マンション調査入門10(反対運動) 津村重行
仲介のためのマンション調査入門10
10)反対運動が続くマンション分譲!
11)騒音に悩まされるマンション!
12)高圧線が真上のマンション!
10)反対運動が続くマンション分譲!
見渡す限り一戸建て住宅が立ち並ぶ住宅街において、"マンション建設反対"の立て看板がある地域で分譲販売されている!
よく聞きますと、その反対意見は、工事中の地域住民の安全確保や工事中の騒音対策などがありますが、中には、町並みなどの景観が破壊されるから、といったものまで様々です。
殆どの市区町村では、建築確認申請の前に、事前に地元住民に対して建築計画を説明するよう、中高層建築物の条例などで規制をしています。
ですから、建築確認が得られる段階では、分譲主と地域住民との間で話し合いが終了していることが前提となります。
しかし、建築確認申請の前にマンション建設計画を"地元住民に説明する"ことを条件としていますが、多くの場合、「同意を得なければならない」ということではありません。
地元同意が得られないまま、見切り発車をして分譲販売が開始されることもあります。
そして、反対運動が大きくなりすぎたために分譲主がやむなく計画変更をすることもあります。
そうすると、当初の販売チラシとは全く違ったものが最終的に建設されるという最悪の事態も発生します。
したがって、マンション建設反対運動があるような物件調査の場合は、地元自治会などで「どのような理由で反対されているのですか」と聞き取りをすることが大切です。
地元の反対運動ほど怖いものはありません。
11)騒音に悩まされるマンション!
マンション住民が隣地のカラオケ店経営者を相手取って騒音被害裁判を起こす!
このような裁判はよく耳にすることです。
"マンションと言えば駅のそば"というのがマンションの立地条件です。
では、本当にそうかというと、必ずしも駅のそばがいいとは限らない場合があります。
通常は、駅周辺は商業地域といって、様々な種類の商売ができるように定めています。
焼鳥店、カラオケ店、飲み屋街、風俗店、ゲームコーナーなど、おおよそ閑静な住宅には適さない店舗が数多く集中して存在します。
現実には、隣地のカラオケ店が出す深夜の音量をめぐって訴訟事件が起きています。
しかし、このような住環境の場合は、必ず、マンションの入居者が勝訴するという保証はありません。
商業の利便地域においては、あらゆる商業が発展するように都市計画を定めていることが一般的です。「騒音で苦情を言うのは筋違い」となります。
ですから、住民が勝訴をするには、相手方が余程、ひどい条例違反などをしている場合に限られるのです。
一般的に、居住用マンションの調査では、日の出から日没までの時間が"通常の不動産調査"と考えられるため、不動産業者が深夜に調査をしない限り異常に気づくことはありません。
「売主の情報開示書」を作成し、売主に情報開示してもらうことが安全な取引方法です。
12)高圧線が真上のマンション!
マンション敷地内に高圧線が通っているマンションがあります!
一般に、高圧線の真下には建築物を建築できない場合が多い。
仮に、建築ができたとしても、通常は、建物の高さが制限されるなどの建築規制を受けます。
このような建築規制を受ける敷地は用地取得費が低額となることから、マンション分譲業者は好んで取得します。
「万一、送電線が切れたりした場合は、自動で送電がストップする仕組みがとられ安全性を確保している」、というのが電力会社の回答です。
高圧線の影響で、テレビ電波の受信障害が起きることがあります。
このため、電力会社は住宅街の周辺での送電線敷設工事の際、周辺住宅街にケーブルテレビを敷設配線するなどしています。
また、送電線にあるガイシにほこりなどがたまり、そこへ静電気が蓄積すると"ジージー"という音がはげしく聞こえてくることがあります。
晴れた日が続いた後に降る雨によって電流が放電をするのです。
このため、電力会社ではこの「ジージー音について」と題してパンフレットを配布しているくらいです。
したがって、送電線が敷地の上にある場合や隣接地にある場合は、電力会社のパンフレットを取引の際に添付する他、テレビ電波の受信障害対策の実施の有無は重要事項となります。
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