住宅新報社・季刊「不動産受験新報」2009年春号
(3月1日発売 定価1155円)
資格開業・不動産実務成功塾
図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
5 不動産業が相続に一番近い
不動産業に携わっていると、「相続」に関わることは少なくありません。
たとえば、管理を委託された大家さんが亡くなるとか、以前から取引のある地主さんが亡くなるとか。「相続」情報はいち早く入ってくると言ってもいいかもしれません。
相続税の申告をしなければならない場合の多くは、不動産を所有する人が亡くなったときです。いわゆる大家さん、地主さんですから、不動産業者が普段から取引のある人だということです。
しかもそうした大家さん、地主さんに一番近いのが不動産業ですから、亡くなったときもいち早く情報が入るだけでなく、不動産の状況は把握できていることでしょう。
しかし、最初に知った相続なのに、現実の仕事になるのは、「相続税の納税のために土地を売却したい」という依頼がきたときではないでしょうか?
相続のタイムスケジュールからすれば、一番最後の仕事になります。その間、不動産業は蚊帳の外、手の出しようがない、ということもあるでしょう。
この現実はなぜなのか、疑問に思ったことはありませんか?
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大きな引き違い窓に
目隠し設置を義務付け
さいたま地裁判決 殿岡秀秋
所有地に3階建て賃貸マンションを建設した被告に対し,同土地の西北側にそれぞれ宅地建物を有する原告たちが,民法235条に基づき同マンションの各階の西北側の窓すべてに目隠しの設置を請求した事案の判決が、平成20年1月にさいたま地裁で出た。
民法235条1項は境界線から1メートル未満の距離において、他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側を設ける者は、 目隠しを付けなければならないと規定している。
同条の趣旨はプライバシーの保護を目的とするとともに,互譲の精神から相隣接する不動産相互の利用関係を調整しようとするものである。
他人の宅地を見通すことのできる窓とは,他人の宅地を観望しようと思えば物理的にいつでも観望できる位置および構造の窓をいう。
判決内容の要旨は次のとおり。
賃貸マンションは3階建て共同住宅であり 戸数は12戸である。この建物には 境界線に面する西北側壁面に,各戸につき4つずつ合計48個の窓 が設置されている。
各戸の4つの窓は それぞれ居間兼食堂,台所,洗面所脱衣室,浴室に設置されており,いずれも隣接する宅地建物との境界線との距離は1メートル未満である。
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図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
13 企業ビジネスとしての管理業務元祖
家作差配(貸家管理)業務は、明治初期ごろまでは主として個人の“生業レベル”で営まれていたようですが、同中期になると、企業規模のビジネスとして行われるようにもなったようで、その事例に、神戸市の帝国信栄という会社があります。
1893(明治26)年創業で、実に1世紀以上の歴史を有し、1943(昭和18)年版「営業案内」の創業事情は次のとおりです(原文のまま)。
「当社は明治26年の創業でありまして、わが邦土地家屋の管理業として最も古く、……実に本邦土地家屋管理業の元祖と謂われて居るものであります。今より50年前の神戸と云へば、所謂新開の都市でありまして、その新興の神戸を目指して全国より集って来る多数の移住者等は貸家を探すのが中々の苦労だったのであります。
又一方地主や家主の側から申しましても多数の需要者がありながら敏速に貸付け確実に地代家賃を取り立てると云ふことは相当困難なものでありました。
茲に於てこれ等需給関係の調和を計ることは神戸市の発展上からも最も緊要のことであると云ふので有志間に適当な機関の必要を唱えられるようになったのであります。当社はこれ等の与論が動機となって土地家屋の管理業を創始したのであります」
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図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
3 相続コーディネートとは
ご紹介した二つの事例をきっかけとして相続に取り組んできましたが、この取組みは、「相続をコーディネートする」ことだと位置づけています。
相続のコーディネートとは、「亡くなってから、申告、納税まで、さらには次の相続対策まで」という相続の最初から最後までをサポートすることだといえます。
「申告、納税、さらには次の相続対策までといった相続のストーリーを描くこと」が、成功への第一歩となります。
そのストーリーを提案し、専門家をまとめて相続を成功へ導くことが「相続コーディネート」なのです。
そして相続を仕上げるために専門家が案やノウハウを提供しあい、相続人も含めて一つのチームとなって成果を出すことに全力を尽くすのです。こうした協力体制が取れたとすれば、いい成果が出せるはずです。
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物件検索後64.6%が
不動産会社に問合せ
情報サイト連絡協調べ 殿岡秀秋
インタネットで不動産物件を検索した後で、64.6%のユーザーが実際に不動産会社に問い合わせをしている。
これは不動産情報サイト事業者連絡協議会の「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の結果わかったものである。
物件検索後の問合せ率は、不動産市場の停滞を反映して前年の2007年に比べて3.1ポイント低下した。
問い合わせた不動産会社の数は2社が最も多く、24.6%、次いで3社が23.5%となっている。
問い合わせの形態としては、メールでの問合せが前年比3ポイント増えて72.4%になった。一方、電話での問合せは5.5ポイント減って、51.8%になった。
問合せ後に不動産会社を実際に訪問した人は、73.8%だった。メールよりも電話した人の方が訪問率は高かった。
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図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
第1章 相続コーディネートに取り組むためのポイント
1 相続に取り組んだきっかけはこうだった
私が相続に関わるようになったのは、平成4年のこと。管理を委託されたアパートの大家さんが亡くなったときです。相続を知るためのいい機会だと思い、最初からお手伝いをしてみました。
大家さんの財産は、1000坪の土地に自宅やアパート、貸家があり、不動産がほとんどです。
相続税の申告を依頼した税理士は不動産のことはまったく知識がなく、遺産分割や相続税の納税資金の捻出はこちらが提案しました。また、現金がほとんどないので少しでも相続税を安くできないか、税理士に何度も掛け合いました。
結果、相続税は最初に税理士の試算した3000万円が1900万円になったのです。宅地を各相続人に分けて分筆、私道も分筆するなどで土地の評価を下げたことが成果となりました。
それでも土地を売却しなければ納税できません。空き地もないため、古い貸家2軒に明渡し交渉をしました。幸い理解を得ることができ、納税の期限前に土地の売却が完了し、売買代金で相続税を納税することができたのです。
このときに気づいたことは、
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図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
11 金融業と兼営で始発し発展
明治維新前には苗字帯刀を許されていた山梨の豪農・駒沢傳吉さんは、1900(明治33)年に資産を処分して北海道へ渡り、釧路銀行を設立。この銀行は北海道の鉄道事業で政府の支払銀行に指定されたりして発展し、また、その組織内の不動産部門も現地で活動していました。
大正はじめ、東京に移り、商号を光正銀行に、さらには駒沢銀行に改めました(この間、本店を浜町から本郷弓町、さらに神田須田町に移していました)。
1928(昭和3)年の全国小銀行統合改組のとき、銀行業務を第一銀行(当時)に譲渡し、従来の付帯部門の不動産業を本業として、商号も光正不動産と改めました。
だが、銀行はやめても金融業は小規模にしながらも続けることとし、金融―不動産両業務の連携で事業を発展させてきました。現在の本店は内神田に移っています。
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礼金返還請求を棄却
賃料の前払いの性質
京都地裁9月30日判決 殿岡秀秋
礼金は一方的に強制された根拠のない金銭であり、消費者契約法に違反するとの借主の礼金返還請求を棄却する判決があった。
これは京都地裁で、今年9月30日、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するとの事情は認められない」という判断が出たものである。
借主は平成2004年3月、賃料6万1千円、礼金18万円、更新料2か月分などを条件に、京都市内の物件について貸主と1年間の賃貸借契約を締結した。
契約書には「借主は礼金の返還を求めることはできない」旨の約定があった。
借主は約7か月後に退去した。礼金の返還を求めて簡易裁判所に提訴したが棄却され、京都地裁に控訴したものである。
京都地裁の判断の要点は以下の通り。
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図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
9 不動産業者のルーツ ― 2
●職業紹介業からの派生――江戸時代から「丁稚・小僧、人夫、女中など」のあっせんをする「口入屋・桂庵」と呼ばれる、民間の“職業紹介業者”がいましたが、これらの業者で“職業の紹介”のほかに、副業として“土地建物の紹介”をする人々があり、その副業部分が発展しての不動産業者もあったといわれています。
戦前からの業者で不動産業者の長老の人から、“二枚鑑札の業者”という言葉を聞いたことがあります。「鑑札」とは「営業許可証」のことで、ここでいう“二枚”とは、「職業紹介」と「不動産紹介」の二枚の許可証ということです。
1926(昭和元)年12月警視庁(東京)令紹介営業取締規則施行細則には、同細則の適用の「紹介業者」を「左ニ該当スル者ノ紹介ヲ為ス者」としています。「1.芸妓、娼妓、酌婦又ハ之ニ類スル者、2.里子、3.結婚者、4.不動産ノ売買又ハ貸借者」。「職業紹介」と「不動産紹介」が同居しており、両者の近接性を示しています。
"「不動産業の歴史入門」4 蒲池紀生" の続はこちらから
ここがポイント!
第4章のまとめ
●「わかる」とは、テキストに新しく出てきた事柄が、今まであなたが持っていた知識の枠組みの中に、矛盾なく納まったときのことをいいます。
この場合「なるほど」「合点がいく」「納得!」という感情が起こります。
●反対に、「わからない」とは、新しい知識と古い知識との折り合いがつかない状態です。たとえば、「いままでの自分の常識に照らして納得がいかない」場合など。
また、自分の中に、新しい知識と関連する知識がまったく蓄えられていないので、どう整理していいか迷ってしまう。そういう場合も、「わからない」となります。
具体例で考えてみましょう。建築基準法の建築確認についてです。
"「不動産資格驚きの勉強法」 4 高島徹治" の続はこちらから