国家試験改正法直前対策「司法書士改正法直前対策」4 阪田 智之

2―法人法の概要

1 一般社団法人・一般財団法人の制度の特徴
 一般社団法人および一般財団法人の制度は,株式会社の制度と比較すると理解しやすい。2以降の記載についても,①株式会社と一般社団法人の相違点,②一般社団法人と一般財団法人の相違点に注意しながら読み進めていただきたい。

⑴ 剰余金の分配を目的としない
 株式会社の株主は,その有する株式につき剰余金の配当を受ける権利を有している(会社法105条1項1号)。
 これに対して,社員(一般社団法人)または設立者(一般財団法人)に,剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは,その効力を有しないとされている(11条2項,153条3項2号)。

⑵ 法人の種類――「一般社団法人」と「一般財団法人」
 会社は,人の集合である社団の形態しか認められていない。
 これに対して,法人法が定める法人には,「一般社団法人」と「一般財団法人」とがある。

「一般社団法人」とは,一定の目的のために結合した人の集合に対して法人格が付与されたものをいい,「一般財団法人」とは,一定の目的のために結合された一団の財産に対して法人格が付与されたものをいう。それぞれ,その名称中に「一般社団法人」「一般財団法人」の文字を用いなければならない(5条1項)。

⑶ 準則主義を採る
 一般社団法人および一般財団法人は,会社と同様,その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する(22条,163条)。

⑷ 公益性は要件ではない
 1の1を参照のこと。

⑸ 組織・運営等の規律は株式会社を参考にしている
 一般社団法人および一般財団法人は,主務官庁等の監督を受けないため,法人の業務を内部的に監督する規律が必要となる。この点については,法人法は株式会社の制度を参考にして規定を設けている。

 

 

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