宅建業法その5 免許と取引主任者・届出
変更の届出と変更の登録の申請は,それぞれ「宅地建物取引業者名簿」(以下,「名簿」),「宅地建物取引主任者資格登録簿」(以下,「登録簿」)の登載事項でないものについて変更があっても,する必要はありません。
(1)変更の届出と変更の登録の申請
宅建業者の変更の届出は「名簿」※1の所定の登載事項,取引主任者(または登録者)の変更の登録の申請は「登録簿」の所定の登載事項に,それぞれ変更があったときに,しなければなりません。
※1 国土交通大臣免許業者の名簿は,「国土交通大臣」が備えるほか,「国土交通大臣免許業者で,主たる事務所がその区域内にある都道府県」も備えなければならない。
●変更の届出(30日以内) 商号・名称,「法人の役員」・「政令で定める使用人」の氏名,事務所の名称・所在地,事務所ごとに置かれる専任の取引主任者の氏名
●変更の登録の申請(遅滞なく) 氏名,住所,本籍及び性別,宅建業者の商号・(名称)・免許証番号
【変更の届出の注意点】
①役員・政令で定める使用人や専任の取引主任者の住所・本籍の変更は名簿の登載事項ではないので,変更の届出を要しない。
②兼業の種類は,名簿の登載事項(免許申請書の記載事項)だが,変更の届出を要しない。
【変更の登録の申請の注意点】①専任の取引主任者かどうかは登録簿の登載事項ではないので,専任の取引主任者になっても,変更の登録の申請を要しない。
②勤務している事務所の所在地は登録簿の登載事項ではないので,事務所の所在地が変更になっても,変更の登録の申請を要しない。
③登録簿の上記の登載事項に変更があったときは,必ず変更の登録の申請をしなければならないので,事務禁止処分の期間内であっても,申請しなければならない。
□事務禁止期間中
変更の登録 必ず申請しなければならない。
登録の移転 申請することはできない。
(2)廃業等の届出と死亡等の届出
宅建業者の廃業等の届出は免許権者に,取引主任者(または登録者)の死亡等の届出はその登録を受けている都道府県知事に,30日以内(死亡の場合は事実を知った日から30日以内)に届け出なければなりません。
■廃業等の届出
届出事由 届出義務者
①個人業者の死亡 (個人業者)相続人
②合併による消滅 消滅した法人の代表役員
③法人業者の解散 清算人
④破産手続開始の決定 破産管財人
⑤廃業 個人業者・廃業した法人の代表役員
①,②は死亡・合併の時点で,届出がなくても免許は失効する。
③~⑤は,届出の時点で免許は失効するが,免許権者はその届出がなくても,その事実が判明したときは,免許を取り消さなければならない。
【注意点】
①宅建業者が,「成年被後見人,被保佐人になったとき」,「禁錮以上の刑罰に処せられたとき」,「宅建業違反・一定の刑法犯罪などにより罰金刑に処せられたとき」は届出を要しないが,それらに該当するに至った場合は,免許権者は免許を取り消さなければならない。
②宅建業を休業する場合については届出を要しないが,宅建業者が,免許を受けてから1年以内に事業を開始せず,または,引き続いて1年以上事業を休止したときは,免許権者は,免許を取り消さなければならない。
■死亡等の届出
届出事由 届出義務者
①死亡 相続人
②成年被後見人 成年後見人
③被保佐人 保佐人
③上記以外※2 本人
※2宅建業に係る営業に関して,成年者と同一の行為能力を有しなくなったとき,破産者となったとき,宅建業の免許を取り消されたとき(取引主任者・登録者が役員である法人が免許取消しになったとき),廃業の届出をしたとき,禁錮以上の刑罰に処せられたとき,宅建業違反・一定の刑法犯罪などにより罰金刑に処せられたとき
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◇予想問題
1 Aが宅地建物取引業者Bの専任の取引主任者である場合に,Aが住所を変更したときは,Aは変更の登録の申請を,また,Bは変更の届出をしなければならない。
2 取引主任者Aが宅地建物取引業者Bに勤務する場合に,Bの事務所の所在地が変更になった場合,Aは変更の登録の申請を,また,Bは変更の届出をしなければならない。
3 取引主任者Aが破産者となったとき,その破産管財人は,30日以内に,変更の登録の申請をしなければならない。
4 取引主任者Aが役員である法人Bが不正手段による免許取得で免許取消しになったときは,その旨を30日以内に届け出なければならない。
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〔正解&解説〕
1 取引主任者に住所の変更があったときは,取引主任者は変更の登録の申請をしなければならないが,宅建業者は,専任の取引主任者の住所が変更になっても,変更の届出をする必要はない。×
2 宅建業者が事務所の所在地を変更したときは変更の登記をしなければならないが,取引主任者は変更の登録の申請をする必要はない。×
3 宅建業者について破産手続開始の決定があったときは,破産管財人が変更の届出をしなければならないが,取引主任者が破産者となったときは本人がその旨を届け出なければならない。×
4 取引主任者が役員である法人が不正手段による免許取得等で免許取消しになったときは,取引主任者は届け出なければならず,「法人の免許取消処分に係る聴聞の期日・場所の公示日前60日以内に法人の役員であった者」は登録の欠格要件に該当するので,その登録は消除される。○
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