図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)
4 相続財産の分け方-2
●遺留分
遺言書は法定相続分より効力があり、被相続人は、自分の財産を遺言によって自由に処分することができます。愛人や他人に財産を与えることもでき、遺族が生活に困るといったケースも出てきます。そこで、こうした事態を避けるために、一定の範囲の相続人が最低限相続できる財産を保証しています。これが「遺留分」です。
〈遺留分算定上の財産価格の求め方〉
遺留分算定上の財産価格=被相続人の死亡時の財産価格+贈与した財産価格-債務の額
●遺留分の減殺請求
遺留分が侵害されたときは、相手方に財産の取戻しを請求できます。これを「遺留分の減殺請求」といいます。
減殺の請求は相手方に内容証明郵便で「減殺する」という意思を通知します。
減殺の請求権は相続があることを知ってから1年以内、侵害されていることを知ってから1年以内に行使しないと消滅します。
●遺産分割
相続人が複数いるときは、誰がどの財産をどのくらいの割合で相続するかといった話し合いをして、遺産の分け方を決めなければなりません。
遺産の分配を「遺産分割」といいます。最初に相続人を確定し、遺産を確定して、財産目録を作成します。遺言がある場合は優先しますが、ない場合は、相続人全員が納得すればどういうふうに分けてもかまいません。必ずしも法定相続分どおりに分ける必要はありません。
5 相続財産の分け方-3
●具体的な遺産分割の方法
遺産を分割する方法としては、次の3つがあります。
① 現物分割--誰がどの財産をとるか決める方法で最も一般的
② 代償(だいしょう)分割--ある相続人が法定相続分以上の財産を取得する代わりに、他の相続人たちに自分の金銭を支払う方法
③ 換価分割--相続財産をすべて売却して、その代金を分割する方法
たとえば、一部の財産を現物分割し、納税用の財産は換価分割するなど、以上の方法を組み合わせることも可能です。また、全財産を相続人全員で共有する場合もあります。
●遺産分割協議書の作り方
相続人同士で遺産の分割が確定した場合は、遺産分割協議書を作ります。遺産分割協議書の作り方には決まったルールはありませんが、次の2点に注意が必要です。
① 相続人全員が名を連ねること
② 印鑑証明を受けた実印を押すこと
さらに、相続人に未成年者がいる場合は、家庭裁判所で特別代理人の選任を受けた代理人が協議を行うことになります。
不動産の相続登記や相続税の申告、銀行預金の解約手続などの際にも遺産分割協議書が必要になります。遺産分割協議書の作成後、遺産の分割が実行された後は、原則としてやり直しはできませんので、全員が納得して作成するようにします。

