はじめて建物区分所有法入門16 植杉 伸介
第6章 集会
1 集会の招集
(1)集会の招集権者
管理組合の集会は、原則として管理者が招集します。
ただ、管理者に招集権があるため、区分所有者が集会の開催を欲しても、その議題が管理者に都合の悪いことだったり、少数意見の場合は、管理者が招集をしてくれないおそれがあります。
そこで、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができます。
この請求があったときは、管理者は、2週間以内に、その請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招集通知を発しなければなりません。
もし、このような招集通知が発せられない場合は、招集を請求した区分所有者が、自ら集会を招集することができます。
なお、集会の招集請求に必要な「5分の1」という定数は、規約で減ずることができます。
たとえば、「10分の1」という具合に、より少数で請求できるように規約で定めることができるのです。
ただし、定数の変更は、減ずることしか認められず、たとえば、「3分の1」というように、増加させることはできないことに注意してください。
(2)区分所有者の集会招集権
管理者がいないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものが集会を招集することができます。
この場合の「5分の1」という定数も、規約で減ずることができますが、増加させることはできません。
2 招集の通知
(1)通知期間
集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければなりません。
区分所有者に集会への出席の機会を確保し、準備の余裕を与えるためです。
この「1週間」という期間は、規約によって伸縮することができます。
(2)通知すべき事項
集会の招集通知には、集会の日時、場所を記載するほか、会議の目的たる事項も記載しなければなりません。会議の目的たる事項とは、集会の議題のことです。
(3)議案の要領の通知を要する事項
招集通知には、会議の目的たる事項が必ず示されますが、さらにその具体的な内容までは示されません。
しかし、重要な決議事項については、各区分所有者が議案の具体的内容を事前に知って、十分検討考慮した上で、集会に出席することが望ましいといえます。
そこで、次の6つの決議事項(いわゆる特別決議事項のうち、管理組合の法人化と義務違反者に対する措置以外のものと覚えればよい)が議題となる場合は、会議の目的たる事項だけでなく、その議案の要領(具体的内容)まで通知しなければならないことになっています。
①共用部分の重大変更、②規約の設定・変更・廃止、③建物の大規模滅失の場合の復旧、④建替え、⑤団地内の区分所有建物につき団地規約を定めることについての各棟の承認、⑥団地内の2以上の特定の区分所有建物について一括建替え承認決議に付す旨の決議
(4)占有者が議題に利害関係を有する場合
会議の目的たる事項について占有者が利害関係を有する場合、その占有者は、集会に出席して意見を述べる権利があります。
そこで、この占有者に集会への出席機会を与えるため、集会の招集者は、招集通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所および会議の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。
(5)通知の方法とみなし到達時期
① 専有部分が共有である場合
専有部分が共有になっている場合は、共有者が定めた議決権を行使すべき者1名に対して通知をすればよく、共有者全員に対して通知をする必要はありません。
もし、共有者が議決権を行使すべき者を定めていないときは、共有者の任意の1人に対して通知する方法でかまいません。
② 通知の宛先
招集通知の宛先は、区分所有者が通知を受け取るべき場所をあらかじめ届けているときはその場所、届けていなかったときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所に宛てて行えばよいことになっています。
この通知は、通常それが届くべき時に届いたものとみなされます。
③ 掲示による通知
区分所有者のうち、建物内に住所を有する区分所有者または通知を受け取るべき場所を届けていない区分所有者に対しては、規約で定めるところにより、建物内の見やすい場所に掲示する方法で通知に代えることもできます。
この場合は、その掲示を行った時に通知が到達したものとみなされます。
(6)招集手続の省略
区分所有者全員の同意があるときは、事前の通知等の招集手続を省略して集会を開くことができます。
事前の通知等の手続は、区分所有者全員に出席の機会を確保し、準備の余裕を与えるためです。
そうだとすれば、区分所有者全員が集会の開催に同意すれば、通知等の手続を省略しても、特に区分所有者の利益は害されないといえるからです。
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