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マンション調査入門16(法令関係) 津村重行

仲介のためのマンション調査入門14

(5)法令関係編

1)民間確認検査で不適格建物に!

 こんな事例があります。

 市には平成13年9月25日より、「経済振興地区建築条例」が定められていました。
 これは、「この区域には共同住宅などを建築することは出来ない」とするものです。

 この条例が制定される以前は、「近い将来に、この区域では共同住宅等が建てられなくなるため、建築後に困らないように」市では建築の際の"指導"をしていました。

 しかし、日本でもトップクラスの売上げを誇る某大手業者がこの区域に分譲マンションの建築確認を取得してしまいました。

 何故、建築できたのかといいますと、市の建築審査課に建築の確認申請を提出せずに、「規制のゆるい民間確認検査機関」に確認申請を提出して建築確認を取得したのです。


 当然にも、このマンション購入者たちは、将来、万一、建替えしようとしても再建築は出来ません。
 資産価値が大幅に下落したマンションになったことは確かです。
 これを、「既存不適格マンション」と言います。


 市区町村は「近い将来にはこのような都市計画を実施します」と公表をし、実施するまでは、その地域に建設しようとする企業や個人に対して"指導"を行います。

 当然にも、この"指導"というのは、法律が実施されていないため、"規制"ではありません。
 建替えできないマンションもある事例です。

2)協定違反の分譲マンション!

 こんな事例がありました。

 ある市内のマンションでは、敷地の前面道路を5.5mから6.5mにする協定を市と締結した後に、マンション建設後は敷地をそのまま放置し、その敷地後退予定部分に駐輪場やゴミステーションに利用していた、という事例があります。

 これは建築の協定違反のマンションです。


 多くの市区町村では"開発指導要綱"を定めていることがあります。

 たとえば、分譲マンション建築などの場合に、「住居戸数が20戸以上等の場合は開発指導の対象」として、市の建築指導を行います。
 そして、市区町村と分譲主との間に協定書が締結されます。


 ところが、この協定を無視する業者がいます。

 なぜ、そんなことが出来るのかと言いますと、この指導要綱は、あくまで都市計画に関する"指導"であって、"許可"ではないからです。

 こうして建設されたマンションは、一見、合理的な諸設備が揃っているように見えても、後日、市区町村から是正指導が出る可能性があります。


 分譲後に、この指導が出た場合は、敷地の利用方法を変更することなり、「分譲時にあった駐輪場がなくなった」ということも考えられます。


 市区町村の宅地開発担当課で、マンション建物について、開発許可を取得していない場合は、「開発指導などの協定締結はありますか?」、「道路に関する指導があれば教えてください」と質問をして、協定の内容を質問します。

3)公道に接しないマンション敷地!

 「敷地入口の通路部分の所有権を分譲主が所有!」という事例があります。

 このような変則的な分譲マンションを取引する場合は余程、気をつけなければなりません。
 このようなずさんな工事をする分譲主は、往々にして、倒産をして私道部分の所有権が第3者に移転します。

 もしも、このようなことになれば、マンション敷地は道路に接しないことになります。
 資産価値は激変します。

 市街化区域では、多くの市区町村では500㎡(地域によってはまちまちです)を超える敷地を宅地開発しようとする場合、計画内容によっては、"開発許可"が必要な場合があります。

 開発許可の場合、建築工事完了後に、このマンション敷地への通路部分を、市区町村に所有権を移管します。

 しかし、私道の所有権の移管手続きは最後になるため、分譲主が何らかの理由で最終書類を担当役所に提出しなければ、その通路はそのままになってしまいます。

 その結果、「入口通路は私道」という敷地形態の分譲マンションできます。

 したがって、マンション敷地が路地状の場合は、必ず、敷地の所有者が「市区町村の名義」になっていることを確かめる必要があります。

 この場合は、開発許可担当課と道路管理担当課の双方で手続きの進行状況を確認します。

 売主にも「道路の移管手続き状況」を聞きます。

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