「行政書士試験再現問題と解説」本試験問題と解答・解説 19

問題19 国家賠償法2条にいう公の営造物に関する次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 公の営造物とは,国や公共団体が所有するすべての物的施設をいうわけではなく,公の用に供しているものに限られる。

2 公の営造物の設置又は管理の瑕疵とは,公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが,賠償責任が成立するのは,当該安全性の欠如について過失があった場合に限られる。

3 河川・海浜等の自然公物は公の営造物に当たらないが,これに付随する堤防や防波堤は人工公物であり公の営造物に当たるので,賠償責任が成立するのは,堤防等に起因する損害の場合に限られる。

4 公の営造物の管理者と費用負担者とが異なる場合,被害者に対して損害賠償責任を負うのは,費用負担者に限られる。

5 公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは,その利用者に限られる。

問題19 正解 1

1 妥当であり正解。公の営造物とは,国や公共団体により特定の公の目的に供されている人的物的施設の総合体をいう。国や公共団体が必ずしも所有している物である必要はなく,「他有公物」も公の営造物となる。

2 妥当でない。国家賠償法2条にいう「瑕疵」は,その営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうが,過失を前提としたものではなく,賠償に当たり無過失責任を認めたものと理解されている。

3 妥当でない。河川・海浜等の自然公物も公の営造物のひとつである(国家賠償法2条1項)。

4 妥当でない。被害者に対して損賠賠償責任を負うのは,設置・管理者と費用負担者の両方である(3条1項)。

5 妥当でない。国家賠償法2条1項には「他人に損害を生じたときは」とある。利用者に限っていない。