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改正借地借家法について 氷見敏明

  【改正借地借家法 H20年1月1日施行】


 平成20年1月1日より改正借地借家法が施行されました。

 平成20年度の宅建試験の範囲となります。


 新旧比較表は、文末をご覧ください。

 何がどう変わったかを知るために、前提となる知識を復習します。


1 普通借地権と一般定期借地権

(1) 普通借地権

 普通借地権は、主に以下のような3つの制度があり、特約で排除することができません。

 ①地主に正当事由がない限り、借地権は更新されます。

 ②存続期間満了前に存続期間を超えるような建物を地主の承諾を得て再築したときは、存続期間が20年延長されます。

 ③存続期間が満了したら、借地権者は、建物を地主に買い取るよう請求できます。

(2) 一般定期借地権

 存続期間を50年以上と定めれば、(1) の①②③の内容を排除する特約をすることができます。
 このような借地権を一般定期借地権といいます。

 すなわち、存続期間を50年以上と定めれば、

(ⅰ)更新がなく、
(ⅱ)建物再築による存続期間20年の延長もなく、
(ⅲ)借地権者には建物買取請求権がない

 …とする特約をすることができます。

 この一般定期借地権は文書で契約をしなければなりませんが、必ずしも公正証書でする必要はありません。
 また、一般定期借地権は、建物の使用目的が事業用であろうと、居住用であろうとかまいません。


2 改正前の事業用借地権

 平成19年12月31日までの事業用借地権の内容を述べます。

 そもそも借地権の設定は、30年以上でなければならず、これよりも短い存続期間の借地権を設定しても無効であり、存続期間は、30年となります。

 しかし、専ら事業目的の建物(居住用は除く)を建てる目的で借地権を設定する場合には、10年以上20年以下の範囲で設定することができました。
 これを事業用借地権といいます。


 事業用借地権を設定するには、公正証書でしなければなりません。

 事業用借地権は、当然に

 ・更新がなく、
 ・建物再築による存続期間20年の延長もなく、
 ・建物買取請求権もありません。

 事業用借地権は1(1) の①②③を特約で排除する必要がなく、初めからありません。


3 事業用借地権の改正点

(1) 平成20年1月1日より、
  前述2の事業用借地権は、借地借家法の改正により、
  10年以上30年未満の範囲で設定することができるようになりました。

 2の事業用借地権について改正されたのは、存続期間の点だけであり、他は同じです。

 すなわち、事業用借地権を設定するには、公正証書でしなければならないという点は変わりません。

 また事業用借地権は、当然に

 ・更新がなく、
 ・建物再築による存続期間20年の延長もなく、
 ・建物買取請求権もありません。


(2) 次に、改正により新たに追加された事業用借地権(事業用定期借地権)があります。

 すなわち、
 専ら事業目的の建物(居住用は除く)を建てる目的で、
 存続期間が30年以上50年未満の範囲で定めるのであれば、

 ・更新がなく、
 ・建物再築による存続期間20年の延長もなく、
 ・建物買取請求もできない

 …という特約をすることができます。

 これが新たに設定できる、事業用借地権です。

 
     新旧借地借家法比較表(画像をクリックすると拡大されます)
新旧借地借家法比較表

     新旧借地借家法条文対比(画像をクリックすると拡大されます)
新旧借地借家法条文対比表