「相続コーディネート入門」4 曽根恵子

図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)


 

7  不動産のノウハウを活かせる
 相続税がかかる相続の場合、資産内容は土地が大きな割合を占めていることがほとんどです。
 遺産分割では、不動産の評価や利用を理解していないと決めることはできません。

 大きな土地を分筆することになれば、分筆後の個々の土地の利用が可能であるかどうかの確認もし、それを前提とした分け方をしなくてはなりません。

 納税では、納税資金の捻出方法が課題となります。売却や物納をするにしても、現実はどの程度で売却が可能かということや、売却と物納とどちらが有利かという比較もしなければなりません。

売却でも物納でもない選択肢の一つとして、有効利用の可能性も検討する価値はあります。
 誰しも先祖代々守ってきた土地を残したいという気持ちがあり、有効利用を提案するには不動産業の実務経験とノウハウが必要になります。

また、どのタイミングで測量、鑑定、売却、有効利用をすればいいかという判断は、不動産を把握していないとできないことです。
 

ところが、不動産の知識や実務経験がない方は、相続税の納税が第一の課題ですから、資産価値の高いところから納税に充てようとなります。まさに「いい土地から物納される」という状態になってしまうのです。

不動産業の立場で土地を見た場合、売却や有効利用の可能性も見えてきます。資産価値があり、収益の上げられる土地は残し、利用価値の少ないものから納税や売却に充てるような判断をすることで、その後の財産内容まで変わってきます。

 

8 専門家との連携が必要
 現実に実務を行うためには、専門家の協力が不可欠です。できれば、相続業務の経験が多く、相続に関する知識や知恵を持つ専門家と協働することが理想的です。

相続税の申告が必要な場合は、税理士です。
遺産分割協議がまとまらない場合には、弁護士が必要になることもあります。
不動産の登記は、司法書士です。
土地の測量や分筆は、土地家屋調査士です。

 路線価以外の不動産評価をする場合は、不動産鑑定士の出番です。
 納税のための土地売却は、宅地建物取引主任者、不動産コンサルティング技能登録者の役目です。
 資産運用等は、ファイナンシャル・プランナーが必要になるでしょう。

 このように、自分が相続コーディネーターとして相続人から業務の委任を受けるとしても、実務は何人もの専門家が関わらなければできないのが相続です。

相続コーディネートでは、相続手続のまとめをすることが業務の一つです。いざ相続に取りかかるときは、相続手続に必要な専門家との連携は不可欠になります。

相続は、一つの案件に関して、専門家と協働しながらお客様に専門家のノウハウを提案していくことになりますので、相続の経験や実績があり、コミュニケーションの取りやすい専門家の協力を得られる体制作りが必要です。 

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