「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
相続にはコーディネーターが必要
相続を確定するのに避けて通れないのが遺産分割で、最初の重要課題であり、難題だといえます。遺産分割の仕方によって相続税が変わってきたり、納税方法が変わってきたりするので、このときにプロのアドバイスが必要です。
第三者が相続人間の交通整理をしたほうが、感情的にならずにまとまりやすいのですが、相続人の間に入って遺産分割を整理してくれる税理士は少ないようなのです。
プロのアドバイスがないため、よけいな争いや感情的に対立してしまうこともあるのが現状です。
税額が決まれば納税の手段を考えなくてはなりません。現金がなければ物納や延納、売却などの方法を選択しなければなりませんが、そのときの判断もプロのアドバイスが必要です。
ところが、納税方法や納税資金の捻出についても的確なアドバイスをしてくれる税理士が少ないようです。
こうした相続人の不利益を回避するためには、専門家のまとめ役となる者、すなわち相続コーディネーターが不可欠になってきます。
相続を仕上げるために、専門家が案やノウハウを提供しあい、相続人も含めて一つのチームとなって成果を出すことに全力を尽くすのです。
こうした協力体制を取れたとすれば、いい成果が出せるはずです。なにより、こうして相続人や専門家が知恵を出し合い、協力して作り上げた相続であれば、相続人も納得でき、本望と言えるのではないでしょうか。
誰が相続人になるのか
民法では相続人の範囲と順位について、次のとおり定めています。相続を放棄した人や相続権を失った人は、初めから相続人でなかったとされます。
〈法定相続人の範囲〉
・血族相続人----直系卑属(ちょっけいひぞく)(子や孫など)・直系尊属(そんぞく)(父や母など)、傍系(ぼうけい)の血族(兄弟姉妹・おい・めいなど)
・配偶相続人----配偶者
●血族相続人には順位がある
法定相続人は、公平に相続できるわけではなく、誰が優先的に相続できるかが決められています。しかも、上位の順位者がいるときには、下位の順位の血族には、相続権はありません。
(イ)被相続人の子(子が被相続人の相続開始以前に死亡して、その子もないときや相続権を失っているときは、被相続人の父母が相続人)
(ロ)被相続人に子や孫がいないときは、被相続人の父母(父母が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや相続権を失っているときは、祖父母が相続人)
(ハ)被相続人に子や孫も父母や祖父母もいないときは、被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや相続権を失っているときは、おい・めい〈兄弟姉妹の子〉が相続人)
第1順位 直系卑属(子や孫など)
第2順位 直系尊属(父や母など)
第3順位 傍系の血族(兄弟姉妹・おい・めいなど)



