不動産ビジネストレンド22 「500万戸時代のマンション政策策定へ」 殿岡秀秋

不動産ビジネストレンド
500万戸時代の
マンション政策策定へ
国土交通省が答申案 殿岡秀秋

 

 「分譲マンションストック500万戸時代に対応したマンション政策のあり方について」の答申案がまとまったのを受けて国土交通省は、一般からの意見を2月に募集した。これに基づいて社会資本整備審議会住宅宅地分科会のマンション政策部会では近く答申を決定する方針である。

 答申案は、分譲マンションが総人口の約1割に当たる約1300万人が居住する居住形態として定着しており、今後重要性を増すと見込んでいる。

 しかし、区分所有者間の合意形成の難しさ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなど、維持管理する上で多様な課題があると指摘している。

 さらに老朽化マンションの増大と再生という課題も出てきている。

 マンションへの永住意識は1980年では、22%であったが、2003年では48%に高まっている。そのためマンション世帯主の高齢化が進行している。その一方で賃貸化率の高まりも指摘している。
 

また管理組合活動に無関心な区分所有者の増加が活動の停滞を招いているケースも見受けられるという。

 さらに管理費などの3か月以上の滞納が発生しているマンションは32%にのぼり、深刻な問題になっている。
 マンションの建て替えは2008年10月時点で129件あるが、老朽マンションの一部にとどまっている。

 今後のマンション政策は、行政が積極的に関与すべきであるとしている。

それは①周辺環境への影響などのマンションの外部の問題、②区分所有者間の合意形成等に係る取引費用の軽減の問題、③専門家による支援措置など管理組合や区分所有権者等に対する情報提供、啓発活動などにおいて、国や地方公共団体が法令や制度の創設、地域の実情把握や相談体制の充実などに努める必要がある。

 今後のマンション政策の具体的施策として、

①長期修繕計画の作成や修繕積立金の算出など管理組合による計画的な管理を推進していく、②実際の管理組合の運営状況、修繕積立金状況などのマンション取引市場での適正な評価が必要である、③マンション管理士など専門家による第三者管理者の適切な活用を促進する、④管理組合が機能していないマンションへの対応や老朽マンションの再生促進などを挙げている。

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