句の組合せとして,正しいものはどれか。

「賃貸人の承諾のある転貸借においては,転借人が目的物の使用収益につき賃貸人に対抗し得る権原(転借権)を有することが重要であり,転貸人が,自らの債務不履行により賃貸借契約を解除され,転借人が転借権を賃貸人に対抗し得ない事態を招くことは,転借人に対して目的物を使用収益させる債務の履行を怠るものにほかならない。

そして,賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合において,賃貸人が転借人に対して直接目的物の返還を請求したときは,転借人は賃貸人に対し,目的物の返還義務を負うとともに,遅くとも右返還請求を受けた時点から返還義務を履行するまでの間の目的物の使用収益について,不法行為による損害賠償義務又は不当利得返還義務を免れないこととなる。

他方,賃貸人が転借人に直接目的物の返還を請求するに至った以上,転貸人が賃貸人との間で再び賃貸借契約を締結するなどして,転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回復することは,もはや期待し得ないものというほかなく,アのイに対する債務は,社会通念及び取引通念に照らしてウというべきである。

したがって,賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合,賃貸人の承諾のある転貸借は,原則として,賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に,アのイに対する債務のウにより終了すると解するのが相当である。」
(最三小判平成9年2月25日民集51巻2号398頁以下)

   ア     イ      ウ
1 転貸人   転借人   不完全履行
2 転貸人   賃貸人   履行不能
3 賃貸人   転貸人   履行遅滞
4 賃貸人   転借人   履行遅滞
5 転貸人   転借人   履行不能
問題32 他人の財産に対する費用の支出とその償還請求に関する次のア~オの記述のうち,民法の規定および判例に照らし,妥当でないものの組合せはどれか。

ア A・B間の家屋売買契約が解除されても,買主Aは解除前に支出した有益費の償還を受けるまで家屋を留置することができるが,Aは,留置中にこれを使用することにより,法律上の原因なく利得することとなるから,その利得を不当利得として返還する義務がある。

イ Aは,Bに対して自己が所有する土地を売り渡したが,この売買契約と同時に買戻しの特約をしていた場合において,Aが買戻権を行使したときは,この売買契約成立後Aが買戻権を行使するまでにBがその土地につき必要費を支出していたとしても,Bは,Aに対してこの費用の償還請求をすることができない。

ウ Aは,Bから建物を賃借して居住し,その間に同建物につき有益費を支出したが,その後に,B・C間で賃貸人たる地位の移転が生じた場合に,Aは,原則としてBに対しては有益費の償還を請求することができない。

エ Aは,Bに対して自己が所有する建物を賃貸していたが,Bが有益費を支出して同建物に増築部分を付加して同建物と一体とした場合において,後にその増築部分が隣家の火災により類焼して失われたときにも,Bは,Aに対して増築部分につき有益費の償還請求をすることができる。

オ Aは,Bと寄託契約に基づき受寄物を保管していたが,保管事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは,Bに対し,その費用および支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。

1 ア・ウ  2 ア・エ  3 イ・エ     4 イ・オ  5 ウ・オ

問題31 A,B,C三人がDに対して60万円の連帯債務を負っている場合に関する次のア~オの記述のうち,妥当でないものの組合せはどれか。

ア AがDに60万円を弁済した場合に,A,B,C三人の負担部分が平等であるときは,Aは,B,Cに20万円ずつ求償できるが,もしCが無資力のときは,Bに対して30万円の求償をすることができる。

イ AがDに60万円を弁済した場合に,A,B,Cの負担部分が1:1:0であり(Cには負担部分がない),また,Bが無資力のときは,Aは,B,Cに20万円ずつ求償することができる。

ウ DがAに対して60万円の債務を免除した場合に,A,B,C三人の負担部分が平等であるときは,B,Cは,40万円ずつの連帯債務を負うことになる。

エ DがAに対して連帯の免除をした場合に,A,B,C三人の負担部分が平等であったときは,Aは,20万円の分割債務を負い,B,Cは,40万円ずつの連帯債務を負うことになる。

オ A,B,C三人の負担部分が平等である事情の下で,DがAに対して連帯の免除をした場合に,Bが債務全額を弁済したときに,もしCが無資力であったとすると,Cが弁済することができない部分のうちAが負担すべき10万円はDが負担する。

1 ア・イ  2 ア・ウ  3 イ・エ  4 ウ・エ  5 ウ・オ

問題30 催告に関する次のア~オの各事例のうち,民法の規定および判例に照らし,正しいものの組合せはどれか。

ア Aは成年被保佐人であるBとの間で,Bの所有する不動産を購入する契約を締結したが,後日Bが制限行為能力者であることを知った。Aは,1ヶ月以上の期間を定めて,Bに対して保佐人の追認を得るべき旨を催告したが,所定の期間を過ぎても追認を得た旨の通知がない。この場合,その行為は追認されたものとみなされる。

イ CはDとの間で,C所有の自動車を,代金後払い,代金額150万円の約定でDに売却する契約を締結した。Cは自動車の引き渡しを完了したが,代金支払期日を経過してもDからの代金の支払いがない。そこでCはDに対して相当の期間を定めて代金を支払うよう催告したが,期日までに代金の支払いがない。この場合,C・D間の売買契約は法律上当然に効力を失う。

ウ Eは知人FがGより100万円の融資を受けるにあたり,保証(単純保証)する旨を約した。弁済期後,GはいきなりEに対して保証債務の履行を求めてきたので,Eはまずは主たる債務者に催告するよう請求した。ところがGがFに催告したときにはFの資産状況が悪化しており,GはFから全額の弁済を受けることができなかった。この場合,EはGが直ちにFに催告していれば弁済を受けられた限度で保証債務の履行を免れることができる。

エ Hは甲建物を抵当権の実行による競売により買い受けたが,甲建物には,抵当権設定後に従前の所有者より賃借したIが居住している。HはIに対し,相当の期間を定めて甲建物の賃料1ヶ月分以上の支払いを催告したが,期間経過後もIが賃料を支払わない場合には,Hは買受け後6ヶ月を経過した後,Iに対して建物の明け渡しを求めることができる。

オ Jは,自己の所有する乙土地を,その死後,世話になった友人Kに無償で与える旨の内容を含む遺言書を作成した。Jの死後,遺言の内容が明らかになり,Jの相続人らはKに対して相当の期間を定めてこの遺贈を承認するか放棄するかを知らせて欲しいと催告したが,Kからは期間内に返答がない。この場合,Kは遺贈を承認したものとみなされる。

1 ア・イ  2 ア・ウ  3 イ・エ  4 ウ・オ  5 エ・オ
問題29 Aに対して債務を負うBは,Aのために,自己が所有する土地に抵当権を設定した(他に抵当権者は存在しない)。この場合における抵当権の消滅に関する次のア~オの記述のうち,民法の規定および判例に照らし,妥当なものの組合せはどれか。

ア Aの抵当権が根抵当権である場合において,Bが破産手続開始の決定を受けたときは,被担保債権は確定して満足し,根抵当権は確定的に消滅する。

イ Aの抵当権が根抵当権である場合において,元本が確定した後に,Bから土地の所有権を取得したCが,極度額に相当する金額をAに支払い,根抵当権の消滅請求をしたときは,確定した被担保債権の額が極度額を超えていたとしても,Aの根抵当権は,確定的に消滅する。

ウ BがAに対し,残存元本に加えて,最後の2年分の利息および遅延損害金を支払った場合には,Aの抵当権は,確定的に消滅する。

エ 第三者Cが,土地の所有権を時効によって取得した場合には,Aの抵当権は,確定的に消滅する。

オ 第三者Cが,BのAに対する債務の全額を弁済し,その弁済と同時にAの承諾を得ていた場合には,CはAに代位することができるが,抵当権は,確定的に消滅する。

1 ア・ウ  2 ア・エ  3 イ・エ  4 イ・オ  5 ウ・オ

問題28 時効に関する次のA~Eの各相談に関して,民法の規定および判例に照らし,「できます」と回答しうるものの組合せはどれか。

Aの相談:「私は13年前,知人の債務を物上保証するため,私の所有する土地・建物に抵当権を設定しました。知人のこの債務は弁済期から11年が経過していますが,債権者は,4年前に知人が債務を承認していることを理由に,時効は完成していないと主張しています。民法によれば,時効の中断は当事者及びその承継人の間においてのみその効力を有するとありますが,私は時効の完成を主張して抵当権の抹消を請求できますか。」

Bの相談:「私は築25年のアパートを賃借して暮らしています。このアパートは賃貸人の先代が誤って甲氏の所有地を自己所有地と認識して建ててしまったものですが,これまで特に紛争になることもなく現在に至っています。このたび,甲氏の相続人である乙氏が,一連の事情説明とともにアパートからの立ち退きを求めてきました。私は賃貸人が敷地の土地を時効取得したと主張して立ち退きを拒否できますか。」

Cの相談:「30年程前に私の祖父が亡くなりました。祖父は唯一の遺産であった自宅の土地・建物を祖父の知人に遺贈したため,相続人であった私の父は直ちに遺留分を主張して,当該土地・建物についての共有持分が認められたのですが,その登記をしないまま今日に至っています。このたび父が亡くなり,父を単独相続した私が先方に共有持分についての登記への協力を求めたところ,20年以上経過しているので時効だといって応じてもらえません。私は移転登記を求めることはできますか。」

Dの相談:「私は他人にお金を貸し,その担保として債務者の所有する土地・建物に2番抵当権の設定を受けています。このたび,1番抵当権の被担保債権が消滅時効にかかったことがわかったのですが,私は,私の貸金債権の弁済期が到来していない現時点において,この事実を主張して,私の抵当権の順位を繰り上げてもらうことができますか。」

Eの相談:「叔父は7年ほど前に重度の認知症になり後見開始の審判を受けました。配偶者である叔母が後見人となっていたところ,今年2月10日にこの叔母が急逝し,同年6月10日に甥の私が後見人に選任されました。就任後調べたところ,叔父が以前に他人に貸し付けた300万円の債権が10年前の6月1日に弁済期を迎えた後,未回収のまま放置されていることを知り,あわてて本年6月20日に返済を求めましたが,先方はすでに時効期間が満了していることを理由に応じてくれません。この債権について返還を求めることができますか。」

1 Aの相談とBの相談
2 Aの相談とCの相談
3 Bの相談とDの相談
4 Cの相談とEの相談
5 Dの相談とEの相談

 

問題27 代理に関する次の記述のうち,民法の規定および判例に照らし,妥当なものはどれか。

1 Aは留守中の財産の管理につき単に妻Bに任せるといって海外へ単身赴任したところ,BがAの現金をA名義の定期預金としたときは,代理権の範囲外の行為に当たり,その効果はAに帰属しない。

2 未成年者Aが相続により建物を取得した後に,Aの法定代理人である母Bが,自分が金融業者Cから金銭を借りる際に,Aを代理して行ったCとの間の当該建物への抵当権設定契約は,自己契約に該当しないので,その効果はAに帰属する。

3 A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが,自らその買主となった場合に,そのままBが移転登記を済ませてしまったときには,AB間の売買契約について,Aに効果が帰属する。

4 建物を購入する代理権をAから与えられたBが,Cから建物を買った場合に,Bが未成年者であったときでも,Aは,Bの未成年であることを理由にした売買契約の取消しをCに主張することはできない。

5 Aの代理人Bが,Cを騙してC所有の建物を安い値で買った場合,AがBの欺罔行為につき善意無過失であったときには,B自身の欺罔行為なので,CはBの詐欺を理由にした売買契約の取消しをAに主張することはできない。

 

問題26 国の行政組織に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1 国家行政組織法は,内閣府を含む内閣の統轄の下における行政機関の組織の基準を定める法律である。

2 内閣府は,内閣に置かれる行政機関であって,その長は内閣総理大臣である。

3 省には外局として,委員会及び庁が置かれるが,内閣府にはそのような外局は置かれない。

4 各省および内閣府には,必置の機関として事務次官を置くほか,内閣が必要と認めるときは,閣議決定により副大臣を置くことができる。

5 内閣は,政令を制定するほか,内閣府の所掌事務について,内閣府の命令として内閣府令を発する権限を有する。

 

問題25 国家公務員についての次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 国家公務員には,一般職と特別職があるが,国家公務員法は,両者に等しく適用される。

2 独立行政法人は,国とは独立した法人であるから,その職員が国家公務員法上の公務員としての地位を有することはない。

3 その不法行為について国が国家賠償法1条1項により賠償責任を負うのは,国家公務員法上の公務員に限られる。

4 国家公務員の懲戒免職は,行政処分であると解されており,行政不服審査法による不服申立ての対象となる。

5 国家公務員の人事行政に関する各種の事務をつかさどるため,総務省の外局として人事院が設置されている。

 

 

問題24 住民監査請求についての次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 住民監査請求をすることができる者は,当該地方公共団体の住民に限られ,それ以外の者が請求することは認められていない。

2 住民監査請求の対象は,公金の支出などの地方公共団体の職員等の作為に限られ,公金の賦課徴収を怠るなどの不作為は,対象とならない。

3 地方公共団体の長の行為についての住民監査請求は,長に対してすべきこととなるが,長は,監査委員の意見を聴いて,監査結果を通知すべきこととされている。

4 住民監査請求によって請求できる内容は,当該行為の差止めなど,法定された4類型に限定されている。

5 監査結果などに不服がある場合は,請求人に限らず,何人もこれに対する住民訴訟を提起することが認められている。

 

問題23 一部事務組合についての次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 一部事務組合は,地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するために設ける組織であるが,その例としては,土地区画整理組合,市街地再開発組合などがある。

2 市町村や特別区は,一部事務組合に加入できるが,都道府県は,これに加入することができない。

3 一部事務組合には議会が設置されることはないので,その独自の条例が制定されることもない。

4 地方自治法の定める「地方公共団体の組合」には,一部事務組合のほか,広域連合などがある。

5 一部事務組合自体は,地方公共団体ではないから,その活動について,住民監査請求や住民訴訟が認められることはない。


 

問題22 地方自治法の定める監査制度に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1 戦後,地方自治法が制定された際に,監査委員による監査制度のみならず,外部監査制度についても規定された。

2 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は,当該普通地方公共団体の住民であれば,1人でも行うことができる。

3 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は,当該普通地方公共団体の住民であれば,外国人でも行うことができる。

4 監査委員による監査は,長,議会または住民からの請求があったときのみに行われるため,その請求がなければ監査が行われることはない。

5 監査委員の監査の対象となる事務には,法定受託事務も含まれている。

 

問題21 以下の記述のうち,地方自治法に規定されている内容として,誤っているものはどれか。

1 地方自治法に定める「自治事務」とは,地方公共団体が処理する事務のうち,法定受託事務以外のものをいう。

2 地方公共団体は,その事務を処理するに当たっては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。

3 地方公共団体は,常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに,他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。

4 市町村が当該都道府県の条例に違反して事務を処理した場合には,その市町村の行為は無効とされる。

5 市町村は,その事務を処理するに当たり,当該都道府県知事の認可を得て,総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めなければならない。

 

問題20 権限の不行使と国家賠償責任に関する次の記述のうち,最高裁判所の判例に照らし,誤っているものはどれか。

1 宅地建物取引業法に基づき免許を更新された業者が不正行為により個々の取引関係者に対して被害を負わせたとしても,当該免許制度は業者の人格・資質等を一般的に保証するものとはにわかに解しがたく,免許権者が更新を拒否しなかったことは,被害を受けた者との関係において直ちに国家賠償法1条1項の適用上違法となるものではない。

2 医薬品の副作用による被害が発生した場合であっても,監督権者が当該被害の発生を防止するために監督権限を行使しなかった不作為は,不作為当時の医学的・薬学的知見の下で当該医薬品の有用性が否定されるまでに至っていない場合には,被害を受けた者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法となるものではない。

3 国または公共団体の公務員による規制権限の不行使は,その権限を定めた法令の趣旨,目的や,その権限の性質等に照らし,具体的事情の下において,その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは,その不行使により被害を受けた者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法となる。

4 鉱山労働者を保護するための省令が後に科学的知見に適合しない不十分な内容となったとしても,制定当時の科学的知見に従った適切なものである場合には,省令を改正しないことが,被害を受けた者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法となるものではない。

5 犯罪被害者が公訴の提起によって受ける利益は,公益上の見地に立って行われる公訴の提起によって反射的にもたらされる事実上の利益にすぎず,法律上保護された利益ではないので,検察官の不起訴処分は,犯罪被害者との関係で国家賠償法1条1項の適用上違法となるものではない。

問題19 国家賠償法2条にいう公の営造物に関する次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 公の営造物とは,国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく,公の用に供しているものに限られる。

2 公の営造物の設置又は管理の瑕疵とは,公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが,賠償責任が成立するのは,当該安全性の欠如について過失があった場合に限られる。

3 河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらないが,これに付随する堤防や防波堤は人工公物であり公の営造物に当たるので,賠償責任が成立するのは,堤防等に起因する損害の場合に限られる。

4 公の営造物の管理者と費用負担者とが異なる場合,被害者に対して損害賠償責任を負うのは,費用負担者に限られる。

5 公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは,その利用者に限られる。

問題18 行政事件訴訟法の定める当事者訴訟に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1 当事者間の法律関係を確認しまたは形成する処分に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものは,当事者訴訟である。

2 地方自治法の定める住民訴訟のうち,当該執行機関または職員に対する怠る事実の違法確認請求は,当事者訴訟である。

3 国または公共団体の機関相互間における権限の存否に関する紛争についての訴訟は,公法上の法律関係に関するものであるから,当事者訴訟である。

4 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき,行政庁がその処分をすべき旨を命ずることを求める訴訟は,当事者訴訟である。

5 公職選挙法に定める選挙無効訴訟は,国民の選挙権に関する訴訟であるから,当事者訴訟である。