マンション調査入門7(既存不適格) 津村重行
仲介のためのマンション調査入門7
1)既存不適格の新築マンション!
2)眺望景観のいい建物は景観を阻害!
3)マンション周辺に石綿工場!
(1)既存不適格の新築マンション!
景観のいい緑豊かな南側の斜面に分譲マンションが建っている!
よく見ると、北側から見れば2階建てマンション。
南側から見れば5階建てマンションです。
これは、斜面を利用して建設されたマンションです。
当時は、地元の市では景観を保全するための建築規制の法律がなかったために、分譲主に対しては建築計画に対して、「近い将来、建築規制をする予定がある」として、"指導のみ"を行っていました。
しかし、民間確認検査機関でもマンションの建築確認を取得できることから、分譲主は、指導の厳しい市に建築確認申請を出さずに、民間確認検査機関で建築確認を申請し確認を取得して建設したのです。
市が新しい法律を計画して景観保護を検討中であったとしても、それらには関係なく、民間確認検査機関は、現在、施行中の法律のみで建築確認を出してしまいます。
その建物が完成後に、市では法律が出来て、景観保護のための建築規制を実施しました。
こうして、このマンションは、建築確認はあるけれども、現状では、建築基準法に適合していません。
つまり、「再建築の際には現在と同規模の建物は建てられない」という"不適格建築物"といわれる建物になったのです。
2)眺望景観のいい建物は景観を阻害!
分譲マンションと言えば、一般に、眺望や景観のよさがキャッチフレーズとなっていますが、眺望や景観のいい地域の地元住民にとっては、マンション建設ほど景観を破壊するものはありません。
このような眺望や景観のいい地域では、マンション建設反対運動が起きていることがあります。
また、市区町村において、景観や眺望を保全するための都市計画の変更予定を公表していることもあります。
悪質なマンション分譲業者は、このような都市計画の変更計画を知りながら、法律施行の前に、駆け込むように建築確認を取得して建設します。
実際の説明では、「将来は、都市計画やその他の法律が変更になる場合があるため、再建築の際に、現在と同規模の建物が建てられない場合があります」などと、いかにもあいまいな表現で説明をして販売をする業者もいます。
このような説明では、「建替えの際には、現在と同規模の建物の建築が出来ず、しかも、半分以下の延べ床面積になる」という事実を隠蔽したことになります。
このマンションは資産価値も半減します。
本来は、「市では都市計画変更の予定あり。万一、変更された場合は、本件建物の再建築の際、現在と同規模の建物を建てられない場合があります。」と、説明をしなければならないのです。
周辺地域の住人に「このマンション建設では特に問題はございませんでしたか?」と聞きます。
地元での聞き取りが大切になります。
3)マンション周辺に石綿工場!
現在も石綿含有製品を製造している企業の工場は全国に13工場もある!
この数字は、平成18年9月1日、石綿の製造・輸入・譲渡・使用・販売の全面禁止をした直後に、環境省が公表したデータです!
もしも、マンションの周辺地域に工場などがある場合は、大気環境の状況に気をつける必要があります。
石綿は特定粉塵として規制対象となっており、「石綿障害予防規則」により工場作業内での安全作業を詳細に義務付けています。
死亡者が出ている石綿工場なのかどうか、ということは重大な関心事です。
完成したマンションであれば、室内や廊下から工場が見えるので、工場のおおよその位置がわかります。
また、法務局には、ほぼ最新の住宅地図が常備されています。
地図の見方は、一頁の地図を縦に見て、左端から右端までは歩いておおよそ5分の距離です。
もしも近隣に工場などがあれば、その工場の住所を控えておきます。
工場の住所がわかれば、市区町村の環境対策を担当している課に行きます。
「この工場はどのような工場か教えてください」と聞くのです。
住民紛争などになっているような場合は、たとえ明確な答えが出なくとも、健康被害の可能性に関する情報を入手することが出来るものです。
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2 「売主関係の調査/調査の七つ道具」
6/18(水) 13:30~16:25
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