相続コーディネート入門3 曽根恵子
図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
5 不動産業が相続に一番近い
不動産業に携わっていると、「相続」に関わることは少なくありません。
たとえば、管理を委託された大家さんが亡くなるとか、以前から取引のある地主さんが亡くなるとか。「相続」情報はいち早く入ってくると言ってもいいかもしれません。
相続税の申告をしなければならない場合の多くは、不動産を所有する人が亡くなったときです。いわゆる大家さん、地主さんですから、不動産業者が普段から取引のある人だということです。
しかもそうした大家さん、地主さんに一番近いのが不動産業ですから、亡くなったときもいち早く情報が入るだけでなく、不動産の状況は把握できていることでしょう。
しかし、最初に知った相続なのに、現実の仕事になるのは、「相続税の納税のために土地を売却したい」という依頼がきたときではないでしょうか?
相続のタイムスケジュールからすれば、一番最後の仕事になります。その間、不動産業は蚊帳の外、手の出しようがない、ということもあるでしょう。
この現実はなぜなのか、疑問に思ったことはありませんか?
私は相続に一番近いのが不動産業であり、その立場で相続に関わることが必要だと考えています。それが相続人のためにもなり、結果としてビジネスにもつながります。
そのためのきっかけが「相続コーディネート」です。
6 税理士を紹介するだけではだめ
大家さんや地主さんの相続を知ったときは、どのように対処していますか?
「相続は税理士の仕事」として、税理士を紹介して任せているのが現状ではなかったでしょうか?
「相続税の納税が必要になれば、土地の売却で仕事になる」という期待感はあるでしょう。しかし、税理士に任せてしまえば途中経過の報告もないかもしれません。
そして、結局は、「納税は土地を物納にした」ということで、不動産業の出る幕はなく終わってしまう、ということはなかったでしょうか。
税理士の多くは不動産に関わることが少ないため、当然のことながら、不動産業的な発想はありません。
どういうことかというと、納税は「売却より物納が確実」であり、「いいところから物納する」のが当然ということです。
不動産業の感覚では、「収益の上げられる土地は残して有効利用し、価値の低いところを売却する」ことを考え、売却できないときは物納もやむなしというのが順番でしょう。
こうした発想の違いがあるとすれば、相続を税理士に任せておいても不動産業の仕事にはならないということなのです。
相続人が助かればいいのですが、成功したとは言えないこともあり、現実に困っている方も多いのです。だからこそ、不動産を知る専門家が相続にも関わるべきだといえます。
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