図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
11 まずは相続に取り組んでみる
「相続コーディネーター」の役割は、ご理解いただけたでしょうか?
あれこれ考えるよりは、まず実際に取り組んでみることで、自分なりの「相続コーディネート」のあり方、進め方を作りだしていただければよいと思います。それが不動産業としての仕事作りのきっかけにもなります。
なにより、大家さん、地主さんに近いという立場を活用していただければ機会は訪れるでしょう。
「○○さんが亡くなった」というときには、「相続をコーディネートするので、お任せください」と、声をかけてみましょう。
「おつきあいの少ない税理士や信託銀行に任せるより、普段からつきあいのある私に任せたほうが一生懸命に取り組みます!」ということです。
基本は、「相続人の利益のために成果を出す」ということになりますが、それを普段から伝えられるような努力は必要でしょう。
しかし、相続をビジネスとして儲けようという考え方では、相続手続の実務者として選択してもらえません。
利益優先の相続ビジネスでは得られない信頼関係があればこそで、さらに相続のときに「相続人のために成果を出そう」という取組みで信頼を積み重ねることができれば、仕事につながります。
ノウハウは取組みのなかで蓄積されると思いますが、困ったときはセカンドオピニオンとして私や相続に強い専門家と協働することも可能です。
まずは、勇気を持って取り組んでみましょう。
第2章 知っておきたい相続の真実!
1 知っておきたい相続の真実
相続コーディネートに取り組むためには、他の専門家よりも相続人の利益になるための成果を出そうという意識が必要です。
相続は、当事者の相続人にとっては重大事です。親や兄弟など、もっとも身近で大切な人の死に直面し、精神的に大変なときに、相続税という現実と取り組まなければならないのです。誰にでも相談できることではないので、その不安は大変なものだと想像できます。
財産の多い少ないに関わらず、誰にでも相続は訪れるものですが、普段は特に意識していないかもしれません。財産がある人は、相続税はかかるだろうと漠然とした覚悟はあるでしょうし、財産が多くない人でも、いつか親や配偶者が亡くなり相続になるということはわかっていることでしょう。
しかし、いざ現実に相続が発生したとなると、やはり誰しも戸惑いは大きいようです。
「相続」という言葉の響きだけでも気が重くなるようで、誰もが早く手続をして、早く肩の荷を下ろしたいと思うことは当然です。そうした気持ちだけに、身近で信頼できる人に頼みたいところでしょう。
しかし、身近であれば誰でもいいということではないだけに、相続の専門家選びは案外むずかしいことです。
相続コーディネーターとして依頼を受けるには、他の専門家にはない節税の意識や遺産分割、納税の提案ができることが必要です。
本章では、そうしたポイントをまとめてみましたので、自分が相続コーディネートに取り組むときのテーマにしていただければと思います。

