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宅建業法その9 媒介契約

媒介契約

 宅建業法の媒介契約の規定(34条の2)は宅地・建物の売買・交換の媒介についての規制
を定めたものであり,貸借の媒介には適用されません。

(1)媒介契約の類型

一般媒介契約(他の宅建業者に重ねて依頼することができる。)

・非明示型   依頼者は,重ねて依頼した宅建業者を明示しない
 ・明 示 型   依頼者は,重ねて依頼した宅建業者を明示する

専任媒介契約(他の宅建業者に重ねて依頼することはできない。)

・専任媒介契約
  (専属専任ではないもの)    依頼者は,自己発見取引ができる。
・専属専任媒介契約      依頼者は,自己発見取引はできない。

(2)媒介契約書面―契約内容の書面化

 宅建業者は,宅地・建物の売買・交換の媒介契約を締結したときは,契約内容を明確化するため,遅滞なく,その契約内容を記載した書面を作成して記名押印し,依頼者に交付しなければなりません。

 ただし,媒介契約書面は依頼者に交付すればよく,説明することまでは義務化されていません

□媒介契約書面の記載事項

物件
・当該宅地の所在,地番その他当該宅地を特定するために必要な表示
・当該建物の所在,種類,構造その他当該建物を特定するために必要な表示


価額または評価額
・当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額


媒介契約の種類
・依頼者が他の宅建業者に重ねて売買・交換の媒介
・代理を依頼することの許否(一般媒介契約と専任媒介契約のどちらであるか)
・これを許す場合,他の宅建業者を明示する義務の存否に関する事項 (一般媒介契約で,
 明示型と非明示型のどちらであるか)

 
媒介契約の内容
・媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
・指定流通機構への登録に関する事項
・報酬に関する事項


依頼者が特約に違反したときの措置


【専任媒介契約】
依頼者が他の宅建業者の媒介・代理によって売買・交換の契約を成立させたときの措置


【専属専任媒介契約】
依頼者が当該相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結したときの措置


【一般媒介契約(明示型)
依頼者が明示していない他の宅地建物取引業者の媒介・代理によって売買・交換の契約を成立させたときの措置


標準媒介契約約款
・当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別

(3)意見の根拠の明示

 宅建業者が,媒介契約により取り扱う宅地・建物の価額・評価額について意見を述べるときは根拠を明示しなければなりません。

 これは,一般媒介契約・専任媒介契約のどちらにも適用されます。(根拠の明示は,口頭でも,書面でもどちらでもよい。)

 意見の根拠としては,同種の取引事例などの合理的な説明がつくものでなければなりませんが,価額の査定等に要した費用(鑑定士に依頼して要した費用など)は,依頼者に請求することはできません

(4)専任媒介契約の規制 (この規定に反する特約は無効)

①有効期間
 
 ・有効期間※1   最長で3ヵ月。3ヵ月を超える定めをしたときは3ヵ月に短縮される。
 ・更新   依頼者の申出※2により更新。自動更新の定めは無効。
         この場合も更新後の有効期間は最長で3ヵ月。 

 
※1 有効期間を定めなかった場合(無期限)であっても,有効期間は3ヵ月になる。
※2 宅建業者は,依頼者から更新の申出があっても承諾する義務はない。


②指定流通機構への登録 (相手方の探索) 

 専任媒介契約では,契約の相手方を探索するために,媒介契約締結後,遅滞なく,指定流通機構に一定事項を登録しなければなりません(一般媒介契約では義務化されていないが,指定流通機構に登録することはできる。)。


●指定流通機構への登録事項

・宅地・建物に係る都市計画法 その他の法令に基づく制限で主要なもの
・宅地・建物の交換契約に係るものである場合は,その評価額
・専属専任媒介契約である場合は,その旨


 また,指定流通機構への登録については,以下の期間内※3で登録しなければなりません。


専属でない専任媒介契約   媒介契約締結の日から7日以内
専属専任媒介契約       媒介契約締結の日から5日以内

※3 媒介契約当日(初日不算入)と宅建業者の休業日は含まれない。

(5)業務処理状況の報告(口頭でもよい) ※4

専属でない専任媒介契約   2週間に1回以上
専属専任媒介契約       1週間に1回以上

※4 これに違反する特約(3週間に1回,報告はしないなどの特約)は無効になる。
 なお,業務の処理状況の報告は,口頭でもよく,書面化する必要はない。



媒介契約書面の交付義務に違反
監督処分→業務停止処分   罰則→なし


根拠の明示義務に違反
    監督処分→業務停止処分   罰則→なし


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◇予想問題


1 媒介契約が専任媒介契約以外の一般媒介契約である場合,宅地建物取引業者は,媒介契約を締結したときに依頼者に対し交付すべき書面に,指定流通機構への登録に関する事項を記載する必要はない。


2 専任媒介契約を締結した場合において,「有効期間は1年とする」旨の特約は無効であり,有効期間の定めのない契約とみなされる。


3 媒介契約が専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。) である場合,宅地建物取引業者は,契約の相手方を探索するため、契約締結の日から5日(休業日を除く。)以内に,所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。


4 専属専任媒介契約を締結した場合,宅地建物取引業者は依頼者に対し,当該契約の業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。


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〔正解&解説〕


1 一般媒介でも,指定流通機構への登録に関する事項を記載する義務がある。×


2 有効期間が3ヵ月を超える特約は無効であり,有効期間は3ヵ月に短縮される。×


3 専属ではない専任媒介契約では,契約締結の日から7日日(休業日を除く。)以内に指定流通機構に登録しなければならない。×


4 専属専任媒介契約では,業務処理の報告は1週間に1回以上である。×