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合格するテキスト「 マン管・管理業務」 鈴木 優

合格するためのテキスト選び:マンション管理士・管理業務主任者

(住宅新報社講師) 鈴木 優


はじめに
 これから述べる「合格するためのテキスト選び」は,独学でマンション管理士・管理業務主任者試験に立ち向かう読者を対象にしています。

 マンション管理士・管理業務主任者試験は年に一度しか本試験がありません。そのチャンスを生かし,勝利の栄冠を勝ち取るにはどうすればよいのでしょうか。

 なかなか一言でいえることではないのですが,あえて一言でいうと「よい基本書を選ぶこと,および自分の・自分による・自分のためのオリジナル基本書を作ること」ということになります。

 たとえば,初めて国家試験を受験する人が挫折する主な理由の1つに,基本書の分かりにくさがあります。分かりにくいから学習に身が入らなくなり,準備不足で模擬試験を受け,よい成果を得られないため,いつしか挫折してしまうことになりかねません。


 このような挫折を引き起こさないようにするには,自分に合った基本書を慎重に選ぶことが極めて重要なのです。


 フィーリング(相性)を大切に

 資格試験を受験するのですから,目的は,受かることです。受からなければどうにもなりません。
 学習する内容は同じでも,テキストによって相性が存在します。

 「定番」といわれ,それが,どんなに評判のよいテキストであっても,相性が悪くては,とても学習の成果は上がりません。テキストを開くたびに,何となく不愉快になってしまうのでは,活動すべき脳も十分に活動してくれないからです。

 すなわち,同じ内容を学習したとしても,自分とフィーリングが合うテキストなら,すんなりと頭の中に入り込んでくるものなのです。したがって,基本書は書店の店頭に並べられている種々の中から自分とフィーリングが合ったもので,読んでみようという意欲が出てくるものを選ぶのがコツです。


 あなたと基本書との相性をチェックする項目としては,以下のものがあります。

①はしがきを読んで編集・著者の重視した内容を知りましょう。

②目次を見て試験の範囲をすべてカバーしているか調べます。

③索引があるテキストは,用語の意義や内容を調べたり確認したりするのに便利です。

④活字の形や大きさ・紙質などが取っつきやすく読みやすいか調べます。

⑤分かりやすい言葉で書かれ,文章の流れが分かりやすいか調べます。

⑥イラストや図表が多用されており,誌面の構成・色づかいが見やすいか調べます。

⑦各頁に書き込みをするスペース(オリジナル基本書を作成するために必要である)があるかどうか調べます。

⑧分量が多くもなく,少なくもなく自分にあったものを選ぶ(分量が多すぎると1回の読破に時間がかかりすぎ,少なすぎると内容そのものが,本試験の出題範囲をカバーしていないものがある)必要があります。


合格につながるテキスト

(1) 基本書

●マンション管理士
 基本書の役割は,その本から体系的な知識を吸収することにあります。


 基本書として一定の水準を満たしているものとして,
 『楽学マンション管理士』(住宅新報社刊,定価3,150円)を挙げることができます。

 この本の特徴は,「楽(たの)しく学び,楽(らく)して受かろう」というキャッチフレーズが示すように,受験勉強の味気なさや苦労を少しでも軽くするための工夫がなされていたり,やさしく書かれた文章を読みながら,それをイメージ化したイラストを見ることで,法律の内容がたやすく理解できるように企画・編集されています。


 たとえば,(通謀)虚偽表示を説明するのに

「表面上売ったことにしよう!」 
「OK!」

 と二郎と三郎の登場人物が会話している場面がイラストで描かれています。

 そのイラストの描写と説明文とを照合して読み下すことにより,理屈ぬきで「虚偽表示」という法律用語の意味,それから虚偽表示者および被虚偽表示者の関係が容易に理解できます。

 『楽学マンション管理士』の該当する頁を紹介してみましょう。

 活字の大きさは,老若男女を想定した幅広い受験者を対象にしています。

 また,働きながら学習をする受験者に配慮して,夜の照明のもとでも見やすい紙質が使われているのもありがたいかぎりです。


 分かりにくい部分や紛らわしい部分には,図表などが多用されています。また,誤って理解したり,間違って記憶したりしないよう「ここに注意!」とか「こう考えよう!」とか「ちょっと紛らわしいけど……」などの標題をつけて,分かりやすい説明文を枠囲いなどをして工夫を凝らしてあります。


 各項目の最後部には,その項目で説明されている内容のうち,特に本試験で出題されそうな重要事項で,ぜひ覚えておきたい事項を「まとめて覚えよう!」などの標題をつけて,分かりやすく,覚えやすい説明文を枠囲いなどをして目立つよう工夫がなされています。

 『楽学マンション管理士』の目次に列挙されている項目は,マンション管理士本試験の試験範囲に十分対応しており,これ1冊にまとめられています。


 初めて本試験をめざす初心者から,ある程度の学習をしている人で再度本試験に挑戦しようとする人でも基本書として利用するのに適している卓越したテキストであるといえます。


●管理業務主任者

 基本書として一定の水準を満たしているものとして,
 『楽学管理業務主任者』(住宅新報社刊,定価3,255円)をお勧めします。

 この本の特徴は,前述した『楽学マンション管理士』の姉妹書となっています。

 キャッチフレーズの「楽(たの)しく学び,楽(らく)して受かろう」のとおり,受験勉強の味気なさや苦労を少しでも軽くするための工夫がなされていたり,やさしく書かれた文章を読みながら,それをイメージ化したイラストを見ることで,その内容がたやすく理解できるように企画・編集されています。


 この基本書の企画・編集は,姉妹書『楽学マンション管理士』とほぼ同様であり,本試験の広い出題範囲を効率よく1冊でこなすことができるよう工夫されており,試験に一番多く出題される区分所有法からスタートしていることが特徴といえます。

 また,設備関係や建築関係の項目についても,最低限の内容が記述されており,全体的にみて,法律分野の記述と実務分野の記述のバランスがとれているといえます。


 なお,管理組合の会計分野では,楽学虎の巻「早わかり『仕訳』」があり,仕訳問題が不得手な受験生にとって,ここの記述は非常に役立つでしょう。

 また,巻末の資料も「マンションの統計」「マンション標準管理規約」「マンション標準管理委託契約書」など充実しています。


(2) 参考書

 参考書は,基本書ではあまり記述されていない内容を確認する場合に威力を発揮し,基本書を補完する役割をするものとして必要になります。


 参考書として一定の水準を満たしているものとして,マンション管理士の場合には『マンション管理の知識』(〈財〉マンション管理センター編著・住宅新報社発売),管理業務主任者の場合には,『管理業務主任者の知識』(マンション管理業研究会編著・住宅新報社発売)を挙げることができます。

 これらの本の特徴はマンション管理に携わる関係者の方々に広く活用され,マンション管理の適正化に大いに資するバイブル的な書物だということです。


 これらどちらの本も,「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」「建物の区分所有等に関する法律」「マンション標準管理規約」などをはじめとして,管理に関連する法律や規約,長期修繕計画や大規模修繕工事,管理組合の運営に関する事項などマンション管理の運営実務について必要な知識を総合的に習得できるように,とりまとめてあります。


(3) 演習書(問題集)

 演習書(問題集)は,一定の知識が理解されているかどうかの知識を確認したり,自分の吸収した知識を確実にしたり,応用したりするという役割を担うために必要となります。


 演習書(問題集)の選び方は,解答の解説がなぜ,その解答になるのかを分かりやすく詳細に書かれており,その根拠条文などが明確にされているものを選びましょう。くれぐれも「誤り。(法××条×項)」などと,根拠を分かりやすく記述していないものはやめておいたほうが無難です。


 演習書(問題集)としては,過去問をチェックするための『マンション管理士再現問題集』『管理業務主任者再現問題集』(ともに住宅新報社刊),試験の傾向をにらんだ予想問題集として『マンション管理士直前予想模試』(住宅新報社刊)が,上記の選定基準にてらして一定の水準を満たしているといえます。


(4) 結び(自分の・自分による・自分のためのオリジナルテキストでの学習)

 購入したままの「基本書」は,本試験に必要最低限の内容を著者・編集者の言葉・表現で書かれています。


 読者の皆さんも中学生・高校生のとき英語の単語を覚える場合,市販されている「単語集」を反復して訓練し,どうしても覚えられない単語があると,それを抜き出して「自分の筆跡」でノートに単語とその意味を書き出して覚えると,なぜか覚えやすかった経験をした人も多いのではないでしょうか。

 「基本書」の内容を理解し,覚え,問題に正解するための実力をつけるには,自分で(自分の)理解できない部分を自分の言葉(自分による)で書き直したり(自分のための),問題集で学習しているときに発見した基本書の不備な点(重要事項なのに記述のなかった内容)を参考書などで補完する(自分のための)必要があります。


①自分とフィーリングが合う優れた「基本書」を選び,

②それを自分だけにフィットするオリジナル「基本書」に本試験2か月前までに作り上げ,

③この作り上げた「基本書」で本試験直前まで数回程度反復して読み返し,理解の精度を高めることが,

④合否を左右することになるとともに,これが合格を自分のものにする秘訣なのです。


 最後に,マンション管理士試験・管理業務主任者試験に合格するには,単に法律の条文を丸暗記しているだけでは不十分です。法律の目的とか趣旨などを理解するよう心がける必要があります。


 法律の目的・趣旨を理解すれば,知識は知恵となり,頭脳のなかに吸収されていきます。そして,応用力が身につき,多少ひねった問題や難易度の高い問題などにも対応できるようになります。

 「暗記より理解しろ!」を肝に銘じて,ぜひ「合格」という栄冠を勝ち取りましょう。読者の皆さんのご健闘を期待しています。

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