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マンション調査入門4(住宅性能、他) 津村重行

仲介のためのマンション調査入門4

(9)性能評価付きマンション!
(10)瑕疵の基準がない!
(11)住宅性能評価書は保証書ではない!

(9)性能評価付きマンション!

 平成17年11月17日公表の千葉県船橋市の建物に端を発した耐震偽装マンションの内、住宅性能評価書が付いたマンションは1件しかありませんでした。

 "住宅性能評価書"は、品確法に基づいて任意の申請者に交付されますが、マンションの場合は登録している分譲業者が申請をします。


 これについて少し述べます。

 評価方法は、設計住宅性能評価申請書及びその添付図書により評価を行い、問題がなければ設計住宅性能評価書が交付されます。

 さらに、建設住宅性能評価申請書及びその添付図書、施工状況報告書、工事現場にある設計住宅性能評価書等の図書を評価し、現場検査では、検査時期に実地に行い、問題がなければ建設住宅性能評価書が交付されます。

 要するに、住宅性能評価書の申請の場合、設計住宅性能評価書が交付された後、建設住宅性能評価書を申請します。


 住宅性能評価書があれば、性能評価書に表示された性能がある住宅を契約したことになるため、建設会社はその性能を有する工事をしなければならず消費者にとっては安心でしょう。


 これらを審査する住宅性能評価機関は、平成19年5月末現在で全国に110社が存在し、利用しやすくなっています。


 しかし、品確法では、たとえマンション分譲であっても、分譲業者に住宅性能評価書の申請を義務付けているわけではないため、注意が必要です。

(10)瑕疵の基準がない!

 平成12年10月より開始した住宅性能評価書の交付件数は、平成19年5月24日現在、設計住宅性能評価書交付の累計で953,881戸に上っていることが分かりました。

 多くの消費者はしっかり活用しているのです。

 それでも、建物には瑕疵がなくなるわけではありません。
残念ながら、日本には「これは瑕疵である」と判定する技術基準を定める法律は存在しません。


 このため、"住宅の瑕疵"という場合に、分譲業者側と消費者側との間で意見が食い違います。


 「この程度ならマンションの瑕疵ではありません」と言って補修をしない業者が目立っています。


 このようなときには、弁護士に依頼すると費用が大変なので、建設住宅性能評価書の交付されたマンションでは、国が指定する「指定住宅紛争処理機関」をわずかな費用で利用できます。


 弁護士1名を加えた紛争処理委員は紛争処理専門家ですから、誠意のない分譲業者であった場合にも安心して依頼をすることができます。


 申請費用はわずかに1万円。
ただし、当事者の希望により行った証人喚問や鑑定等に要する費用は、その希望者が支払うことになります。


 にもかかわらず、このような住宅性能評価書の申請をしないマンション業者が不動産取引の当事者である場合、注意が必要です。


 マンション取引時には、「住宅性能評価書付ですか?」と売主に必ず聞くことが大切です。

(11)住宅性能評価書は保証書ではない!

 実は、この"住宅性能評価書"を"住宅性能保証書"と思い込んでいる消費者が多い。

 これは、業者が「性能を有するように住宅の工事をする義務がある」ということを示す書類です。

 実は、宅建業法では、「住宅性能評価書の有無」については業者に説明義務がありますが、「住宅性能保証制度」そのものについては法制度が施行されていないため、説明をしないというのが現実です。


 したがって、多くの消費者の場合、住宅性能保証書についての説明を聞かされておらず、存在すら知らない方も多い!

 2006年12月20日になって、はじめて「住宅性能保証保険契約の締結の有無」を建設業者、宅建業者に説明することを義務付けたばかりです。


 分譲主が保証保険に加入している場合、万一、隠れた瑕疵があっても保険で支払える仕組みです。
ところが、このような基本的なことも知らずに購入した消費者が、将来は売主となって既存マンションを再販することにもなります。

 保証保険契約が締結されている場合は、「住宅性能保証書」が登録機関から交付されます。


 先程の、この「住宅性能評価書」は非常に重要な書類ですが、「性能を有する住宅を引き渡す契約をした」というに過ぎない証明書です。

 あくまで、当事者の"住宅の性能に関する契約書"なのです。

 ですから、「住宅性能評価書があるから」と、消費者を安心させるような営業はリスクが高い。


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