3 合理的な学習法
(1)勉強への取組み方
次に,勉強への取組み方に関する基本的な考え方を示しておきます。
考え方の出発点として非常に重要なのですが,これから皆さんが始める勉強は,あくまで試験に合格するために行うのだということを忘れないでください。学者になって学問を究めるための勉強ではありません。あくまで司法書士試験に出題される問題を一定以上の確率で正解できるようにするための勉強なのです。
したがって,学習をする際には,常に本試験問題を見据える必要があります。具体的には,過去問学習が受験勉強の中心になるということです。過去問学習が勉強の中心だといっても,ひたすら過去問演習ばかりするという意味ではありません。テキストを読む際にも,過去問を意識しなければならないということです。
2010年3月アーカイブ
その際は,合格時期をいつに設定するかということも大切です。設定時期は,なるべく短期間にすることをおすすめします。本誌の発売予定日は3月1日ですが,3月から勉強を始めたとして,約4カ月後(7月の第一日曜日)に実施される筆記試験に合格することは,さすがに無理でしょう。
しかし,約16カ月の勉強で来年(平成23年)の筆記試験に合格することは可能です。したがって,今,合格時期を設定するのなら,来年の試験での合格を目指すべきです。
「合格までの学習期間が1年ちょっとというのはかなり短いほうであり,実現は難しい。それならば,現実的な合格時期としては2年後に設定したほうがよいのではないか」などと思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに,試験には絶対ということはありませんから,来年の合格を目標にしても,そのとおりにならないことはあります。しかし,そうだとしても,まずは来年の合格を目指した勉強をすべきです。
最初から2年で合格することを目標にしてしまうと,勉強の進行スケジュールがどうしても甘くなります。1年目の勉強が中途半端でも,まだ1年あるのだからかまわないという言い訳をしてしまいます。
司法書士試験の合格率は3%くらいしかなく,かなりの難関試験といえます。それゆえ,勉強を始めてから合格するまでには,相当の期間を要します。合格までに数年かかったという受験生もしばしば見られます。
しかし,このような難関試験だからといって,具体的な合格時期を設定せず,漠然と勉強を始めてはいけません。たとえば,学校の勉強について具体的な提出時期を定めて宿題が出された場合は,その提出時期に間に合うように宿題を仕上げるでしょう。
しかし,宿題とはせずに,「これは受験に大変役立つから,時間のあるときに自宅でやっておくように」などといわれた場合,結局やらないことが多いのではないでしょうか。
司法書士試験の合格率は3%くらいしかなく,かなりの難関試験といえます。それゆえ,勉強を始めてから合格するまでには,相当の期間を要します。合格までに数年かかったという受験生もしばしば見られます。
しかし,このような難関試験だからといって,具体的な合格時期を設定せず,漠然と勉強を始めてはいけません。たとえば,学校の勉強について具体的な提出時期を定めて宿題が出された場合は,その提出時期に間に合うように宿題を仕上げるでしょう。
しかし,宿題とはせずに,「これは受験に大変役立つから,時間のあるときに自宅でやっておくように」などといわれた場合,結局やらないことが多いのではないでしょうか。
これは,受験勉強にも当てはまります。合格時期を具体的に設定していない場合は,「今年は勉強が追いつかなかったので,合格は難しそうだ。来年,頑張るとしよう」という具合にズルズルと先延ばししてしまいます。このような勉強方法では,いつまでたっても合格できないと思います。
受験勉強を始めるに当たっては,まず「平成○○年度の本試験に合格するぞ!」という具合に,具体的な合格時期(目標)を設定すべきです。
総論
1 本項で述べる独立するための資格
本項では,以下の資格を扱う。
司法書士;土地家屋調査士;行政書士;社会保険労務士
2 前提としての認識
まず,資格を取っただけでは食べていくことができないことに留意していただきたい。
受験生の中には,資格さえ取得すれば,バラ色の未来が待っていると思っている人が多い。たとえば,親が同じ業務を行っていて,すでに地盤があるなら資格さえ取れば何とかなるといえなくもないが,自分の代となってからそれを維持し発展させることができるかは大いに疑問である。
人は特定の人に付いているのであって,親に付いていた顧客が自分にも付いてくれるとは限らないことを肝に銘じていただきたい。つまり,甘い考え方は捨てたほうがいいということである。
2 口述試験
筆記試験の合格者には,口述試験が行われます。口述試験は,例年,10月の中旬に行われます。
口述試験にパスしないと最終合格とはなりませんが,口述試験で不合格になることはほとんどないので,受験対策は筆記試験に合格してからでも間に合います。
(2)筆記試験の合格基準
司法書士試験には,足切り点というものが存在します。午前の部の択一式問題,午後の部の択一式問題,午後の部の記述式問題のそれぞれに足切り点(合格基準点)が設定され,どれか1つでも足切り点を下回る場合は,総合得点がどんなに高くても不合格となるのです。
たとえば,午前の部の択一式問題が満点であったとしても,午後の部の択一式問題で足切り点(合格基準点)に達していない場合は,それだけで不合格となってしまいます。
なお,記述式問題は,択一式問題が午前・午後両方で合格基準点をクリアした場合だけ採点されます。
最近の本試験における足切り点は,次のようになっています。
年度 択一午前 択一午後 記述式
平17年 87点 78点 25.5点
平18年 81点 75点 31.5点
平19年 84点 84点 30.0点
平20年 84点 78点 19.5点
平21年 87点 75点 41.0点
司法書士試験の概要
1 まず最初に,司法書士試験の概要を説明しておきます。どのような試験であるかということが分からないと,合格スケジュールや合格戦略を考えることができないからです。
すでに受験を決意されている方にとっては,試験の概要など周知のことでしょう。しかし,読者の中には,まだ漠然と「司法書士という資格に興味があるけれど,司法書士試験ってどんな試験なんだろう」と考えている段階の方もいらっしゃると思います。そのような方のためには,試験の概要を説明するところから始めるしかありません。
(1)試験の日程等
1 筆記試験
例年,7月の第一日曜日に筆記試験が実施されます。
筆記試験には,午前の部と午後の部があり,出題科目等は下記のとおりです。
午前9:30~11:30:〈択一式問題〉
憲法,民法,刑法,商法・会社法;午後1:00~4:00:〈択一式問題〉
民事訴訟法,民事執行法,民事保全法,司法書士法,供託法,不動産登記法,商業登記法

