住宅新報社・季刊「不動産受験新報」2009年秋号
         (9/1日発売 定価1155円)

☆「本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」☆

給水方式・その2

太郎「彩、マンションへの給水方法に興味を持ったみたいだね。前回は水道直結給水方式と高置水槽方式を説明したけど、他にどんなものがある?」

彩「圧力タンク方式、ポンプ直送方式、増圧直結給水方式があるらしいわね。」

太郎「そうだね。これら3つの給水方式で、受水槽があるものとないものをまず答えてみてよ。」

彩「圧力タンク方式には、受水槽があるけど、ポンプ直送方式と増圧直結給水方式の区別がそもそも分からないので受水槽の有無についてはわからないわ。」

太郎「うん。圧力タンク方式とポンプ直送方式には受水槽があるけど、増圧直結給水方式にはないんだ。」

彩「圧力タンク方式は、道路の下にある水道本管から水を引き込んで、いったん受水槽に貯水するのね。」

太郎「そうだよ。次に、受水槽の水を加圧ポンプで圧力タンク(圧力水槽)に給水して、圧力タンク内の空気を圧縮加圧させ、その圧縮空気で各住戸に給水する方式なんだ。」

彩「各住戸で水を使うと、圧力タンク内の水が減り、圧力タンクの空気圧力が低下するわよね。」

太郎「そう。図2にあるように、水が使用され圧力タンク内の圧力が低下したことを圧力スイッチが検知すると、加圧ポンプが稼動し圧力タンク内に給水するんだ。」

彩「圧力タンク内に無理やり加圧ポンプで給水するから圧力タンク内の空気が圧縮されるわけね。」

太郎「そう、その圧力空気で各住戸に給水するんだ。そして、各住戸で水を使用すると圧力タンク内の水が減り圧力タンク内の空気圧が低下する。」

給水方式・その1

 

太郎「おいしいケーキ屋を見つけたから、そこで勉強しようよ」

彩「なかなか落ち着いた、いいお店ね。勉強できるわね!」

太郎「マンションの各部屋に飲料水を供給する方式には大きく分けて5つに分類できるんだ。」

彩「5つに分類するのは、何に着目して分類するの?」

 

給水方式             水槽の有無

 

 1 水道連結方式       水槽なし

 2 高置水槽方式(重力方式)   水槽あり(受水槽と高置水槽又は高置槽)

 3 圧力タンク方式      水槽あり(受水槽と圧力タンク)

 4 ポンプ直送方式      水槽あり(受水槽のみ)

 5 増圧直結給水方式     水槽なし


太郎「ずばり、水槽だね。飲料水をためる水槽に着目するんだ!表にしてまとめてあるから、これを最終的に覚えればいいんだ。」

彩「え~っと、給水方式には、①水道直結方式、②高置水槽方式(重力方式)、③圧力タンク方式、④ポンプ直送方式、⑤増圧直結給水方式とあるんだ~」があり、建物の用途、大きさ、値段等を考慮して、選ばれます

太郎「建物の大きさや、用途、給水方式に係る値段等を考慮して選ばれるんだ」

彩「①の水道直結方式と⑤の増圧直結給水方式の2つには水槽はないんだね。」

太郎「そう、そう、他の3つの給水方式である②高置水槽方式(重力方式)、③圧力タンク方式、④ポンプ直送方式には何らかの形で水槽があるんだ。」

彩「飲料水を上に供給するための揚水ポンプがあるか否かでいうと、

 水道直結方式は揚水ポンプがなく、他の4つの方式には、すべて揚水ポンプがあるんでしょ?」

太郎「そのとおり。水道直結給水方式は、建物の近くの道路内の下にある

  水道本管から給水管をひっぱって直接、建物内に引き込み、各住戸に

  直接給水する方式なんだ。」

☆「本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」☆

 

 

5.ガス設備
彩「ねぇ、太郎!私、先週、田舎のおばあちゃんの家にいったんだけど、ガス漏れ警報の検知器が床に近い位置に設置されているのよ。」


太郎「それがどうかしたの?」


彩「だって、私の家にあるガス漏れ警報の検知器は、天井に近い位置に設置されているのよ。どちらかの位置が間違っているんじゃないかと思って心配になったのよ。」


太郎「なるほど、でも、それぞれ正しいと思うな」


彩「なんで?」


太郎「彩の家のガスの種類は都市ガスだろ?たぶん、おばあちゃんちのガスはLPガスなんだよ。おばあちゃんちの家の外にガスボンベあっただろ?」


彩「そういえば、台所の外にガスボンベがあって、そこからホースで台所のガスコンロにつながっていたわね。」


太郎「マンションに供給されるガスは、おもに都市ガスとLPガスに分かれるんだ。一般的にいうと、都市ガスは、空気より軽く、LPガスは空気より重いんだ。」


彩「なるほど、都市ガスが漏れた場合には、天井近くに漏れたガスがたまり、LPガスが漏れた場合には、床に近い部分にたまるわけね。ガス漏れを認識する検知器の位置が違ってくるのね。」


 

☆「本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」☆

 

コンクリート2

太郎「おいしいケーキ屋を見つけたから、そこで勉強しようよ」

彩「あら、いいお店ね。こういうところ知ってるなんて、太郎も少しは大人になったのね。じゃ、復習よ。コンクリートって何?」

太郎「セメント、水、砂、砂利を混ぜたものだね。そしてセメントやモルタルの性質を向上させるための混和材料を入れることが多いね」

彩「そうね。建築基準法施行令では砂と砂利をひとまとめに何と言っているか知ってる?」

太郎「条文を読むと、それらしいのは骨材かな?」

彩「そのとおり。コンクリートやモルタルに使用する砂、砂利を骨材というのね。粒が小さいものを細骨材、大きいものを粗骨材というのね。砂が細骨材、砂利が粗骨材ね。」

太郎「なるほど。それから、軽いか重いかでいうと、軽量骨材普通骨材重量骨材に分類されるよね。」

彩「そう。軽量骨材は、コンクリートの重量を軽くするために使用する骨材ね。放射線を遮断するために、重量骨材を用いるのね。」

太郎「放射線遮蔽用のコンクリート用骨材は、比重の大きい磁鉄鉱・かっ鉄鉱・重晶石等が使用されるんだね。」

彩「そのとおりよ。他に、生産方法により、天然骨材・人工骨材という分類もあるわね。柱、梁などのような構造用コンクリートの骨材としては、硬く耐久性があり、吸水率が小さく、有害物質を含まないこと、形状は塊状で丸みをおびていることなどが要求されるわね。」

本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」


コンクリート1

太郎「彩、建設会社に入社したんだってな。おめでとう。ところで、恥ずかしくて今さら聞けない事ってあるじゃない。友達のよしみで教えてよ。コンクリートって何?灰色で固いのは分かってるぜ」

彩「そうそう、意外に知られていないのよね。私の新入社員用資料を貸してあげるから、それを見て答えるのよ。セメントに水を混ぜた物を何という?」

太郎「う~んと。セメントペーストだね。」

彩「そのとおりよ。セメントペーストに砂を混ぜると何という?」

太郎「モルタルだね。そうか、セメントに水と砂を混ぜるとモルタルか」

彩「いい調子!そして、モルタルに何を混ぜるとコンクリートになるかな?」

太郎「だじゃりだ!おっと、砂利だ!」

彩「あい変わらず、ダジャレ言ってんのね~セメント、水、砂、砂利を混ぜた物をコンクリートというのよ。セメントペーストは、砂や砂利をくっつける接着剤だと考えればいいのよ。」

セメント+水     =セメントペースト

セメント+水+砂   =モルタル

セメント+水+砂+砂利=コンクリート

不動産鑑定評価入門7 植杉伸介

2 土地の種別
 土地の種別は,地域の種別に応じて分類される土地の区分であり,宅地,農地,林地,見込地,移行地等に分けられ,さらに地域の種別の細分に応じて細分される。


不動産鑑定評価入門6 植杉伸介

不動産鑑定評価基準の記述内容に戻りましょう。

 農地地域とは,農業生産活動のうち耕作の用に供されることが,自然的,社会的,経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。


不動産鑑定評価入門5 植杉伸介

さらに,「留意事項」の続きを見ます。

(2)商業地域
① 高度商業地域
  高度商業地域は,例えば,大都市(東京23区,政令指定都市等)の都心又は副都心にあって,広域的商圏を有し,比較的大規模な中高層の店舗,事務所等が高密度に集積している地域であり,高度商業地域の性格に応じて,さらに,次のような細分類が考えられる。

不動産鑑定評価入門4 植杉伸介

◆第1節 不動産の種別

1 地域の種別
 地域の種別は,宅地地域,農地地域,林地地域等に分けられる。


不動産鑑定評価入門3 植杉伸介

◆第2章 不動産の種別及び類型

 不動産の鑑定評価においては,不動産の地域性並びに有形的利用及び権利関係の態様に応じた分析を行う必要があり,その地域の特性等に基づく不動産の種類ごとに検討することが重要である。

不動産鑑定評価入門2 植杉伸介

◆第4節 不動産鑑定士の責務

 土地は,土地基本法に定める土地についての基本理念に即して利用及び取引が行われるべきであり,特に投機的取引の対象とされてはならないものである。不動産鑑定士は,このような土地についての基本的な認識に立って不動産の鑑定評価を行わなければならない。


不動産鑑定評価入門1 植杉伸介

◆第3節 不動産の鑑定評価

 まず,前回の続きの部分から「不動産鑑定評価基準」の原文を見てください。


不動産鑑定評価入門6 植杉伸介

【不動産の価格(又は賃料)は,その不動産に関する所有権,賃借権等の権利の対価又は経済的利益の対価であり,また,二つ以上の権利利益が同一の不動産の上に存する場合には,それぞれの権利利益について,その価格(又は賃料)が形成され得る。】


不動産鑑定評価入門5 植杉伸介

【このような地域には,その規模,構成の内容,機能等に従って各種のものが認められるが,そのいずれもが,不動産の集合という意味において,個別の不動産の場合と同様に,特定の自然的条件及び人文的条件との関係を前提とする利用のあり方の同一性を基準として理解されるものであって,他の地域と区別されるべき特性をそれぞれ有するとともに,他の地域との間に相互関係にたち,この相互関係を通じて,その社会的及び経済的位置を占めるものである(地域の特性)。】


不動産鑑定評価入門4  植杉伸介

〈人文的特性〉

用途の多様性: 土地の用途は単一のものに限られず,住宅,商業,工業,農業,林業などさまざまな用途に供することができるという性質


不動産鑑定評価入門3 植杉伸介

◆第2節 不動産とその価格の特徴

 【不動産が国民の生活と活動に組み込まれどのように貢献しているかは具体的な価格として現れるものであるが,土地は他の一般の諸財と異なって次のような特性を持っている。


不動産鑑定評価入門2 植杉伸介

◆第1節 不動産とその価格
 【不動産は,通常,土地とその定着物をいう。土地はその持つ有用性の故にすべての国民の生活と活動とに欠くことのできない基盤である。そして,この土地を我々人間が各般の目的のためにどのように利用しているかという土地と人間との関係は,不動産のあり方,すなわち,不動産がどのように構成され,どのように貢献しているかということに具体的に現れる。】


不動産鑑定評価入門1 植杉伸介

◆不動産鑑定評価基準
 「不動産鑑定評価基準」とは,不動産鑑定士等が不動産の鑑定評価を行うに当たってのよりどころとなる統一的基準を定めたものです。


「相続コーディネート入門」 13 曽根恵子

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「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
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 8 遺言書の有無で相続が変わる--1

●遺言とは

 遺言とは、人の生前における最後の意思で、その死後、法律的に保護し、実現させるための制度です。法的に有効な遺言書がある場合、相続人たちはそれに従わなければなりません。

「不動産業の歴史入門」 18 蒲池紀生

図解不動産業シリーズ
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6 「目白文化村」の新聞広告と資料

箱根土地は学園都市のほか、東京市内の各地でも多くの宅地開発・分譲事業を行っていますが、それらの中でとくに有名なものの一つに「目白文化村」があります。震災後の郊外開発、戦前の郊外の新興住宅地といったものの代表的事例でしょう。


「相続コーディネート入門」 12 曽根恵子

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6 贈与とは?--1

 民法では、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償にて相手方に与える意思表示をし、相手方が受諾を為すによってその効力を生ずる契約である」としています。

 人と人があることがらに合意し、お互いに権利義務を発生させる法律的な意味での約束を「契約」といいますが、贈与も契約の一つになるわけです。


3.本試験に対する対策および攻略法
(1)不動産に関する行政法規
 本試験における20年度の短答式試験の出題形式は,「択一問題」が8問,「個数問題」が26問,「組合せ問題」が6問でした。


.はじめに
 平成20年度の不動産鑑定士試験は,新しい制度となって3回目の短答式(択一式を含む)試験および論文式試験の2段階方式により実施されました。

(1)短答式
 ●不動産に関する行政法規(短答式40問〈2時間〉)
 ●鑑定理論(短答式40問〈2時間〉)

(2)論文式
 ●民法,会計学および経済学(大問2問〈各2時間〉)
 ●鑑定理論(大問4問〈4時間〉,演習1問〈2時間〉)

 不動産鑑定士試験は,不動産鑑定士となろうとする者に必要な学識およびその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし,短答式試験(平成20年5月18日〈日〉に行われ,受験者数3,002名,合格者数678名で,合格率は22.6%)に合格した者のみ,論文式試験を受験することができます。

 論文式試験は,暑い盛りの3日間(平成20年8月2日〈土〉,3日〈日〉,4日〈月〉)に行われ,対受験者合格率10.1%(受験者1,308名,合格者132名),対短答式受験者合格率4.4%(受験者3,002名,合格者132名)となりました。

「不動産業の歴史入門」17  蒲池紀生

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5 今昔の感深い国立学園都市

堤さんは、開発・建設した学園都市の中で、とくに「国立学園都市」を"私の自慢"としています(『私の履歴書』による)。
 「(東京市内や近郊での土地開発の中で)私の自慢の一つは国立の開発である。大正12年の大震災後、商科大学が移転することになった(注・東京商大〈現・一橋大学〉が大震災で焼け、神田一ツ橋から郊外へ移転)。

私は佐野善作学長と共鳴して積極的に努力することとなった。国分寺と立川の間に適地を見つけて国立と名づけた。まず、駅をつくって国鉄に寄付することになった。国分寺と立川は地勢が高くて真中の国立はへこんでいる。

そこで両方から線路をあげてきてオーバーブリッジなしで乗り降りできる理想的な駅をつくった。......駅前には幅24間の広い幹線道路も設けた。......」。
 この駅前地区で近年、"国立マンション景観問題"が発生しており、また、名物駅"国立駅"も老朽化して解体・再建が進められています。まさに"今昔の感深し"というところです。

「相続コーディネート入門」 11 曽根恵子

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4 相続財産の分け方-2
●遺留分
 遺言書は法定相続分より効力があり、被相続人は、自分の財産を遺言によって自由に処分することができます。愛人や他人に財産を与えることもでき、遺族が生活に困るといったケースも出てきます。そこで、こうした事態を避けるために、一定の範囲の相続人が最低限相続できる財産を保証しています。これが「遺留分」です。

〈遺留分算定上の財産価格の求め方〉
 遺留分算定上の財産価格=被相続人の死亡時の財産価格+贈与した財産価格-債務の額

●遺留分の減殺請求
 遺留分が侵害されたときは、相手方に財産の取戻しを請求できます。これを「遺留分の減殺請求」といいます。

 減殺の請求は相手方に内容証明郵便で「減殺する」という意思を通知します。
 減殺の請求権は相続があることを知ってから1年以内、侵害されていることを知ってから1年以内に行使しないと消滅します。

●遺産分割
 相続人が複数いるときは、誰がどの財産をどのくらいの割合で相続するかといった話し合いをして、遺産の分け方を決めなければなりません。

遺産の分配を「遺産分割」といいます。最初に相続人を確定し、遺産を確定して、財産目録を作成します。遺言がある場合は優先しますが、ない場合は、相続人全員が納得すればどういうふうに分けてもかまいません。必ずしも法定相続分どおりに分ける必要はありません。

「不動産業の歴史入門」16 蒲池紀生

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3 五島慶太さん、田園都市に入社

 今日の東急グループの創設者とされる五島慶太さんも、田園都市に入社することで、その"東急時代"をスタートさせたのでした。田園都市を母体企業として関連鉄道会社を大きく発展させて巨大グループを形成したわけで、その間、五島さんが強力なリーダーシップを発揮してきたのでした。

 田園都市の関連鉄道会社は、田園都市とともにさまざまな進展をみせてきました。1920(大正9)年、荏原電気鉄道は大井町―調布間路線の経営に乗り出し、その後、田園都市の系列下に入りました。

同鉄道はさらに翌1921年には目黒―蒲田間路線の免許を得て、1922年には目黒蒲田(目蒲)電鉄となりました。さらに1923年には目黒―丸子多摩川間を開通させ、続いて1924年には武蔵電気鉄道を買収し社名を東京横浜電鉄と改めました(これが昭和期に入って東京急行電鉄=東急電鉄へと発展するわけです)。

 ところで、五島さんの"田園都市入り"は、やや複雑な経過のものでした。―五島さんはもともとは鉄道院(後の鉄道省)の総務課長でしたが、1920年5月、官を辞して武蔵電鉄の常務になっていました。

「相続コーディネート入門」 10 曽根恵子

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2 相続税がかかる財産・かからない財産

●相続税がかかる財産

 相続税がかかるのは、原則として、相続や遺贈によって取得した財産です。

 被相続人が「相続開始の時」において所有していた土地、家屋、立木、事業(農業)用財産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画骨董、電話加入権、預貯金、現金などの、金銭に見積もることができるすべての財産をいいます。

 

 「相続開始の時」とは、亡くなった日のことであり、その日に所有していたすべての財産を指します。

 

 この他、

① 相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産

② 相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産

③ 被相続人から贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける財産

についても、相続税がかかる財産に含まれます。

 

●相続税がかからない財産(非課税財産)

 相続や遺贈によって取得した財産でも、お墓や仏具などが非課税とされています。また、保険金や死亡退職金は、500万円×法定相続人分の金額は非課税とすることになっています。

 

 借入金・未払金の債務や葬式費用は、財産から差し引くことができます。 

「不動産業の歴史入門」15 蒲池紀生

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 1 田園都市の発想 ― 関東でも郊外の開発

関西地区では明治末に「私鉄の沿線=郊外開発」が始まっていましたが(前記)、大正期に入ると関東地区でも「私鉄(または私鉄の母体企業)の郊外開発」がみられました。その代表的事例の一つ「田園調布の建設」を見てみましょう。

 1918(大正7)年、東京府下荏原郡(当時)の調布で、畑弥右衛門さんという人が地元の地主さんたちの間を回り「あんた方に所有地の一部を提供してもらい、ここに"東京都心に通勤する人たちの住宅地"をこしらえる。

そして電車の路線をひいて、都心への距離を時間的に短縮した街をつくる。そうすればこの一帯の地価が大幅に上がってみんなたいへんな得になる」と説いていたそうです。

この話を、すでに80歳で経済界を引退していた渋沢栄一翁(明治・大正経済界の巨頭)が聞いて自ら乗り出し、同年9月、田園都市会社("街づくり"・土地会社)を設立しました。

 その設立趣意書には、"人間生活と自然の調和"が次のように強調されていました。
 「......紅塵万丈なる帝都の巷に棲息して生計・衛生・風紀上の各方面よりの圧迫を蒙りつつある中流階級の人士を空気清浄なる郊外の域に移して以て健康を保全し、且つ諸般の設備を整えて生活上の便利を得せしめんとするにあり。......」

「相続コーディネート入門」 9 曽根恵子

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 相続にはコーディネーターが必要

 相続を確定するのに避けて通れないのが遺産分割で、最初の重要課題であり、難題だといえます。遺産分割の仕方によって相続税が変わってきたり、納税方法が変わってきたりするので、このときにプロのアドバイスが必要です。

 

 第三者が相続人間の交通整理をしたほうが、感情的にならずにまとまりやすいのですが、相続人の間に入って遺産分割を整理してくれる税理士は少ないようなのです。

 

 プロのアドバイスがないため、よけいな争いや感情的に対立してしまうこともあるのが現状です。

 

 税額が決まれば納税の手段を考えなくてはなりません。現金がなければ物納や延納、売却などの方法を選択しなければなりませんが、そのときの判断もプロのアドバイスが必要です。

 

 ところが、納税方法や納税資金の捻出についても的確なアドバイスをしてくれる税理士が少ないようです。 

「不動産業の歴史入門」14 蒲池紀生

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 28 安田財閥の中枢でも不動産管理
 安田財閥の不動産事業としては、初代・安田善次郎さんが1896(明治29)年に設立した東京建物によるものがありますが(前記)、そのほかに、財閥中枢の機関による不動産の管理業務がありました。

 初代・善次郎さんは幕末に富山から江戸に出て安田屋を開店、当初は海産物販売をしていましたが、やがて両替商(貨幣交換、手形・為替取扱、金銭貸付=金融業)に転じ、屋号を安田商店と改めました(さらに1880=明治13年には安田銀行と改称)。

 初代・善次郎さんは日ごろから「個人としては自己資産の10分の1以上の不動産を持つべからず」ということを信条とし、自らそれを守るのはもちろん、人にもそう説いていました。「資産はまず仕事の運転資金に活用、不動産投資など後回し」というのでした。

 しかし、金融業を営んでいると貸金の担保流れなどで、本店のあった日本橋界隈(当時)その他で、自家用住居・店舗以外の所有不動産も次第に増えてきました。これらの不動産保有は安田一族の個人名義または安田銀行名義とされていて、安田銀行地所部が管理していました。