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マンション調査入門15(権利関係) 津村重行

仲介のためのマンション調査入門14

(4)権利関係編

1)地積測量図と登記簿が一致しない!

 新築マンションでも、境界紛争が起きることがあります!

 一般に、マンション分譲などのために仕入れる用地は、購入の段階で、登記簿面積と地積測量図面積とが一致するように、登記簿面積を訂正登記します。

 マンション販売の際、「敷地に問題があるのでは?」という消費者の不安をなくすためです。

 しかし、登記簿面積を校正するためには、隣接地主の印鑑証明書付の同意書が必要になるため、書類が揃わないこともあります。
 やむなく、そのままの状態で建築工事が始まることもあります。


 この問題のチェック方法を述べます。

 法務局で地積測量図を申請します。
 「存在しない」という場合でも、分譲主が保有していることもあります。
 この地積測量図と登記事項証明書の地積欄を照合します。

 この数値が一致していない場合があります。
 それは「土地の地積校正を申請しなかった」場合、「申請をしたが隣接地主の印鑑証明書付の同意を得られなかった」場合、「境界には同意するが、同意書をもらえなかった」場合などがあります。


 「同意が得られなかった」という場合は、境界紛争の可能性があります。
 この場合は、"売主の情報開示書"の「境界に関する告知」が必要です。

2)二つの境界線があるマンション!

 "境界"って何でしょう?
 一般的に、 "境界"とは「所有者が現実に自由に利用できる敷地の範囲」をいいます。

 一方では、"筆界"といわれる"真の境界"があり、これは当事者の合意で定めることの出来ないものです。

 この双方が一致したときに、「境界が確定している」ということになります。

 全国の市街地の81%は境界が確定していません。

 2006年1月20日に不動産登記法が改正施行され、筆界特定制度が創設されました。
 これにより、境界紛争のため敷地分割が出来ない、販売ができないなどの理由があれば、法務局に「筆界特定申請」ができるようになりました。

 これは、短時間で費用も安い。
 筆界特定された不動産の場合は、登記事項証明書の表題部の「地図番号」欄に「筆界特定」事項が記載されますので誰にでもすぐにわかります。

 このような土地には、"筆界"と"現実の境界線"が別々に存在します。
 運が悪ければ、マンション建物の一部を解体しなければならない場合もあります。

 筆界特定があれば、「筆界特定書の写し」を申請します。1000円の登記印紙で請求出来ます。
 この「筆界特定書」には、この2種類の境界について詳しく記載があります。

 「本物件敷地は筆界特定されています。このため、将来、敷地が減少する場合があります。」と買主に説明することが大切です。

3)境界が確定しているって?

 「境界が確定している土地かどうか」の見方を述べておきます。

 法務局では地積測量図を注意深く観察します。
 図面のほぼ中央付近に、「確認処理」という文字の記載された丸い印鑑が押されていることがあります。

 その印鑑の下には、日付があります。
 これは「確認処理印」といいます。
 地積測量図を作成して法務局に添付書類として提出した場合、「境界立会いが行われ、境界が確定していること」を登記官が確認した「地積測量図」であること意味しています。

 このような印鑑の押されている地積測量図は、高い確立で、「境界紛争が起きにくい」物件といえます。

 また、土地家屋調査士が直接、地積測量図の中に、「境界立会い年月日」、「境界確定協議書を作成した旨」等を記載している場合があります。
 このような場合は、「境界が確定している地積測量図」ということができます。


 また、公図申請をした際、「これは地図である」と明記して、写しを取得できることがあります。
 この場合は、「紛失した境界石を復元できる精度のある地図」として、現地復元能力を保有しています。
 このような地図を、2005年3月7日までは「法17条地図」と言われていました。
 その後は、現在では、法14条地図といい、中身としては、法17条地図と全く同じです。

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