マンション調査2(新耐震マンション) 津村重行
仲介のためのマンション調査入門2
新耐震マンションの調べ方
買主の自己責任は情報開示から
(3)分譲主が自転車操業!
(4)瑕疵担保保険契約の義務化!
(5)耐震偽装関係建物が789棟!
(3)分譲主が自転車操業!
平成17年11月17日、国土交通省が公表したことから端を発した耐震偽装事件においては、発覚後すぐに"倒産"の意思表明をした会社もあります。
平成17年の倒産件数は前年の2倍近い
ビジネスビルの注文者の中には、「1ヶ月毎に出来高払いをする」という方式で契約をする人さえいます。
最近では、企業の財務情報はインターネットで入手することもできます。
また、不動産免許更新の際に都道府県に提出している決算報告書や事業実績報告書などを建設・不動産業課で閲覧することができます。
しかし、5年に一度しか更新されないため、最悪5年前の情報になりますが参考にはなります。
決算報告書では、年間売上金額と年間収益の記録、そして、年間取引件数などが分かります。
年間売上金額や年間取引件数は企業の社会的信頼度を示します。
一方、年間収益は会社の経営状況を示します。
「売上高は高いのに収益が殆んどない」「借入金額が売上金額と同等以上」といった場合などは、いわゆる「自転車操業」ですので、注意が必要です。
都道府県の建設・不動産業課で、企業の財務状況をこのように知ることができます。
売主が不動産業者などの場合は、必ず、「不動産会社の登録簿の閲覧をお願いします」と、いって閲覧をすることが大切です。
(4)瑕疵担保保険契約の義務化!
売主または工事請負者は、「住宅の品質確保の促進に関する法律」(以下「品確法」)により、10年の瑕疵修補の責任や損害賠償を負います。
これは、業者に対して「10年間責任を負いなさい」という意味です。
一見すれば、業者の10年保証のように見えますが、"保証する"と"保証できる"とは全く意味が違います。
企業が倒産をすれば保証はできなくなり、消費者は保護されません。
平成18年12月20日、宅建業法の改正をし、瑕疵が発見され売主が責任を履行できない場合、「売主に代わって履行責任を保証する保険契約締結の有無」について、売主や販売業者に対して説明を義務付けました。
ただし、この保険契約の加入は未だ任意。
その後、平成19年5月30日、「瑕疵担保履行確保法」が公布され、平成21年10月1日に施行予定となっています。
したがって、21年秋以降は、保険加入等は義務化され、売主が瑕疵担保の保険加入等をしていない場合は売買契約の締結などをすることはできません。
したがって、売主の「瑕疵保証のための保険契約締結の有無」は重要事項であり、仲介をする上でも、その説明告知をする義務があります。
しかし、瑕疵に関する保証保険の義務化が行われるまでは、売主の経済的信用度が重要な調査事項ということになるでしょう。
(5)耐震偽装関係建物が789棟!
この間の耐震偽装に係わり、しかも、「基準に満たない」と判明した分譲マンションの建築棟数は2007年7月6日現在で48棟も存在し、耐震偽装関係者が関与した建物789棟については現在も調査中のものも数多く残されています。
しかし、顧客が新築マンションを気に入り取引に入りたいという場合、売主や設計者が耐震偽装関係者では困ります。
そこで、国が行政機関に通知を出して、構造計算を再検査している物件かどうかを確かめる必要があります。
再検査の結果、異常があるかどうかが大切です。
主な関係者は、施主・施工・設計者などです。
国土交通省が公表している耐震偽装関係者は、姉歯、ヒューザー、木村、総研、平成設計、田村水落設計、田中テル也構造設計など。
当該マンションが関係した建物であるかどうかは、建築確認通知書を見れば、その2面の「建築主等」の欄に全て記載されているので容易に確かめることができます。
取引を予定している建物が、行政機関によって耐震診断の再計算をしているような場合、最悪、「耐震基準に満たない建築物」という診断結果があり、取引ができなくなる場合があります。
ここで注意すべき点は、どの関係者が関与している建物かということではなく、行政機関が構造計算の再調査をしている最中であるかどうか、そして、耐震基準を満たしているという診断結果があるかどうか、という点です。

