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建物区分所有法28 

はじめて建物区分所有法入門(仮題) その28 植杉 伸介

第10章 復旧・建替え

1 共用部分の小規模滅失の復旧
(1)小規模滅失と大規模滅失の区別

 建物の滅失が起こった場合、その滅失部分を復旧する必要があります。
滅失した部分が専有部分であった場合は、その専有部分の所有者(区分所有者)が復旧を決定し、費用を負担します。問題は、共用部分が滅失した場合です。

 区分所有法では、共用部分の滅失を小規模なものと大規模なものに分けて、復旧の仕方を区別しています。
 小規模と大規模の境目は、建物価格の2分の1というラインで区別されます。

 すなわち、建物価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときが小規模滅失で、建物価格の2分の1を超える部分が滅失した場合が大規模滅失です。

(2)各区分所有者による単独復旧

 小規模滅失の場合の共用部分の復旧は、各区分所有者が単独で行うこともできます。

 共用部分が滅失した場合、その滅失した部分と密接な関係にある専有部分の区分所有者にとっては、復旧することは不可欠であり、急ぐ必要もあるからです。

 たとえば、階段室の一部が滅失した場合、その階段を利用している専有部分の区分所有者にとっては、一刻も早く復旧する必要があるので、単独で復旧することを認めたのです。


 ただし、各区分所有者による単独の復旧ができるのは、集会で復旧または建替え決議が行われていない場合に限られます。

 共用部分を復旧することは、共用部分の管理に関する事項であり、本来、区分所有者の集会で決定すべきことだからです。

 したがって、集会の決議があったときは、その決議に基づいて復旧等を行う必要があり、各区分所有者が単独で復旧することはできません。

(3)復旧費用の償還請求権

 各区分所有者は、単独で共用部分を復旧することができますが、復旧を行った区分所有者は、その費用を他の区分所有者に対して償還するよう請求できます。
 共用部分は、区分所有者全員の共有に属するものだからです。

 償還請求できる金額は、共用部分に対する各区分所有者の共有持分の割合に応じます。


 しかし、償還請求された他の区分所有者からすると、急に支払いを求められてもすぐに弁済できない場合があります。

 そこで、償還請求を受けた区分所有者は、裁判所に請求して、支払いについて相当の期限を許与してもらうことができます。

(4)復旧の集会決議

 滅失した共用部分を復旧することは、共用部分の管理に関する事項ですから、集会の決議によって復旧を決定することができます。

 この小規模滅失の場合の復旧決議に要件は、区分所有者および議決権の各過半数の賛成(普通決議)によります。


 ただし、復旧のついでに共用部分の変更を行う場合は、共用部分の重大変更として、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要になることがあります。

(5)規約に基づく復旧手続

 小規模滅失の場合の復旧のやり方は、原則として以上の通りですが、この点について規約で別段の定めをすることもできます。

 たとえば、各区分所有者による単独復旧を認めず、すべて集会の決議によるとする定めなどです。