2009年8月アーカイブ

第三者異議の訴え等
問題 強制執行における不服申立てに関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(平成17年第6問)

ア 条件成就執行文の付与について,その条件成就に異議のある債務者は,執行文付与に対する異議の申立てをすることなく,直ちに執行文付与に対する異議の訴えを提起することができる。

イ 仮執行の宣言を付した判決に基づく強制執行については,当該判決が確定する前であっても請求異議の訴えを提起することができる。

ウ 請求異議の訴えは,債務名義の正本に執行文が付与される前であっても提起することができる。

エ 債権者は,第三者異議の訴えにおいて敗訴しても,同一の債務名義に基づいて,債務者の責任財産に属する他の財産に対し,強制執行をすることができる。

オ 第三者異議の訴えは,強制執行が終了した後であっても提起することができる。

1 アエ  2 アオ  3 イウ  4 イオ  5 ウエ 

請求異議の訴え
問題 請求異議の訴えに関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(平成14年第6問)

ア 公正証書を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合,債務者は,当該公正証書の作成後に当該公正証書に係る債務を任意に弁済したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。

イ 仮執行の宣言を付した判決を債務名義として不動産に対して強制執行がされた場合,債務者は,当該判決の確定前に請求異議の訴えを提起することができる。

ウ 不動産を目的とする担保権の実行としての競売がされた場合,債務者は,当該担保権の被担保債権が時効により消滅したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。

エ 売買代金の支払請求を認容した確定判決を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合,債務者は,当該売買契約を債権者の詐欺によるものとして取り消したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。

オ 公正証書を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合,債務者は,当該公正証書が無権代理人の嘱託に基づき作成されたものであることを理由として請求異議の訴えを提起することができる。

1 アウ  2 アオ  3 イエ   4 イオ  5 ウエ

2 執行文
(1)執行文とは
 執行文とは,債務名義の執行力およびその内容を公証するため,債務名義の正本の末尾に付記される公証文書をいいます。執行文を付与するのは,裁判所書記官です。

 具体的には,下記のような文書が債務名義の末尾につけられます。
 債権者Aは,債務者Bに対し,この債務名義により強制執行することができる。

 平成○年○月○日
  ○○地方裁判所民事○部
   裁判所書記官 ○○ ××  印


 執行文の付与の申立ては,事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官に対して行います(26条1項)。執行裁判所(強制執行を実施する裁判所)の裁判所書記官に申し立てても,執行文をもらうことはできません。

執行文は,その事件に対する判決が上級審で取り消されたりしていないかという点などを確認し,その判決に基づく執行が可能かどうかをチェックしたうえで付与されます。そのようなチェックは,その判決に関する事件の記録が存する裁判所でなければ行うことができないからです。

 したがって,「執行裁判所の裁判所書記官に対し,執行文の付与の申立てをしなければならない」とする本問のアの記述は誤りです。

はじめに
 司法書士試験における出題数からして,民事執行法の学習に多くの時間を割くことはできません。

そこで,本稿では,民事執行法の出題ポイントになりそうなところをピックアップして,解説していこうと思います。頁数の都合があるので,民事執行法の出題ポイントの一部しか取り上げることができませんが,本稿を読んでいただければ,きっと得点力がアップするはずです。

 なお,本稿では,過去の本試験問題を題材にして,内容を詳しく解説すると同時に,周辺の知識も説明するというスタイルをとります。過去の本試験問題を題材にして学習したほうが,試験合格に直結した実践的な実力をつけることができるからです。


執行文の付与
問題 執行文に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(平成16年第7問)
ア 強制競売の申立てをする債権者は,強制競売の執行裁判所の裁判所書記官に対し,執行文の付与の申立てをしなければならない。

イ 少額訴訟における確定判決に表示された当事者に対し,その正本に基づいて強制執行の申立てをする場合には,執行文の付与を受ける必要がない。

ウ 執行文は,債権の完全な弁済を得るため執行文の付された債務名義の正本が数通必要であるとき又はこれが滅失したときに限り,更に付与することができる。

エ 債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合には,債権者は,反対給付又はその提供があったことを証明しなければ,執行文の付与を受けることができない。

オ 裁判所書記官がした執行文の付与を拒絶する処分に対しては,その裁判所書記官の所属する裁判所に異議の申立てをすることができる。

1 アウ  2 アエ  3 イウ  4 イオ  5 エオ

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