「マンガはじめて建築設備入門」1 氷見敏明

本原稿は『マンガはじめて建築設備入門』住宅新報社22年発刊予定のものの草稿です」


コンクリート1

太郎「彩、建設会社に入社したんだってな。おめでとう。ところで、恥ずかしくて今さら聞けない事ってあるじゃない。友達のよしみで教えてよ。コンクリートって何?灰色で固いのは分かってるぜ」

彩「そうそう、意外に知られていないのよね。私の新入社員用資料を貸してあげるから、それを見て答えるのよ。セメントに水を混ぜた物を何という?」

太郎「う~んと。セメントペーストだね。」

彩「そのとおりよ。セメントペーストに砂を混ぜると何という?」

太郎「モルタルだね。そうか、セメントに水と砂を混ぜるとモルタルか」

彩「いい調子!そして、モルタルに何を混ぜるとコンクリートになるかな?」

太郎「だじゃりだ!おっと、砂利だ!」

彩「あい変わらず、ダジャレ言ってんのね~セメント、水、砂、砂利を混ぜた物をコンクリートというのよ。セメントペーストは、砂や砂利をくっつける接着剤だと考えればいいのよ。」

セメント+水     =セメントペースト

セメント+水+砂   =モルタル

セメント+水+砂+砂利=コンクリート

 
太郎「それから、資料に書いてあるけど、モルタルやコンクリートの性能を向上させるための混和材を入れてあるのが一般的なんだね。」

彩「そうなの、マンション管理士試験や管理業務主任者試験を受けるなら、混和材も知っていないとだめね。それに、蛇足だけど、空気の粒(空隙)もコンクリートには入ってしまうわよね。」

太郎「コンクリートの中には、練り混ぜのときに含まれる空隙、あるいは、コンクリートが固まった後(硬化後)、セメントペーストに含まれる水分が乾燥し、空隙が残されることになるんだね。」

彩「空隙があると強度が低下するので、できるだけ少ないほうが良質なコンクリートといえるわね。」

太郎「本来、物を接着する材料をセメントというらしいけど、いろいろな種類のセメントのなかで、最も生産量が多いのは何?」

彩「普通ポルトランドセメントね。通常、セメントと言えば、普通ポルトランドセメントのことを指しているといっていいわね。」

太郎「ポルトランドセメントの主な原料は何なの?」

彩「主な原料は、石灰石、けい石、粘土などね。これらの原料を高温で焼いてできたものをクリンカーというのよ。」

太郎「じゃ、ポルトランドセメントというのは、クリンカーのことなの?」

彩「ポルトランドセメント=クリンカーではないのよ。クリンカーに石膏を混ぜて細かく砕いて粉にしたものをセメントというのよ。ところで、水和反応って何か説明して。」

太郎「え~っと、水和反応とは、セメントに水を混ぜて、どろどろになった後、水分が蒸発しながら硬くなって(硬化)、強度を増していくことだね。」

彩「そうね、水和反応は長時間かかり、凝固時間(固まる時間)は、石膏の配合割合により大きく異なると言われているわね。」

太郎「一般に,化学反応が起こるときには,熱を発生(発熱)させたり、熱を奪ったり(吸熱)するけど、セメントに水を混ぜると化学反応を起こして発熱したりするの?」

彩「そうよ、セメントと水が反応して「発熱反応」を起こすのよ。この発熱の「水和熱」と呼んでいるの。

太郎「水和熱って、結構、俺みたいに、熱くなるものなの?」

彩「何言ってんの。でもね、普通ポルトランドセメントの水和熱は、何と40℃から50℃になることもあるのよ。」

太郎「ポルトランドセメントには、普通ポルトランドセメント以外にも、品質・性質によって様々な種類があるんでしょう?」

彩「そうね、早強ポルトランドセメントというのがあるわね。これは、普通ポルトランドセメントよりも、エーライトという化合物を多く入れるの。そうすることによって、短時間で大きな強度を得ることができるのよ。」

太郎「そうか、早く、硬くなることにより工期を短くすることができるんだね。」

彩「それからポルトランドセメンに、フライアッシュ等を混入したものを、混合セメントというのよ。フライアッシュを混入した混合セメントをフライアッシュセメントともいうわね。フライアッシュとは、火力発電所からでる煤(すす)のことよ。」

 

 

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