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国試記述式対策 「不動産登記法」 尾原祥之

(司法書士) 尾原祥之

問題
 登記記録に次のような記録(登記事項一部省略)がある甲土地について,平成19年9月5日,司法書士法務太郎は,すべての関係者から事実関係1から4までの事実を聴取し,これらの事実に基づく登記の申請手続に必要な書類を受領するとともに,登記の申請手続等について代理することの依頼を受けた。

 同月6日,法務太郎は,これらの事実に基づく登記の申請を行った。

 平成20年7月1日,法務太郎は,すべての関係者から事実関係5の事実を聴取し,その事実に基づく登記の申請手続に必要な書類を受領するとともに,登記の申請手続等について代理することの依頼を受けた。

 同月2日,法務太郎は,これらの事実に基づく登記の申請を行った。

 次の(1)から(3)までの問いに答えなさい。

(1) 平成19年9月6日に申請した登記の申請書に記載すべき申請情報のうち,不動産の所在事項,代理人の表示,申請年月日,登記所の表示及び課税標準の金額を除いた事項を,答案用紙の第1欄に記載しなさい。

 なお,申請すべき登記が3件以上ある場合は,最初に申請する登記及び最後に申請する登記についてのみ記載するものとし,申請すべき登記が1件で足りる場合は,2件目の欄に斜線を引くこと。


(2) 平成20年7月2日に申請した登記の申請書に記載すべき申請情報のうち,登記の目的,登記原因及びその日付,申請人並びに登録免許税を,答案用紙の第2欄に記載しなさい。


(3) 後記の事実関係のうち,登記を申請することができない事実を含むものがある場合は,その事実関係の番号を答案用紙の第3欄に記載し,その理由を簡潔に記載しなさい。登記を申請することができない事実を含むものがない場合は,同欄に「ない」と記載しなさい。


(登記記録の記録)
甲土地
 表題部(省略)
 権利部
 甲区
  1番(省略)
  2番 所有権移転
     平成15年5月18日受付第5100号
     原因 平成15年5月18日売買
     所有者 株式会社M
 乙区
  1番 根抵当権設定
     平成15年5月18日受付第5101号
     原因 平成15年5月18日設定
     極度額 金2,000万円
     債権の範囲 金銭消費貸借取引
     債務者 株式会社M
     根抵当権者 X
  2番 抵当権設定
     平成16年2月1日受付第2100号
     原因 平成16年2月1日金銭消費貸借同日設定
     債権額 金1,000万円
     利息 年3%  損害金 年14%
     債務者 株式会社M
     抵当権者 Y


(事実関係)

1 平成19年9月5日,株式会社MとAは,株式会社Mの所有する甲土地をAに売却する旨の契約を締結した。

2 甲土地乙区1番の根抵当権の被担保債権で,平成19年9月5日の時点で存するものは,平成15年5月18日付金銭消費貸借に基づき株式会社MがXに対して負担している金銭債務であるところ,同日,X,株式会社M及びBは,当該債務をBが免責的に引き受ける旨の契約を締結した。

  なお,Aはこの契約に同席し,当該債務引受を了承したうえで,Xとの間で,甲土地乙区1番の根抵当権の債務者をBに変更するとともに,X・B間の金銭消費貸借取引によってBが負担する債務の他に,上記でBが引き受けた債務を当該根抵当権で担保させるために,債権の範囲の変更をする旨の契約を締結した。

3 平成19年9月5日,Y,株式会社M及びBは,甲土地乙区2番の抵当権の被担保債権につき,Bが免責的に当該債務を引き受ける旨の契約を締結した。

  なお,Aはこの契約に同席し,当該債務引受を了承したうえで,Yとの間で,Bが引き受けた債務を甲土地乙区2番の抵当権で引き続き担保させる旨の合意をした。

4 平成19年9月5日,BはYから金500万円を借り入れた。同日Y及びAは,当該借入金債務を担保するために,甲土地乙区2番の抵当権につき,債権額を金1,500万円に変更する旨の契約を締結した。

5 平成20年6月15日,Aが死亡した。Aの相続人は,夫B及び子Cのみである。なお,Aは次の3通の遺言を遺している。


 ①甲土地をEに遺贈し,遺言執行者をKと指定する旨の平成19年9月10日付公正証書による遺言

 ②甲土地をFに遺贈し,遺言執行者をLと指定する旨の平成20年1月15日付自筆証書による遺言

 ③平成20年1月15日付遺言(②の遺言)を撤回し,平成19年9月10日付遺言(①の遺言)を復活させる旨の平成20年4月12日付自筆証書による遺言


(答案作成上の注意事項)

1 上記事実関係中の行為のうち,適法に行われた行為については,法律上必要な書類はすべて適式に作成されているものとする。

 なお,事実関係5の自筆証書による遺言(②:平成20年1月15日付,③平成20年4月12日付)はいずれも平成20年6月30日に家庭裁判所の検認手続がされている。

  また,甲土地の登記記録に記載されている当事者間には,各登記記録に記載されている権利義務以外に,甲土地に関し,実体法上の権利義務関係は存在しない。


2 登記原因につき第三者の許可,同意又は承諾を要する行為については,その承諾等は,当該行為までに得られているものとする。なお,株式会社Mにおいては,次に掲げる内容の承諾行為がされている。


 (株式会社Mにおける承諾行為)

  株式会社Mは,取締役会設置会社であり,監査役設置会社である。株式会社Mの定款には,会社法370条(注意事項末尾参照)の定めがある。

 平成19年9月5日,株式会社Mの取締役であったAは,事実関係1の売買を提案して,他の取締役B及び代表取締役Cの同意を書面により得ている。

 監査役Dは,甲土地の売却について異議を述べていない。

 代表取締役Cは,甲土地の売却の提案について取締役会議事録を作成している。

 なお,同日の時点における株式会社Mの役員構成は,代表取締役C,取締役A及びB並びに監査役Dである。


3 甲土地を管轄する登記所は,不動産登記法附則第6条第1項に規定する法務大臣の指定を受けた登記所(いわゆるオンライン庁)であり,必要な登記の申請情報及び申請情報と併せて提供することが必要な情報の提供は,書面を提出する方法(ただし,磁気ディスクを提出する方法を除く)によりするものとする。


4 各登記記録に記録されている登記名義人の住所・本店及び氏名・商号に変更事項はない。


5 登記事項及び申請人を記載するには,住所,本店又は代表機関の資格及び氏名を記載することを要しない。

 また,「申請人」を記載するに当たっては,「権利者」,「義務者」,「所有者」等の表示を記載する。


6 登記原因証明情報以外の添付書面を記載するに際しては,たとえば「印鑑証明書(Aの印鑑証明書)」「代理権限証明情報(Bの委任状)」のように,添付書面の種類が特定されている場合には当該種類を明記するとともに,括弧書きで,個々の具体的な書面の名称を明記し,だれの又は何に関するものか内容を特定できるものはそれを明記する。

 また,登記識別情報又は登記済証については,「登記識別情報(甲区1番の登記識別情報)」「登記済証(乙区2番の登記済証)」のように順位番号も記載する。なお,「前件添付」や「添付省略」等の記載はしない。

7 数字を記載する場合は,算用数字を使用する。

8 甲土地の課税標準の額は金4,000万円であり,租税特別措置法による税の減免の規定の適用はないものとする。

9 訂正,加入又は削除をしたときは,押印や字数を記載することを要しないが,削除は二重線を引いて近接箇所に正書し,挿入は挿入する部分を明示して行うなど,その内容が明確に分かるようにする。


(参考)
会社法第370条 取締役会設置会社は,取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において,当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては,監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は,当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。

 会社法施行規則第101条第4項 次の各号に掲げる場合には,取締役会の議事録は,当該各号に定める事項を内容とするものとする。

 一 法第370条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項

  イ 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容

  ロ イの事項を提案した取締役の氏名

  ハ 取締役会の決議があったものとみなされた日

  ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
 (略)


答案用紙

第1欄 平成19年9月6日申請分

(所有権に関する登記)



(所有権以外の権利に関する登記)



第2欄 平成20年7月2日申請分


登記の目的/登記原因及びその日付 申請人/登録免許税

第3欄 申請することができない事実関係及びその理由

番号 理   由

解説

1.平成19年9月6日申請分

(1)所有権移転の登記(会社・取締役間の利益相反取引)
 平成19年9月5日,株式会社MとAは,株式会社Mの所有する甲土地をAに売却する旨の契約を締結した(事実関係1)。


 Aは株式会社Mの取締役であることから(答案作成上の注意事項(以下「注意事項」という):2),株式会社MとAとの間の甲土地の売買は利益相反取引となる。

 そのため,取締役会設置会社である株式会社Mにおいては(注意事項:2),当該売買につき取締役会の承認を得ることを要するのであるが(会社法356条1項2号,365条1項),株式会社Mの定款には,書面による取締役会決議(370条)に関する定めがあり,平成19年9月5日に,Aが当該売買について提案をし,他の取締役の全員であるBおよびCの同意を書面により得,また,監査役Dは当該売買について,異議を述べていないことから,当該売買については,取締役会において承認する決議があったものとみなされる(注意事項:2)。


※ Aは当該売買についての承認決議に関して特別の利害関係を有するため,その議決に加わることができないことから(会社法369条2項),書面等による同意をすべき者には該当しない(370条)。

 したがって,「売買」を登記原因とする株式会社MからAへの所有権移転登記を申請する。
後記4(1)

(2)根抵当権の被担保債権の免責的債務引受と債務者・債権の範囲の変更の登記

 平成19年9月5日,X,株式会社MおよびBは,乙区1番の根抵当権の被担保債権である平成15年5月18日付金銭消費貸借に基づき株式会社MがXに対して負担している金銭債務をBが免責的に引き受ける旨の契約を締結した(事実関係2)。

 これにより,当該債務の債務者はBになるのであるが,元本確定前の根抵当権は随伴性を有さないため,当該債務は乙区1番の根抵当権によって担保されないことになる。

 ただし,甲土地の所有者であるAがこの契約に同席し,当該債務引受を了承したうえで,Xとの間で,甲土地乙区1番の根抵当権の債務者をBに変更するとともに,X・B間の金銭消費貸借取引によってBが負担する債務の他に,上記でBが引き受けた債務を当該根抵当権で担保させるために,債権の範囲の変更をする旨の契約を締結している(事実関係2)。

 したがって,乙区1番の根抵当権につき,「変更」を登記原因とする債務者および債権の範囲の変更の登記を申請する。
後記4(2)

※ 当該債務引受は,会社・取締役間の取引であるが,会社が不利益となるものではないので,利益相反取引とはならない。


(3)抵当権の被担保債権の免責的債務引受と債務者の変更の登記

 平成19年9月5日,Y,株式会社MおよびBは,乙区2番の抵当権の被担保債権につき,Bが免責的に当該債務を引き受ける旨の契約を締結した(事実関係3)。

 これにより,当該債務の債務者はBになり,また,甲土地の所有者(物上保証人)であるAがこの契約に同席し,当該債務引受を了承したうえで,Yとの間で,Bが引き受けた債務を乙区2番の抵当権で引き続き担保させる旨の合意をしたので(事実関係3),当該債務は引き続き乙区2番の抵当権によって担保されることになる。

 したがって,乙区2番の抵当権につき,「免責的債務引受」を登記原因とする債務者の変更の登記を申請する。 →後記4(3)

※ 当該債務引受は,会社・取締役間の取引であるが,会社が不利益となるものではないので,利益相反取引とはならない。


2.事実関係4について(問(3))

(1)抵当権の債権額の増額変更

 本問のように,乙区2番の抵当権の被担保債権がBのYに対する金1,000万円の金銭債務(Bが株式会社Mから免責的に引き受けた債務)である場合において,新たにBがYから借り入れた金500万円の債務も併せて担保させるために,当該抵当権の債権額を金1,500万円に増額変更することはできない(明32・11・1民刑1904号民刑局長回答)。

 抵当権は,特定の債権を担保するために成立し存続するので(付従性),後から発生した別個の債権を既存の被担保債権と併せて担保させる(被担保債権額を増額変更する)と付従性に反することになるからである(→第3欄)。

 この場合,後から発生した債権(金500万円)を抵当権によって担保させたければ,当該債権につき新たな抵当権を設定すべきである。


3.平成20年7月2日申請分

(1)遺言の撤回擬制
 平成20年6月15日,甲土地の所有者であるAが死亡した(事実関係5)。Aは,平成19年9月10日に甲土地をEに遺贈する旨の公正証書による遺言(①の遺言)をしていたが,その後の平成20年1月15日に甲土地をFに遺贈する旨の自筆証書による遺言(②の遺言)をしている。

 このように,前の遺言(①の遺言)が後の遺言(②の遺言)と抵触するときは,その抵触する部分については,後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる(民法1023条1項)。

 本問では,①の遺言が公正証書によるものであり,①の遺言を撤回する②の遺言が自筆証書によるものであるが,両遺言の方式は同一である必要はないので問題ない。


(2)遺言のさらなる撤回(撤回の撤回)

 Aは,さらに平成20年4月12日に,平成20年1月15日付遺言(②の遺言)を撤回し,平成19年9月10日付遺言(①の遺言)を復活させる旨の自筆証書による遺言をしている。

 撤回(擬制)された①の遺言は,その後に②の遺言を撤回する旨の遺言がされたとしても,原則としてその効力を回復しない(民法1025条本文)のであるが,本問における③の遺言のように,遺言者Aが①の遺言を撤回(擬制)する②の遺言をさらに別の③の遺言をもって撤回した場合において,遺言書の記載に照らし,遺言者Aの意思が当初の①の遺言の復活を希望するものであることが明らかなときは,民法1025条ただし書の法意に鑑み,当初の遺言の効力が復活する(最判平9・11・13)。

 したがって,Aの死亡に伴い,③①の遺言(遺贈)によってEが甲土地の所有権を取得するので,「遺贈」を登記原因とするAからEへの所有権移転登記を申請する。  →後記4(4)


4.各登記の申請書について

(1)所有権移転登記(第1欄)

①登記の目的
「所有権移転」と記載する。

②登記原因及びその日付
「平成19年9月5日売買」と記載する。
※ 日付は売買(による所有権移転)の日。

③申請人
 売買により甲土地の所有権を取得したAが登記権利者,売主株式会社Mが登記義務者となり(不登法60条),それぞれの表示を記載する。

④添付書面

a.登記済証(不登法22条,不登法附則6条3項)
 株式会社Mの甲区2番所有権移転登記の「登記済証」を添付する。

b.登記原因証明情報(不登法61条)
 甲土地の所有権が,(株式会社Mの書面による取締役会決議を受けて)売買により有効に株式会社MからAに移転したことを証する情報を記載した書面を添付する。

c.印鑑証明書(不登令18条2項・3項)
 株式会社Mの代表取締役Cの印鑑証明書(作成後3か月以内)を添付する。

d.住所証明情報(不登令別表30添付情報欄ロ)
 Aの住所を証する書面(住民票の写し等)を添付する。

e.資格証明情報(不登令7条1項1号)
 株式会社Mの代表取締役Cについての資格を証する書面(代表者事項証明書,登記事項証明書等)を添付する。

f.代理権限証明情報(不登令7条1項2号)
 Aの委任状,株式会社Mの代表取締役Cの委任状を添付する。

g.取締役会議事録(不登令7条1項5号ハ,19条)
 株式会社Mの「書面による取締役会議事録」を添付する。なお,定款に書面による取締役会決議(会社法370条)に関する定めがあることを証するため,「定款」も添付するものと考えられる。


⑤課税標準の額・登録免許税

 課税標準の額は「金4,000万円(注意事項:8)」であり,これに税率1000分の20(登免別表第1.1(2)ハ)を乗じて得た額「金80万円」が登録免許税の額である。


(2)根抵当権の変更の登記(第1欄-1件目)

①登記の目的
「1番根抵当権変更」と記載する。

②登記原因及びその日付
「平成19年9月5日変更」と記載する。
※ 日付は変更契約の日。

③登記事項
 変更後の債務者と債権の範囲を記載する(解答例参照)。

④申請人
 根抵当権者Xが登記権利者,根抵当権設定者(所有権登記名義人)Aが登記義務者となり,それぞれの表示を記載する。

⑤添付書面

a.登記識別情報(不登法22条)
 Aの甲区3番所有権移転登記(前記(1)参照)の登記識別情報を添付する。

b.登記原因証明情報(不登法61条)
 1番根抵当権の債務者および債権の範囲が変更されたことを証する情報を記載した書面(根抵当権変更契約書等)を添付する。

c.印鑑証明書(不登令18条2項・3項)
 Aの印鑑証明書(作成後3か月以内)を添付する。

d.代理権限証明情報(不登令7条1項2号)
 Aの委任状,Xの委任状を添付する。

⑥登録免許税
 不動産が1個(甲土地)なので,金1,000円である(登免別表第1.1(14))。


(3)抵当権の変更の登記(第1欄-2件目)

①登記の目的
「2番抵当権変更」と記載する。

②登記原因及びその日付
「平成19年9月5日免責的債務引受」と記載する。
※ 日付は債務引受契約の日。

③登記事項
 変更後の債務者を記載する(解答例参照)。

④申請人
 抵当権者Yが登記権利者,抵当権設定者(所有権登記名義人)Aが登記義務者となり,それぞれの表示を記載する。

⑤添付書面
a.登記識別情報(不登法22条)
 Aの甲区3番所有権移転登記(前記(1)参照)の登記識別情報を添付する。

b.登記原因証明情報(不登法61条)
 債務引受によりAが債務者となった旨を証する情報を記載した書面(免責的債務引受契約書等)を添付する。

c.代理権限証明情報(不登令7条1項2号)
 Yの委任状,Aの委任状を添付する。

※ 抵当権の債務者の変更の登記については,登記義務者が所有権の登記名義人であっても,印鑑証明書を添付することを要しない(不登規則48条1項5号,49条2項4号)。


⑥登録免許税
 不動産が1個(甲土地)なので,金1,000円である(登免別表第1.1(14))。


(4)所有権移転の登記(第2欄)

①登記の目的
「所有権移転」と記載する。

②登記原因及びその日付
「平成20年6月15日遺贈」と記載する。
※ 日付は遺贈の効力の生じた日すなわちAの死亡した日(民法965条)。自筆証書遺言の検認の日は関係ない。

③申請人
 遺贈により甲土地の所有権を取得したEが登記権利者となり,遺言執行者Kが登記義務者となって申請する(不登法60条,民法1015条参照)。この場合における本来の登記義務者は所有権登記名義人(遺贈者)Aであるが,Aは死亡しているので,申請書には登記義務者として「亡A」と記載し実際に申請するKは記載しない。

④添付書面
a.登記識別情報(不登法22条)
 Aの甲区3番所有権移転登記(前記(1)参照)の登記識別情報を添付する。

b.登記原因証明情報(不登法61条)
 甲土地の所有権が遺贈によりEに移転したことを証する情報を記載した書面を添付する。

c.印鑑証明書(不登令18条2項・3項)
 遺言執行者Kの印鑑証明書(作成後3か月以内)を添付する。

d.住所証明情報(不登令別表30添付情報欄ロ)
 Eの住所を証する書面(住民票の写し等)を添付する。

e.代理権限証明情報(不登令7条1項2号)
 Eの委任状並びに遺言執行者Kの資格を証するAの遺言書・戸籍謄本等およびKの委任状を添付する。

⑤課税標準の額・登録免許税
 課税標準の額は「金4,000万円(注意事項:8)」であり,これに税率1000分の20(登免別表第1.1(2)ハ)を乗じて得た額「金80万円」が登録免許税の額である。

解答例

第1欄 平成19年9月6日申請分

(所有権に関する登記)

登記の目的 所有権移転
原    因 平成19年9月5日売買
権  利  者 A
義  務  者 株式会社M
添 付 書 面
  登記済証(甲区2番の登記済証)
  登記原因証明情報
  印鑑証明書(株式会社Mの代表者の印鑑証明書)
  住所証明情報(Aの住民票の写し)
  取締役会議事録(株式会社Mの取締役会議事録)
  資格証明情報(株式会社Mの代表者事項証明書(※))
  代理権限証明情報(Aの委任状及び株式会社Mの代表者の委任状)
  登録免許税 金80万円
  (※)「登記事項証明書」でも可

(所有権以外の権利に関する登記)


登記の目的 1番根抵当権変更 
原    因 平成19年9月5日変更 変更後の事項 
債  務  者  B  
 債権の範囲 金銭消費貸借取引
  平成19年9月5日債務引受(旧債務者株式会社M)にかかる債権
権  利  者  X
義  務  者  A
添付書面
  登記識別情報(甲区3番の登記識別情報)
  登記原因証明情報
  印鑑証明書(Aの印鑑証明書)
  代理権限証明情報(Xの委任状及びAの委任状)
  登録免許税 金1,000円


登記の目的 2番抵当権変更 
原    因 平成19年9月5日免責的債務引受 
変更後の事項 債務者 B
権 利 者  Y
義 務 者  A
添付書面  
  登記識別情報(甲区3番の登記識別情報)
  登記原因証明情報
  代理権限証明情報(Yの委任状及びAの委任状)
  登録免許税  金1,000円


第2欄 平成20年7月2日申請分
登記の目的 登記原因及びその日付 申請人 登録免許税
-----------------------------------
所有権移転 平成20年6月15日遺贈  権利者 E 義務者 亡A 金80万円

第3欄 申請することができない事実関係及びその理由
番号   理   由
 4    別個の債権を担保させるために,既存の抵当権の債権額を増加させることは,
      抵当権の付従性に反し認められず,当該債権額増額の変更契約は効力を生じないから。


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8 「重要事項説明書を作成するための調査」
7/16(水) 13:30~16:25
 講師:野辺公一氏((株)オプコード研究所 代表取締役 所長)
9 「建物現況調査の基礎知識(戸建編・マンション編)1」
10 「建物現況調査の基礎知識(同)2」
7/23(水) 
 講師:鈴木 優氏(不動産鑑定士)13:30〜14:50
11 「媒介契約と価格査定の必要性」
 講師:小田有志氏 15:05~16:25
   ((株)新日鉄都市開発 不動産ソリューション事業部グループリーダー)
12 「環境問題に関わるリスク回避と不動産調査説明」
お問い合わせ・お申し込み
(株)住宅新報社 不動産教育セミナー 係
TEL.03-3502-4151
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E-mail:jbook-hanbai@jutaku-s.com
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