「マンガはじめて建築設備入門」 3  氷見敏明

☆「本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」☆

 

 

5.ガス設備
彩「ねぇ、太郎!私、先週、田舎のおばあちゃんの家にいったんだけど、ガス漏れ警報の検知器が床に近い位置に設置されているのよ。」


太郎「それがどうかしたの?」


彩「だって、私の家にあるガス漏れ警報の検知器は、天井に近い位置に設置されているのよ。どちらかの位置が間違っているんじゃないかと思って心配になったのよ。」


太郎「なるほど、でも、それぞれ正しいと思うな」


彩「なんで?」


太郎「彩の家のガスの種類は都市ガスだろ?たぶん、おばあちゃんちのガスはLPガスなんだよ。おばあちゃんちの家の外にガスボンベあっただろ?」


彩「そういえば、台所の外にガスボンベがあって、そこからホースで台所のガスコンロにつながっていたわね。」


太郎「マンションに供給されるガスは、おもに都市ガスとLPガスに分かれるんだ。一般的にいうと、都市ガスは、空気より軽く、LPガスは空気より重いんだ。」


彩「なるほど、都市ガスが漏れた場合には、天井近くに漏れたガスがたまり、LPガスが漏れた場合には、床に近い部分にたまるわけね。ガス漏れを認識する検知器の位置が違ってくるのね。」


 

太郎「そうなんだ。ガス漏れ警報の検知器は、空気より軽い都市ガスの場合には、ガス栓から水平距離が8m以内の範囲で天井から30cm以内に設けるんだ。」

彩「空気より重いLPガスのガス漏れ警報の検知器はどういう位置につけるの?」
太郎「空気より重いLPガスの検知器は、ガス栓から水平距離が4m以内の範囲で床上30cm以内に設けるんだよ。」

彩「都市ガスは、おもに、輸入した液化天然ガス(LNG)を気化した天然ガスや国内で産出される天然ガスに液化石油ガスを混合して熱量調整した「13A」と呼ばれる規格が用いられているんでしょ?」

太郎「そうなんだよ。それから、ガスコンロ、ガスストーブ等、移動して使用するガス器具とガスホースの接続に簡単で安全なガスコンセントを使用することが多くなったね。」

彩「ガスコンセントは、接続具をカチッと差し込むだけでガス栓が自動的に開き、はずすとガスが止まる簡単で安心な設計よね。」

太郎「万一接続具が外れても、ガスの流出を自動的に遮断する機能が付いているんだ。これをヒューズ機能というけどね。」


彩「家の外には、メーターが付いているんだけど、これ何ていうの?」

 

太郎「それはね、マイコンメーターっていうんだよ。マイコンメーターは、ガスメーターにマイコンが搭載されており、マイコンに正常なガスの使用パターンが記憶されており、ガスの放出や消し忘れ、地震等の異常を判断するとガスを自動的に遮断したりするんだ。」

彩「マイコンって舞妓はんのこと?なんてね(^3^)。マイコンって何?」
太郎「そんなあほなこと聞くのは、だじゃれ~ってか!マイクロコンピューターの略称だよ。マイコンメーターはね、震度5強相当以上の地震を感知するとガスを自動的に遮断するんだ。」

彩「お風呂の火をつけ放しで出かけちゃったってときはどうなるの?」
太郎「必要以上に使用時間が長い場合にも、マイコンメーターは、自動的にガスを止めるんだ。ついうっかりの消し忘れなどによる長時間使用にも安全に対応しているんだよ。」

彩「マイコンメーターがなかったら、大変なことになる可能性があるのね。マイコンメーターってかわいい~。デザインをもっと、かわいくする必要があるわね。」

太郎「ピンク色のマイコンメーターは気持ち悪いから、やめてくれよな。

彩「たとえば、ガスコンロの周りを掃除していて、気付かずにガスホースを外してしまった場合なんかはどうなるの?」

太郎「その場合にも、ガスが不自然に大量に流れるとマイコンが判断したときは、自動的にガスを止めるんだよ。」