「相続コーディネート入門」 13 曽根恵子

図解不動産業シリーズ
「相続コーディネート入門」 
曽根恵子著
住宅新報社刊
定価1785円(本体1700円)

 8 遺言書の有無で相続が変わる--1

●遺言とは

 遺言とは、人の生前における最後の意思で、その死後、法律的に保護し、実現させるための制度です。法的に有効な遺言書がある場合、相続人たちはそれに従わなければなりません。


●遺言でできること

 遺言は、自分の意思を残すためには最も確実な方法です。遺言で残せる意思表示は、法的に次の3点に集約されています。

① 相続に関する事項

② 身分に関する事項(相続人となるべき人を指定する)

③ 財産処分に関する事項

 

●遺言を残したほうがよいケース(一例)

① 子供がなく、配偶者と親か兄弟姉妹が相続人になる場合

② 父母を異にする子がある場合

③ 子供のなかで特別に財産を多く与えたい者がいる場合

④ 相続人の間に不和がある場合

⑤ 相続権のない孫や兄弟姉妹に遺産を与えたい場合

⑥ 子供の嫁に財産の一部を与えたい場合       

⑦ 内縁の妻や認知した子供がいる場合

⑧ 同族会社や個人事業者で、後継者を指定しておきたい場合

⑨ 生前世話になった第三者に遺産の一部を分け与えたい場合

⑩ 遺産を公益事業に役立たせたい場合


9 遺言書の有無で相続が変わる--2

●遺言書の種類

〈普通方式〉

・自筆証書遺言----遺言者が、すべて自筆で作る遺言書

・公正証書遺言----遺言者が口頭で述べた内容を公証人が文書にする遺言書

・秘密証書遺言----秘密に保管する方式の遺言書

〈特別方式〉

・危急時遺言----死亡危急者の遺言、船舶遭難者の遺言

・隔絶地遺言----一般隔絶地遺言、船舶隔絶地遺言

 

●遺言書作成の注意点----自筆証書遺言の方法

① 全文を自分で書く----ワープロ・録音テープは、不可

② 表題をつける

③ 文体、字体に定めはない

④ 署名----氏名をきちんと全部書く

⑤ 印鑑----認印でもよい

⑥ 用紙・筆記具の制限はない、鉛筆は不可

⑦ 枚数の制限はない

⑧ 日付----○年○月○日まで記入する

 

●遺言の保管方法

① 自宅の金庫などにしまっておく

② 銀行の貸金庫に預ける

③ 遺言執行者・証人に預ける

※公正証書遺言にすれば、原本は公証役場に保管される