司法書士・調査士記述式対策 不動産登記記述式入門6 田中利和

3 登記申請  
教授「それでは,登記申請の際に必要な申請情報を作成してみよう。その前に,申請手続にはどのような一般通則があるのか確認することにしよう。不動産登記法の一般通則として,1申請主義,2書面主義,3共同申請主義といったものがあるので説明しておこう」

1 申請主義
教授「登記は,法令に別段の定めがある場合を除き,当事者の申請または官庁もしくは公署の嘱託がなければ,することができないと定められている(不登法16条1項)。これを申請主義というんだ。
これは,登記の真正さを担保させ,虚偽の登記を防止するために,当事者に登記手続をさせるのが適当だからということが,その趣旨なんだ。だから,法律上,認められている場合を除いて,登記官が職権で登記することができないんだ(不登法76条参照)」

司法「なるほど」


2 書面主義
教授「登記の申請は,電子情報処理組織または申請情報を記載した書面を提供等する方法により,不動産を識別するために 必要な事項,申請人の氏名または名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報を登記所に提供してしなければならない(不登法 18条)。

つまり,口頭申請による過誤登記を防止し,登記申請の受否を決定するため,登記官が行う審査の際の便宜と事務処理の迅速化を考慮して設けられた制度といえる(民事法情報センター『全訂不動産登記入門』108頁参照)」

司法「なるほど,なるほど」



3 共同申請主義
教授「登記をすることによって,登記記録上,利益を受ける者(登記権利者という)と,登記記録上,不利益を受ける者(登記義務者という)が共同して申請しなければならない(不登法60条)。これを共同申請主義というんだ。つまり,登記を必要とする当事者を介在させ,その当事者が共同して申請することにより,登記の真正さを担保させようとする趣旨だ」

司法「なるほど。特に登記義務者を関与させることが重要ですよね」