2009年5月アーカイブ

2.21年度試験の傾向
 近年と同じ,択一式問題20問。内訳として民法3問,不動産登記法16問,土地家屋調査士法1問。記述式問題2問。内訳として土地1問,建物(非区分建物か区分建物どちらか)1問が出題されるでしょう。
 附属書類の保存期間が大きく変わっているので,このあたりは要注意でしょう。


(1)択一式問題
①民法
 民法は,すべて勉強することが難しいところです。しかし,この分野を捨てるわけにはいかないのです。民法の出題傾向は,総則,物権(担保物権も含む),相続の中から出題されていますので,このあたりはしっかりと勉強して,3問中2問は正解したいものです。宅建や行政書士,司法書士の参考書や問題集を参考にするとか,受験予備校の答案練習会等の問題を参考にすればよいでしょう。

②不動産登記法
 16問中13問は正解したいところです。近年,筆界特定の問題が出題されていますので,21年度も1問は出題されると思われます。この分野についても勉強しておかなければならないでしょう。あとは基本事項を確実に覚えることでしょう。

(2)記述式問題
 例年,土地1問,普通建物または区分建物のいずれか1問の計2問が出題されます。
 20年度は,建物に関しては建物区分登記の問題が出題され,ここ数年出題されていなかった区分建物の形式の問題が出されました。

①土地
 20年度の問題の新傾向としては「コンパス法を使用して誤差の調整をし」,未知の座標値を算出する問題と代位の問題でしたが,被代位者がすでに死亡しているため,被代位者として相続人を被代位者として記載するのかがポイントであったと思われます。

 過去問に閉合調整,結合調整の問題が出題されましたが,これらの問題の誤差の調整の仕方は「均等法」でしなさいと,問題で指示がなされていましたので,「均等法」の誤差の調整の仕方は,受験生の皆さんは勉強していたと思われます。

「コンパス法」とは,一言で説明すると,誤差を距離に比例して配分する方法です。このやり方を知らなかった人は,パニックを起こして土地の問題はほぼ点数がなかったような状態でした。それ以外は,一般的なパターンで,距離と方向角,内分計算,交点計算を行えば,未知の座標値は算出され,地積,辺長は容易に算出されたと思います。

 実は,過去に誤差の調整問題が出題されたときもそうでしたが,20年度の問題でも同じように,誤差の調整をしなくても(言い換えればコンパス法を知らなくても),未知の座標値の3つのうち,2つは正解をすることができたのです。

この2つを正解すると土地2筆のうち1筆については地積,辺長も正解することができ,土地の問題でもかなり点数を稼ぐことができたのです。過去の問題をよく研究しておくことが重要であることを示していると思われます。

 1.20年度試験の総括
 筆記試験が平成20年8月24日,口述試験が11月10日に行われ,12月2日に最終合格者の発表がありました。択一式は50点満点中35点,記述式は50点満点中31点にそれぞれ達しない場合には,それだけで不合格でした。

ただし,合格するには,合計点で73点に達していなければなりません。いわゆる択一,記述式の足切りをクリア(66点)するだけでは合格とならないのです。

 合格するには,75%の解答をすることができるだけの能力が必要でした。19年度の試験と比べると,合格点が約5点下がっていますが,これは,記述式問題で区分建物が出題されたためであると思われます。

 合格者の人数も19年度より15人少ない488名でした。これは受験者数の減少に伴い,合格者数を減らしたためであると思われます。

 近年,土地家屋調査士の受験人数が減少し続けているので,21年度も受験者数が減少し,合格者数も減少する可能性があります。

3.合格スケジュール
 人それぞれ置かれた環境が違います。自分自身の現状をしっかり把握して,学習計画を検討するようにしましょう。

(1)1年合格スケジュール
 1年合格スケジュールとは,文字どおり,1年で司法書士試験に合格するために必要な学習計画として設計しています。短期間に消化しなければならない知識量が膨大ですから,法律に慣れていない初学者の方はもちろんのこと,法学部出身の方も,当初より計画的に勉強していく必要があります。1年で司法書士試験に合格するためには,多くの時間を受験に費やす覚悟と合格への強い信念がなければなりません。

(1年合格スケジュールの指針)
平成21年4月~22年3月
 ●主要4科目のインプット  (平成21年4月~22年1月)  ●マイナー科目のインプット  (平成21年6月~22年3月)  ●記述式の基本問題の演習  (平成22年1月~)
平成22年4月~6月
 ●模試・答練の活用(アウトプット)  ●記述式の基本問題の反復・応用問題の演習  ●知識の定着・最終確認
平成22年7月【平成22年度司法書士試験】

 ●スケジュールの立て方
 スケジュールを立てる際の注意点としては,予定を変更しないで済むように,ある程度余裕を持たせることです。

初期のスケジュールは,月ごとの大まかなもので構いません。もし,勉強が進まず予定を変更せざるを得なくなった場合には,当初予定していた学習内容を減らしてください。先送りは禁物です。

 また,試験の直前期(試験の約3か月前)からは,1~2週間という短期間に全科目を一通り復習できる,具体的なスケジュールを立てましょう。 

2.学習の進め方
 興味を持って,司法書士試験を目指そうと思ったときが受験をスタートする時期です。少しでも早く,自分に合った無理のない学習方法を見つけ,それに取り組むことが大切です。

(1)予備校を利用するか否か
 真っ先に悩むのが,予備校を利用するか,もしくは独学で勉強するか,この選択ではないでしょうか。ただ結論としては,予備校を利用しても,独学で勉強しても,どちらでも問題はありません。

まずは独学で勉強してみて,その後,予備校を利用しても構いませんし,逆に,まずは学習ペースをつかむために予備校を利用し,その後,独学にシフトチェンジした合格者もいます。やはり,自分に合った学習方法は,人それぞれで異なるからです。

 そこで,ここでは予備校を利用する場合と独学で勉強する場合とのそれぞれの注意点を挙げますので,参考にしてください。

 ●予備校を利用する場合の注意点
 勉強した気になるのがいちばん危険です。休みなく予備校に通えば,それだけで合格できるわけではありません。予備校を利用する場合であっても,自分でやるべきことをしっかりやっていかなければ,よい結果は得られません。

 合格は,自主学習なくしては成り立ちません。提供される情報をきちんと消化するためには,予備校の講義と連動して,どのような点を重視して勉強を進めていけばよいかを意識することです。

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