女性が活きる不動産営業入門8 川本久美恵
10女性は契約不成立のショックを持ち越さない
不動産営業は結果がすべてです。どんなに頑張って営業しても、成約できなければ販売手数料は1円も入りません。
そういう世界で働いているため、成約寸前で商談が壊れたら誰だってショックです。でも、お客さまの気持ちをしっかりと受け止める営業ができていれば、キャンセルになった理由にも納得がいき、納得がいけばキャンセルのショックも少ないものです。
ショックからの立ち直りには気分転換が必要です。男性の気分転換はお酒でしょうか。指導担当の上司のフォローも「一杯つき合うか」でしょう。
女性の場合は、
親しい友だちと食事をしたり、映画を見たり、ちょっとだけぜいたくな買い物をしたり……。女性は、職場と関係のない世界をたくさん持っているので気分転換は男性よりもうまいかもしれません。
子どものいる女性の場合は、家事も育児も待ったなしです。帰宅の電車に乗るころは仕事のことは頭の隅に追いやり、翌朝、子どものお弁当を作って送り出すまでは仕事のことを考える余裕もありません。
出勤するために化粧をして初めて、「よし、今日も頑張ろう」と仕事モードになります。家事や育児をすることで仕事のストレスが軽減されて新たに意欲が湧いてくるのです。
仕事が命という男性は、営業成績に男のプライドをかけて自分をがんじがらめにしがちなので注意が必要です。
不動産営業は大きな金額を扱う仕事です。がんじがらめで余裕がないよりも自然体で向かい合うほうに、お客さまも安心して心を開いてくれるでしょう。
11女性は競い合いより協力して力を発揮する
営業社員はそれぞれが自分の顧客を持ち、担当者としてそのお客さまの諸事情を把握し、契約、引渡しに至るまで責任をもって対応していきます。
お客さまには、担当者しか把握できない個別の事情があり、たとえ、上司や先輩であっても部下や後輩のお客さまには余計な関与をしないというのが原則です。
不動産営業は営業社員個人の人間性の勝負であり、社員個人の成績の競い合いです。
ところが、女性の場合、子どもが小さくて残業ができにくかったり、学校の運動会や地域の子ども会の活動で土日に休みが必要だったり、残業や土日勤務ができても老親の介護を分担していて週5日勤務はできない人がいたりします。
女性は、住宅には興味があり営業のだいご味も味わいたいという気持ちがあっても、営業レースに参加できないもどかしさも感じているのです。
そこで、女性を活用する場合は、業界の常識のような長時間労働をしなくてもレースに参加できるしくみを作ることが必要となってきます。
これは、営業を個人の競い合いにせず、力のあるリーダーの下でチーム全体の仕事として役割を分担することで解決できるように思います。
つまり、チームを上司と部下ではなく、リーダーと仲間の関係にし、チームが担当するお客さまの情報はチーム全体で共有し、リーダーの成績をチーム全体の成績とするのです。
リーダーは残業でも何でも引き受けられることが理想ですが、子育てが終わったベテラン社員とチームを組むことができれば、子育て中の若い女性でもリーダーになることができるでしょう。
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