2009年5月アーカイブ

「不動産業の歴史入門」16 蒲池紀生

図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」 
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 

3 五島慶太さん、田園都市に入社

 今日の東急グループの創設者とされる五島慶太さんも、田園都市に入社することで、その"東急時代"をスタートさせたのでした。田園都市を母体企業として関連鉄道会社を大きく発展させて巨大グループを形成したわけで、その間、五島さんが強力なリーダーシップを発揮してきたのでした。

 田園都市の関連鉄道会社は、田園都市とともにさまざまな進展をみせてきました。1920(大正9)年、荏原電気鉄道は大井町―調布間路線の経営に乗り出し、その後、田園都市の系列下に入りました。

同鉄道はさらに翌1921年には目黒―蒲田間路線の免許を得て、1922年には目黒蒲田(目蒲)電鉄となりました。さらに1923年には目黒―丸子多摩川間を開通させ、続いて1924年には武蔵電気鉄道を買収し社名を東京横浜電鉄と改めました(これが昭和期に入って東京急行電鉄=東急電鉄へと発展するわけです)。

 ところで、五島さんの"田園都市入り"は、やや複雑な経過のものでした。―五島さんはもともとは鉄道院(後の鉄道省)の総務課長でしたが、1920年5月、官を辞して武蔵電鉄の常務になっていました。

「相続コーディネート入門」 10 曽根恵子

図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 

2 相続税がかかる財産・かからない財産

●相続税がかかる財産

 相続税がかかるのは、原則として、相続や遺贈によって取得した財産です。

 被相続人が「相続開始の時」において所有していた土地、家屋、立木、事業(農業)用財産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画骨董、電話加入権、預貯金、現金などの、金銭に見積もることができるすべての財産をいいます。

 

 「相続開始の時」とは、亡くなった日のことであり、その日に所有していたすべての財産を指します。

 

 この他、

① 相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産

② 相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産

③ 被相続人から贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける財産

についても、相続税がかかる財産に含まれます。

 

●相続税がかからない財産(非課税財産)

 相続や遺贈によって取得した財産でも、お墓や仏具などが非課税とされています。また、保険金や死亡退職金は、500万円×法定相続人分の金額は非課税とすることになっています。

 

 借入金・未払金の債務や葬式費用は、財産から差し引くことができます。 

「不動産業の歴史入門」15 蒲池紀生

図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」 
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 

 1 田園都市の発想 ― 関東でも郊外の開発

関西地区では明治末に「私鉄の沿線=郊外開発」が始まっていましたが(前記)、大正期に入ると関東地区でも「私鉄(または私鉄の母体企業)の郊外開発」がみられました。その代表的事例の一つ「田園調布の建設」を見てみましょう。

 1918(大正7)年、東京府下荏原郡(当時)の調布で、畑弥右衛門さんという人が地元の地主さんたちの間を回り「あんた方に所有地の一部を提供してもらい、ここに"東京都心に通勤する人たちの住宅地"をこしらえる。

そして電車の路線をひいて、都心への距離を時間的に短縮した街をつくる。そうすればこの一帯の地価が大幅に上がってみんなたいへんな得になる」と説いていたそうです。

この話を、すでに80歳で経済界を引退していた渋沢栄一翁(明治・大正経済界の巨頭)が聞いて自ら乗り出し、同年9月、田園都市会社("街づくり"・土地会社)を設立しました。

 その設立趣意書には、"人間生活と自然の調和"が次のように強調されていました。
 「......紅塵万丈なる帝都の巷に棲息して生計・衛生・風紀上の各方面よりの圧迫を蒙りつつある中流階級の人士を空気清浄なる郊外の域に移して以て健康を保全し、且つ諸般の設備を整えて生活上の便利を得せしめんとするにあり。......」

「相続コーディネート入門」 9 曽根恵子

図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 相続にはコーディネーターが必要

 相続を確定するのに避けて通れないのが遺産分割で、最初の重要課題であり、難題だといえます。遺産分割の仕方によって相続税が変わってきたり、納税方法が変わってきたりするので、このときにプロのアドバイスが必要です。

 

 第三者が相続人間の交通整理をしたほうが、感情的にならずにまとまりやすいのですが、相続人の間に入って遺産分割を整理してくれる税理士は少ないようなのです。

 

 プロのアドバイスがないため、よけいな争いや感情的に対立してしまうこともあるのが現状です。

 

 税額が決まれば納税の手段を考えなくてはなりません。現金がなければ物納や延納、売却などの方法を選択しなければなりませんが、そのときの判断もプロのアドバイスが必要です。

 

 ところが、納税方法や納税資金の捻出についても的確なアドバイスをしてくれる税理士が少ないようです。 

「不動産業の歴史入門」14 蒲池紀生

 図解不動産業シリーズ
「不動産業の歴史入門」 
蒲池紀生著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 

 28 安田財閥の中枢でも不動産管理
 安田財閥の不動産事業としては、初代・安田善次郎さんが1896(明治29)年に設立した東京建物によるものがありますが(前記)、そのほかに、財閥中枢の機関による不動産の管理業務がありました。

 初代・善次郎さんは幕末に富山から江戸に出て安田屋を開店、当初は海産物販売をしていましたが、やがて両替商(貨幣交換、手形・為替取扱、金銭貸付=金融業)に転じ、屋号を安田商店と改めました(さらに1880=明治13年には安田銀行と改称)。

 初代・善次郎さんは日ごろから「個人としては自己資産の10分の1以上の不動産を持つべからず」ということを信条とし、自らそれを守るのはもちろん、人にもそう説いていました。「資産はまず仕事の運転資金に活用、不動産投資など後回し」というのでした。

 しかし、金融業を営んでいると貸金の担保流れなどで、本店のあった日本橋界隈(当時)その他で、自家用住居・店舗以外の所有不動産も次第に増えてきました。これらの不動産保有は安田一族の個人名義または安田銀行名義とされていて、安田銀行地所部が管理していました。

図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 

4 すべては申告で決まる。最後まであきらめない
 生前対策は多くの方が必要と認識し、取り組んでいるにも関わらず、いざ、実際に相続になってしまってからは、生前対策のような取組みやこだわりがないように見受けられます。ほとんどの方は、税理士に任せきりではないでしょうか。

 その税理士を決める時でも慎重に選択するわけでもなく、なんとなく、今までの顧問だからとか、確定申告を依頼しているからという理由で決めてしまっていることがほとんどのようです。

 しかし、現実の相続では、亡くなって相続になってしまってからの申告が非常に大事なのです。
 生前対策をしている場合でも、していない場合でも、亡くなったときの財産をどう分割し、どう評価し、どう申告するかによって、相続税は大きく変わる可能性があります。 

 また、申告を誰に頼むかによっても、相続税は大きく変わってきます。
 申告のときに「節税の意識」をもって取り組めば、亡くなってからでも節税は十分に実現し得るのです。このことを知っていれば、亡くなってからの申告を誰に頼むかは、節税をしてくれる人に依頼することにつながります。

こうしたことを知っていると、頼む人を慎重に選ぼうと思うでしょうし、申告期限までに節税できることがあれば、いくらでも協力して取り組みたいと思うでしょう。

 亡くなってからでも節税できることを知っていれば、決して任せきりにしたり、投げやりになったりできないのではないでしょうか。

 

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