不動産鑑定評価入門6 植杉伸介

不動産鑑定評価基準の記述内容に戻りましょう。

 農地地域とは,農業生産活動のうち耕作の用に供されることが,自然的,社会的,経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。


 農地地域とは,田んぼや畑など農作物の栽培を目的とする土地を中心として地域的なまとまりを持った地域です。
 農地地域は,さらに田地地域,畑地地域等に分けられることがありますが,畑地地域等には,果樹,桑,茶のような樹木性の作物の栽培をする樹園地地域も含まれます。樹木だからといって,次の林地地域に含まれると勘違いしないようにしてください。

 林地地域とは,林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に供されることが,自然的,社会的,経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいう。

 特用林産物とは,林野副産物ともいい,木材,薪炭以外で,林野から生産または採取するものをいいます。くり・くるみ等の樹実類,すぎ,しゅろ等の樹皮類,まつたけ,しいたけ,わさび,うるし等があります。
 林地地域は,その立地条件や地域の特性により,さらに次のように細分化されることがあります。


1 都市近郊林地地域
 都市の近郊にある林地地域で,宅地化の影響を受けている地域
2 農村林地地域
 農家集落の周辺にある林地地域で,一般に農業を主に林業を兼業している農家が多い地域(いわゆる「さとやま」と呼ばれる地域)
3 林業本場林地地域
 林業経営を主とする者が多い地域または有名林業地で,有名林業地としての銘柄の用材等を生産している林地地域
4 山村奥地林地地域
 農家集落への距離等の交通接近条件が悪い地域で,林業を営む者は少なく,かつ,散在している林地地域

 なお,宅地地域,農地地域,林地地域等の相互間において,ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域及び宅地地域,農地地域等のうちにあって,細分されたある種別の地域から,その地域の他の細分された地域へと移行しつつある地域があることに留意すべきである。

 たとえば,都市化が進むことにより,これまで農地地域であった地域が,宅地地域に移行していくことがあります。
 地域の種別を考える際には,このようなことにも配慮するべきです