2009年4月アーカイブ

1.司法書士試験を知る
 まず最初に,司法書士試験とはどのような試験なのか,について紹介させていただきます。司法書士試験の概要を知ったうえで,自分に合った無理のない学習計画を立てましょう。

(1)試験の概観
 司法書士試験は,1年に1回行われる国家試験です。この試験の受験資格には制限がなく,年齢,性別,学歴等に関係なく,だれでも受験することができます。近年は,出願者数・合格者数ともに増加傾向にあります。

 平成20年度の司法書士試験においては,その合格者数931名のうち240名(25.8%)が女性であり,また,平均年齢こそ31.94歳でしたが,その最低年齢は20歳から最高年齢は70歳まで実に幅の広い年齢層での合格者が出ました。

この年齢の公表は平成20年11月4日時点のものですが,最低年齢20歳の合格者の生年が昭和63年でしたから,平成21年度の司法書士試験では,いよいよ平成生まれの合格者が登場しそうです。 

 他方,司法書士試験の合格率は,過去5年間を見ても,約3%を推移しており,数ある国家試験の中でも依然として難関の部類に属するといえます。とはいうものの,数字ほど難しい試験ではありません。

司法書士試験において本来必要とされる受験期間は,適切な勉強をすれば,1年から2年です。このことは,過去の合格者が実証しています。

10.午後試験科目・商業登記法
(1)試験傾向
 8問の出題です。先述のように会社法と商業登記法は非常に密接なので,会社法の知識がしっかりしていると,こちらの学習は比較的楽にすすめられます。
 出題傾向としては「設立」「役員変更」「募集株式の発行」については,ほぼ毎年といっていいほど出題されます。
 そして,この科目の特徴的なことは「ひっかけ問題が多い」ということです。午後の択一試験の最後ということで受験生があせっていることを察知してか,かなりきわどいひっかけ問題が出されます。ただ,ひっかけのパターンはそう多くはないので,パターンを押さえておけば問題はありません。


(2)学習法
 まず,使用する教材にはご注意ください。この科目は会社法の制定に大きな影響を受け,現在でも最新の実務見解が出されています。少し古めの教材を使用するときは改正に伴い,すでに存在しない手続まで学習してしまいかねません。できるだけ最新の教材で学習するようにしましょう。

 そして,この科目を勉強するときは,常に会社法を意識しながら学習してください。簡単にいえば,会社法のテキストを横に置き,参照しながら学習することです。

会社法の手続を書面化していくのが商業登記法なので,会社法の知識は必須です。また,このような学習をしておけば,会社法と商業登記法の学習をセットで行えますので,学習効率としてもよいでしょう。

7.午後試験科目・供託法
(1)試験傾向
 3問の出題です。分野としては「弁済供託」「供託手続」「執行供託」の3つが多く出題されます。
 また,過去問の知識を持っていれば,正解にたどりつけるというのもこの科目の特徴です。難解な肢が分からなくても,正解に至ることはできます。難度は,それほど高くないので,ぜひ全問正解したい科目です。

(2)学習法
 上記のとおり,やはり過去問中心の学習がよいでしょう。過去問で出題された分野について,結論を押さえていく学習が効率的です。
 また,先例が多くありますが,先例の事案を変えずに出題がされますので,丸暗記という姿勢でもこの科目を乗り切ることは可能です。


8.午後試験科目・司法書士法
(1)試験傾向
 1問の出題です。平成12年で出題が一旦中止しましたが,15年より復活しています。そして,復活してからの出題には特徴があります。「司法書士法人」「司法書士がなしえない業務の範囲」について,必ず肢レベルでの出題があるということです。

(2)学習法
 平成15年からの過去問があまり蓄積されておらず,また,平成12年前の過去問があまり現在の傾向とは合っていない以上,ここは条文を読んでいくという勉強方法が望ましいでしょう。条文数は結構な量になりますが,1つ1つ自分が司法書士になったことを想像しながら,読んでいくとイメージがつかみやすいと思います。

5.午前試験科目・刑法
(1)試験傾向
 全部で3問の出題で,総論部分から1問ないし2問,各論部分から1問ないし2問出題されます。総論部分については満遍なく出題される傾向があります。ただ,昔と比べて難解な学説を聞く問題が少なくなってきています。

 一方,各論については出題が顕著です。毎年といっていいほど,財産犯(窃盗罪・強盗罪・詐欺罪・恐喝罪・横領罪)から出題されています。

 その次に出題が多いのが,文書偽造に関連する罪です。片や,まったくといっていいほど出題されない犯罪類型もあります(名誉毀損罪・内乱罪・略取に関する罪)。


(2)学習法
 この科目は,消極的な学習をすることをお勧めします。それは,過去問の範囲で出題された知識にとどめる学習法のことです。このような学習をしておくことにより,良くも悪くも他の受験生と差がつきません。つまり,自分が得点できれば他人も得点できるし,自分が解けなければ他人も解けない,そういう状態でよいでしょう。

 この科目で,他の人に差をつけようとすると,それこそ民法以上の学習時間が必要になります。出題されていない分野について,テキストなどを読み込む学習は労多く益が少ないでしょう。

特に,この科目は面白く,興味がわきやすく「こうなったらどうなるのだろう?」と思いがちになりますが,そういったことは合格後に考えればいいと思われます。
 この科目は「はまりすぎないように」を心がけて学習しましょう。

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