宅建業法3 免許の区分と取引主任者 の設置
3 免許の区分と取引主任者 の設置
免許の区分や取引主任者の設置義務は頻出出題項目で,紛らわしいものがよく出題されているので,注意する必要があります。
(1)免許の区分
国土交通大臣免許と都道府県知事免許のどちらを受けるかは,宅建業法上の事務所が一つの都道府県にあるか,それとも複数の都道府県にあるかで決まります。
ただし,本店と支店が複数の都道府県にあるからといって,必ず国土交通大臣免許を受けなければならないとはいえません。本店や支店で宅建業を営むかどうかによって,次のように分けられるからです。
ア 本店(A県)で宅建業を営むが,支店(B県)では宅建業を営まない場合
→本店の所在するA県知事免許
イ 本店(A県)で宅建業を営まないが,支店(B県)では宅建業を営む場合
→国土交通大臣免許
ウ 本店,支店とも宅建業を営む場合
→国土交通大臣免許
イの場合,宅建業を営んでいなくても本店は宅建業法上の事務所に該当するので,複数の都道府県に事務所があることになります。そのため,国土交通大臣免許を受けなければなりません。
(2)取引主任者の設置
宅建業を営む事務所(本店・支店・契約締結権限を有する者を置く出張所)には,(宅建業が)専業・兼業の区別なく,宅建業に従事する者の5人に1人以上の割合で,成年者※1で専任※2の取引主任者を設置しなければなりません。
本店で宅建業を営まず,支店でのみ宅建業を営んでいる場合の本店は,宅建業法での事務所に該当するので,本店でもやはり5人に1人以上の取引主任者を設置しなければなりません。
この場合の本店では,宅建業に従事する者の範囲は,以下の者が該当します。
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代表者,宅建業を担当する役員(非常勤の役員および主として他の業種も担当し宅建業の業務の比重が小さい役員を除く。),宅建業の業務に従事する者(宅建業に関する広告担当,会計担当など)
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※1 未成年者であっても,「結婚しているか,結婚したことがある(離婚・死別)」,「宅建業に関して成年者と同一の行為能力を有する者(営業を許された未成年者)」であれば,取引主任者の登録を受けることができる。
※2専任とは,その事務所に常勤し,宅建業のみに従事する状態のことをいう。「ほかの事務所と掛け持ちで宅建業に従事している場合」や「宅建業以外の業務も行なう場合」は専任とはいえない。
また,正社員であるかどうかは問わない。例えば,その事務所の営業時間が9:00から17:00である場合に,その時間帯のすべてに勤務しているならば(休憩時間を除く),アルバイトであっても,専任の取引主任者にすることが可能である。
ただし,その事務所の営業時間の一部の時間帯しか勤務していないパートタイマーの場合は,専任の取引主任者とすることはできない。
〔整理〕未成年者と取引主任者
営業に関し成年者と同一の行為能力をしない未成年者 登録 × 専任の取引主任者 ○
営業に関し成年者と同一の行為能力を 登録○ 専任の取引主任者(宅建業者や宅建業を営む
有する未成年者 法人の役員の場合)○※3 ○
婚姻をした者(離婚した者・死別した者も含む) 登録 ○ 専任の取引主任者 ○
※3宅建業者や法人の役員(非常勤の役員や監査役を除く。監査役は,業務につくことができないからである。)が取引主任者であるときは,その者が自ら主として業務に従事する事務所等では,その者は,その事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなされる。
(3)案内所等
契約行為を行う案内所等には,少なくとも1人以上の取引主任者を置くことになっていますが,以下の場合は注意が必要です。
なお,案内所等を設置する場合は,業務を開始する10日前までに,50条2項の届出義務があります。
①宅建業者Aが宅建業者Bに,宅地や建物の売買の代理や媒介を依頼した場合に,設置される契約行為等を行う案内所
その案内所を設置した宅建業者に,少なくとも1人以上の取引主任者の設置義務がある。
例えば,媒介・代理の宅建業者Bが案内所を設置した場合はBに専任の取引主任者の設置義務があり,売主の宅建業者Aに取引主任者の設置義務はない。
しかし,A,B合同で案内所を設置した場合は,A,Bのどちらか一方が専任の取引主任者を設置すれば他方の宅建業者は設置しなくてもよい。
②契約行為等を行う展示会場
不動産フェアなどの展示会場で,複数の宅建業者が異なる物件を取り扱う場合には,各宅建業者ごとに1人以上の専任の取引主任者を置かなければならない。
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◇予想問題
1 甲県に本店を置き,乙県に支店を有する建設会社Aが,乙県の支店においてのみ宅地建物取引業を営もうとする場合,Aは,乙県知事の免許を受けなければならない。
2 事務所におかれる政令で定める使用人が取引主任者となったときは,その者は,その事務所に置かれる専任の取引主任者とみなされる。
3 本店で宅地建物取引業を行わない場合は,その本店には専任の取引主任者を設置する必要はない。
4 宅地建物取引業者A社が売主となる200戸のマンション分譲の代理に係る業務をB社が行なう場合に,現地近くに,A社とB社が共同で,契約行為を行なう案内所を設置しようとしている。この案内所には,A社とB社のいずれか一方が専任の取引主任者を設置すれば,宅地建物取引業法には違反しない。
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〔正解&解説〕
1 宅建業を営まない本店も宅建業法では事務所に該当するので,複数の都道府県に事務所を有することになるため,国土交通大臣免許を受けなければならない。×
2 法人の役員が取引主任者となったときは,その者は,その事務所に置かれる専任の取引主任者とみなされるが,政令で定める使用人にはこの規定はない。×
3 本店で宅建業を行わない場合でも,宅建業に従事する者の5人に1人以上の割合で取引主任者を設置しなければならない。×
4 契約行為を行なう案内所を共同で設置する場合には,いずれか一方が専任の取引主任者を設置すればよい。○
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