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建物区分所有法32 団地建物所有者の団体

はじめて建物区分所有法入門(仮題) その32 植杉 伸介

1 団地建物所有者の団体

(1)団地の成立要件

 区分所有法の団地に関する規定が適用される「団地」とは、次の要件を満たす場合です。

① 一区画内に数棟の建物があること
② その区画内の土地または附属施設が数棟の建物の所有者の共有に属すること

 区画内に存在する建物は、区分所有建物でも戸建ての建物でもかまいません。したがって、すべて戸建ての建物で構成される場合でも、「団地」に当たることに注意してください。


 土地または附属施設を「数棟の」建物所有者が共有する場合にのみ団地関係が認められるので、下図のような場合は、A棟、B棟の建物所有者だけで団地関係が形成されます。


C棟は、A・B両棟と一体的に建設された場合でも、法律上は、団地関係から除外されます。

(2)棟別管理組合と団地管理組合の併存

 団地においては、土地または附属施設を共有する団地内の建物の所有者を「団地建物所有者」といいます。

 その団地建物所有者は、全員で、団地内の土地、附属施設および区分所有建物の管理を行うための団体(団地管理組合)を当然に構成し、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます。


 団地管理組合が成立する場合でも、団地内の建物が区分所有建物であれば、その区分所有建物ごとにそれぞれの管理組合(棟別管理組合)が生じます。

 したがって、団地内に区分所有建物があるときは、団地管理組合と棟別管理組合が併存することになります。

(3)団地の管理に関する規定

 団地の管理については、これまで学習してきた通常の区分所有関係における規定を、団地にあわせて一部読み替えたうえで、準用されることになっています。

 読み替えは、たとえば、「区分所有者」が「団地建物所有者」、「建物内」が「団地内」という要領で行われます。

 したがって、これまで学習してきた区分所有法の規定を理解していれば、特に問題はありません。通常の区分所有関係の場合と基本的には同じであると考えてかまいません。

 すべての条文について読み替えを確認する必要はないでしょう。

 それより重要なのは、団地に準用されない規定を押さえることです。団地全体に及ぼす必要のないものや、1棟ごとに処理すべきであって、団地全体の問題として適用するにふさわしくないものなどです。

 準用されない規定として覚えておくべきなのは、次のものです。


① 敷地利用権

② 義務違反者に対する措置

③ 復旧・建替え

 敷地利用権の規定が準用されないのは、団地内には戸建ての建物が存在する場合があり、戸建ての建物には分離処分禁止を適用することはできないからです。


 義務違反者に対する措置の規定が準用されないのは、義務違反者に対して使用禁止や競売請求などの強力な手段をとることができるのは、一棟の建物内で一種の共同生活を送っていることが根拠になっているからです。

 つまり、義務違反者に対する措置は、各棟ごとで行うべきで、同じ建物内で生活していない他の建物の所有者を含む団地管理組合で決定するのは不適切だということです。

 復旧・建替えの規定が準用されないのは、復旧・建替えはその棟の区分所有者だけで決定し、その者たちだけで費用を負担するのが適当だからです。

(4)団地共用部分

 団地関係において、団地建物所有者全員で利用する共用部分が必要になることがあります。

 たとえば、団地管理組合の事務所、集会室、倉庫、車庫などです。そこで、団地規約によって、団地共用部分を定めることが認められています。


 団地共用部分にすることができるのは、団地内に存する附属施設である独立の建物または区分所有建物の専有部分です。

 団地共用部分の権利関係は、通常の区分所有建物の共用部分と同様に考えてかまいません。

 すなわち、団地共用部分は団地建物所有者全員の共有に属し、その持分は、団地規約に別段の定めがないかぎり、その有する建物または専有部分の床面積の割合によります。

 また、持分を建物または専有部分と分離して処分することはできません。


 規約によって団地共用部分を定めたときは、その旨の登記をしないと、共用部分であることを第三者に対抗することができません(67条1項後段)。

 これは、通常の区分所有建物の規約共用部分と同じです。