平成22年度 国家試験を展望する「司法書士試験」 2 加藤 章

1.多肢択一式試験
1 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法
 民事訴訟法については,基本的論点が取り上げられていましたので,過去問の知識があれば十分対応可能であったかと思います。民事執行法および民事保全法についても,条文を押さえていれば解答することができる問題でした。


2 司法書士法
 司法書士の業務範囲に関する問題でした。特に簡裁訴訟代理等業務や裁判書類作成関係業務については,実務的にも気にしなければならない点が問われたと思います。ただ,問題としては過去問の知識で十分対応可能な問題であったと思います。


3 供託法
 供託手続,弁済供託,執行供託に関する問題でした。先例と条文を基本とした内容であり,過去問を理解している受験生ならば,十分対応可能な問題であったと思います。

4 不動産登記法
 推論問題が1問,対話式問題が2問,条文問題が13問という出題形式でした。登録免許税や農地法の許可に関する問題など,実務色が強い出題傾向にあったかと思います。また,受験日時点では施行後1年を経過していない自己信託について出題がありました。今後も法改正には速やかな対応をしなければなりません。

 とはいえ,信託登記に関する問題を除けば推論問題を含めてまったく新しい論点が出題されたという感じではありませんでした。条文・先例・過去問の知識があれば,十分正解にたどり着くことができる問題であったと思います。


5 商業登記法
 すべて条文問題でした。内容も設立・株式関係・役員関係・M&A関係・登記手続と,バランスよく配置され,特段真新しい論点は出題されなかったと思います。会社法の条文は難解な部分もありますが,逆に条文さえきちんと整理されていれば,商業登記法の問題はすべてクリアできたと思います。また,登記手続については,特にオンライン関係の知識が問われていました。

 実務的には商業登記の取扱い法務局の集中化などの影響により,オンライン申請の重要性が増してきていることが影響しているのかもしれません。