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マンション調査入門8(浸水被害、他) 津村重行

仲介のためのマンション調査入門8

4)浸水被害のあるマンション!
5)階段を新設するマンション!
6)南側の空き地に高層マンションが!

4)浸水被害のあるマンション!

 「山々に囲まれた閑静な住宅地に建つマンション!」

 …こういうキャッチフレーズには日本人は弱い。

 こういう場合は、自然の地勢に気をつけなければなりません。


 先ず、山々に囲まれた環境は谷間に位置していることが多く、盆地のような場合もあります。
 谷間は山々から流れ出た水が集まる場所で、河川となって下流へと続いている場合が多い。
 

 こんな事例があります。

 大雨で下水道が溢れて道路が冠水し、マンション所在地域が床上50cmの浸水となってしまいました。このために、車が通れずに家に帰ることが出来なかったという事例です。


 下水道が普及していない地域では、過去に浸水被害が生じていることが多い。
 もちろん、下水道が普及していても道路冠水が起きることもあります。


 浸水被害の情報については、地元住民に聞くことで知ることもできます。

 また、市役所の防災対策を担当している課で知ることが出来ます。
 市役所の防災対策の担当課で、「過去の浸水被害記録を教えてください」と聞きます。


 もしも、「過去に浸水被害」があり、「床上浸水50cm」などといった記録があるような場合、いつ頃に起きたことなのかを必ず聞きます。

 このとき、必ず、「その後は大丈夫ですか?」とあわせて質問をして確認することが大切です。

5)階段を新設するマンション!

 「道路の状況が、波を打ったように通行する車の跡がある。」
このように道路が変形しているということは、この地域の地盤が軟弱地域であるということを表しています。

 環境省が2006年12月21日公表した「平成17年度の全国の地盤沈下区域の概況」によると、平成17年度に地盤沈下が認められた地域は61地域であることが分かりました。

 ここで気をつけなければならないことがあります。

 それは、地盤沈下の問題です。
 軟弱地盤の地域では、おのずと地盤沈下が起き易いのです。

 マンション建設後に、地盤沈下が起きたら、どうなるでしょうか?


 東京ディズニーランド周辺の浦安や行徳地区の海岸線付近に行ったことのある人はご存知だと思います。

 海岸線の住宅地に建つ多くのマンションの入り口には、真新しい階段が新設されていることがあります。

 マンション新築時にはなかった階段です。
 このような場合は、不動産価値が下落し、資産価値が減少します。


 地盤に異常が生じているマンションの調査では、地盤沈下の状況をデジタルカメラなどで写真にして、重要事項説明書に「敷地の現況写真」として添付して説明をすることが大切です。

6)南側の空き地に高層マンションが!

 入居した後に、突然、南側空き地に高層マンションが建つと知らされた!
このような話はよく聞かされます。


 マンションの価値は、高層階に行けば行くほど眺望がいいので不動産評価が高いものです。

 エレベータ付の高層マンションでは5階以上は2階上がるごとに1%の不動産評価が上がっていきます。

 マンションの調査では、マンションが建つ予定地の周囲に、大きな敷地が空き地のままになっていないかどうかを、心配する必要があります。

 建築確認申請の当初に、「空き地には何が建つか」を調べた後、売買契約直前に、再度、同じ調査をしない業者が多い。


 このようなマンショントラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいでしょうか?

 先ず、市区町村の宅地開発などの指導を担当する課に行きます。

 そこで、「物件所在地とその周辺で開発許可や申請はありますか?」と聞きます。

 ここでの担当者の回答には、もちろん記録が残らないものが多いので、聞いた担当者の名前を必ず聞いてメモして保存します。


 こんな事例があります。

 「業者が販売前の調査時に、隣接地の所有者は個人なので、その土地上に建築計画があることは知り得なかった。したがって、知り得ないのだから、業者に開発計画の有無の説明義務はない」という判決もありました。

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